ウィトラのつぶやき

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アメリカ大統領選挙の結果

2012-11-11 17:10:54 | 社会

アメリカの大統領選挙は予想通りオバマ大統領の勝利で終わった。選挙人の数ではかなりの大差がついたが、得票数は50対48という接戦だった。

今回の大統領選挙はお互いに相手の悪口を言い合うレベルの低い選挙であったと言われている。私はこれは共和党側が仕掛けたものだと思っている。この4年間のオバマ大統領の実績がたいしたことが無いというのは事実だが、共和党側のほうがもっと問題だと思っている。「政治の劣化」の項で書いたことの繰り返しになるのでここまでにしておこう。

ニューヨーク市場の株価はオバマ勝利が確定すると大きく下げた。これも私には理解できないことである。市場はオバマが負けると思っていたのだろうか?ロムニー候補が勝てば景気が良くなると思っていたのだろうか? そのうち戻ると思っているが「財政の崖」にどう対応するかは重要な課題だと思う。

大統領選挙と並行して行われた議会選挙では共和党がまた勝った。アメリカでもねじれ現象が継続する。アメリカの場合には中心となる下院が共和党が上なので、日本のねじれよりもかなり事態は深刻なはずである。政治は停滞しているがそれでも日本ほど政治が停滞しているとは感じされないのは日米の政治家の質の差だろうと思う。

中国の政治も、以前このブログで紹介したFTの記事のように「実は中央政府はかなり腐敗していた」というようなことが明らかになってきている。権限移行がスムースに行くのかどうか、予断を許さない。韓国の大統領選挙も近いが、与党の候補が分裂してどうなるか分かりにくい状況である。更にヨーロッパは最近は落ち着いているようだが、ヨーロッパのリスクは資金繰りがつかないリスクから、返済不能のリスクに移ってきており、ヨーロッパ中央銀行が金を貸すだけでは解決しないだろうと言われている。いずれまたギリシャ問題がぶり返すだろうと思う。

そしてわが日本では突然解散が真剣に言われるようになった。TPPに参加を決めてそれを争点にしようという民主党内の議論である。これには民主党内でも反対派が居てどうなるか分からない。また民主党から出ていく議員が出そうである。私はこの民主党の動きには賛成である。TPPに参加を前提に議論をする、それに賛成できない「TPP絶対反対」というような人たちは民主党から出ていく。総選挙をやるなら一時的には民主党員が減っても民主党の性格が明確になって選挙結果は良くなるのではないかと思う。

年末にかけて世界的に不安定な状況が続きそうである。