ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

3GPP会合を自社でホストした経験

2011-05-03 08:43:52 | 昔話

前回の「昔話」のカテゴリーで述べたフィンランド会合は1999年2月と書いたが私の記憶の誤りで1月だった。2月会合は私の会社、NECでホストしたのだった。3GPPという組織は基本的にどこかの会社がホストする仕組みで運営されている。現在の3GPP会合のホストは1年くらい前にどこがホストするかが決まり、準備に入るのだが、この時は設立後間もないのですぐにその場でホストを決めなくてはならない。

1月はノキアがホストしてくれたのだが2月のホストはどこか探さなくてはならない。私は仮議長をしていた関係でホストを探す必要性を感じていたがまだそれほど知り合いもいるわけではなく、どこかの会社に頼むということもやりにくかったので自分の会社でホストをすることに決めた。

この時も、用心深い人なら入念に社内の根回しをしてからホストを決めるのだろうが、私は、ちょっと周りに当たってみた感じでなんとかなるだろうという感触を得て自社でホストをすることに決めてアナウンスを出した。当時無線関係のワーキンググループは4つありそれが並行して会議を行うので4室必要である。そのころ私は今は「ららぽーと」になっている鴨居の横浜事業所に勤務していた。最初は社内の施設でやろうかと思っていた。当時私は研究所系に居て、部下の数も多くない。受付等の事務の応援を頼もうと思って事業部の友人に依頼したら、「あそこは主に宴会に使っており、酒臭い。きちんとホテルを借りたほうが良い。予算は私が何とかする。」と言ってくれた。スペース的にもかなり苦しそうである。そこで近くの新横浜プリンスで開催することに決めた。

当時は無線LANは普及しておらず、フロッピーやCDで資料を配布していたし、紙の資料配布も併用していた。前回の会合で説明したように、当日になって寄書を作成する人もかなりいるので、強力なコピーマシンが必要である。コピーマシンの高速のものを借りてホテルに設置し、寄書が出てきたら人数分だけコピーする体制も必要である。国籍によっては日本入国にビザが必要でビザ取得のために大使館あてに招待状を出してほしいという依頼も舞い込んでくる。全てが初めての経験で思ったよりはるかに大変なイベントだった。

しかし、私自身はそれほど運営にはエネルギーを使わずに、殆ど一人の女性スタッフにに任せきりで、時々大きな判断をする程度で済んだ。彼女がホテルや事務機会社との交渉、受付のための動員、ソーシャルイベントの手配など一手に引き受けてくれた。本人にとっても初めての経験だったと思うが、実に手際よくやっていたと思う。自分の部下の今まで知らなかった能力にここで初めて気付いた思いだった。

会議は成功だったし、ヨーロッパの次にアジアで開催されたことでそれから先もスムースにホストが決まるようになっていった。予算措置を申し出てくれる人が出てくるなど、社内的にも色々な人に助けられ、自分にとっても、自分のスタッフにとっても良い経験だったし、会社にとっても良い経験だったと思う。


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