ウィトラのつぶやき

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安保理常任理事国入りはまだ無理ではないか

2014-09-27 11:46:49 | 社会

安倍総理が国連総会で安保理の常任理事国入りへの意欲を改めて語ったと報じられている。しかし、客観的に見て日本の国連安保理の常任理事国はまだ機が熟していないと私は考えている。国連安保理の常任理事国は世界の紛争解決に対する方針を議論する場である。しかし、日本国民は世界情勢に対する意識は低く、世界平和を維持するという意識は十分にできていないと感じている。

今の大きな話題はイラクやシリアのIS問題やウクライナ問題だろう。安倍総理はこれらの問題に対する姿勢を打ち出しているが、日本人の問題意識は低いと思う。何より、国連で行動することを決めてPKO(平和維持活動)を起こそうとしたときに、「日本人が巻き込まれるかもしれない」と言って反対の大合唱が起こる。安倍総理が集団的自衛権を言い出した時に、まだ起きてもいないこういった問題に対して「巻き込まれるかもしれない」と言ってマスコミが大騒ぎしたことは記憶に新しい。PKOに賛成していながら「日本人の犠牲者は出せないから他の国で戦って」というような国には国連を任せられないというのが普通の反応だろう。

安倍総理自身は違った意見を持っていることは私も知っている。しかし国民の反応を見れば踏み出せないだろう。仮に常任理事国入りをしたとしても十分に役割を全うできないと思う。憲法改正をして正式に集団的自衛権を承認してから常任理事国入りを目指すのが筋だと思う。

日本のマスコミに代表される国民の意見はさておき、安倍政権が世界の紛争に対してきちんとした態度を表明してきたか、というと、私はそこにも高い点をつけられない感じがしている。世界では紛争が絶えない。今大きいのは、ウクライナ問題、イスラム国問題だが、イスラエルのガザ侵攻、アフリカのボコハラム問題やコンゴの鉱山問題、ソマリア内紛、タイのクーデター、アラブの春の後始末はうまくいっておらず中東全体が不安定な感じになっている、などの問題に対して安倍政権は独自の姿勢を持っているか、大いに疑問である。基本的にはアメリカの要請に応じる姿勢を貫き、それ以外は世界各国の意見が定まるまで様子見、という態度だと私は感じている。安保理常任理事国になれば自らの意見を持ち世界を動かすような態度が必要になるだろう。安倍政権はマスコミよりは、はるかにまともだと思っているが、それでもまだ常任理事国のレベルには達していないのではないか、というのが私の見方である。



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