ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

iPadの無線LAN版に注目

2010-06-16 06:24:22 | 経済
今朝の日程トップは、携帯電話オペレータ各社が基地局の大幅増設を計画しているという記事だった。これはiPhoneやXperiaといったスマートフォンがトラヒックを圧迫しており、基地局を増設して速度を上げることがユーザの評価に大きくつながるという判断からである。

このような流れの中で私は少し違った観点から、今評判のiPadの無線LAN版、正確に言うと3Gモデムを内蔵していないiPadの売れ行きに注目している。3Gモデムが無いと、自宅で無線LANを使っているような人は自宅では使えるが、外出先では使えないことになる。

イー・モバイルはこのような人のためにPocket WiFiという装置を売り出した。これは無線LANの信号を受けて3G信号に変換するいわば無線ルータである。外出するときにはこの装置を使えばよい。これが結構売れ行きが良いらしく、ソフトバンクも、ドコモも同じコンセプトの装置を発売している。私も買うならこのパタンにすると思う。

この無線LAN対応iPadは通信事業に思いがけぬ広がりを見せる可能性があると思っている。まず、無線インフラが何でも良くなる点である。3G内蔵版だと方式の違うAUやUQでは使えないが外付け無線ルータだとcdma2000のAUや、WiMAXのUQコミュニケーションでも使えることになる。方式にかかわらず最もサクサク通るネットワークに人気が集まるだろう。基地局投資はしているものの顧客集めに苦労しているUQがこの点では最も有利でUQにとってはありがたい話になるのではないだろうか。

更に、公衆無線LANの事業を拡大させる可能性もあると思う。今、公衆無線LANのオペレータはばらばらに投資しており、連携が取れていないが連携を取るようにインセンティブが働くかもしれない。あるいは他の家の無線LANのアクセスポイントを使うFONの普及を促すかもしれない。

iPadにはこのような観点での影響力も考えられる。