美術館建設の見守り隊の方々に届けたメッセージ
南スーダンの深刻な内戦状態は続いている。6月28日の武力衝突は270人以上の死者を出し、PKO部隊兵士が1人が死亡。7月には内戦ぼっ発以来最大の戦闘が首都ジュバで発生し、300人を超える犠牲者を出している。
そんな中 自衛隊では戦争法による新任務の訓練が8月25日から開始されている。訓練後、実戦投入されるのは11月に派兵される南スーダンPKO(国連平和維持活動)交代部隊。
南スーダンPKO法改悪で、自衛隊の任務は「憲法9条の禁じる武力行使にあたるおそれ」と政府自身が違憲の疑いを認めてきた領域にまで広がった。
他国軍とともに武器で防衛する「宿営地の共同防護」、国連職員や他国軍へいしなどを武力で助けに行く「駆けつけ警護」も可能になった。
「宿営地の共同防護」は、「外国の軍隊の部隊の要員が共に宿営するものに対する攻撃があったときは、当該宿営地に所在する者の生命又は身体を防護するための措置をとる当該要員と共同して」武器を使用できる。
「駆けつけ警護」は、PKOに従事する者を対象に「生命又は身体に対する不測の侵害又は危難が生じ、又は生ずるおそれがある場合に、緊急の要請に対応して行う当該活動関係者の生命及び身体の保護」を行う業務である。また、「特定地域の保安のための監視、駐留、巡回、検問及び警護」のための武器使用(任務遂行のための武器使用)も認めた。
武器の使用は、一応「正当防衛及び緊急避難」の場合に限られるとされるが、現実は、2004~2006年の自衛隊イラク派兵の時、現地の司令官は「危ないと思ったら、撃て」との指示を出していたことが防衛省内の正式文書で報告されている。
PKO5原則も崩壊している。
(1)紛争当事者の間で停戦合意が成立
(2)国連平和維持隊が活動する国や紛争当事者が日本の参加に同意
(3)国連平和維持隊が中立的立場を厳守
(4)以上の条件を満たさなければ撤収できる
(5)武器使用は生命防護のため必要最小限とする。
このうち1つでも満たさなければ派兵できない。
しかし、南スーダンの紛争は、独立当時の国軍が大統領派と副大統領派に分裂して繰り広げられており、すでに5原則は破られている。
内戦が激化する南スーダンに新任務を与えた自衛隊部隊を派遣することは、殺し殺されることを自衛隊に強いることになる可能性が非常に高い。自衛隊は、南スーダンから帰国させることが急がれる。