6/3~週の日経平均は、米国のQE3が縮小されるのでは、との思惑から為替市場で
ドル/円が99円割れからスタートし、約1カ月ぶりの円高水準でのスタートとなり、株式
市場の足を引っ張る結果となりました。
米の出口戦略に対する不透明感に加え、安倍内閣の成長戦略第3弾発表もインパクトに
かけ 売り口実となり、先物主導の株価下落が、ドル売り/円買いの流れとなり、悪循環。
NY市場が底堅い中、日経平均は 反発して良い水準ながら、需給悪化が加わり、今週も
下げ基調となりました。
結局 日経平均は、1週間で897円下落(↓6.51%)の12877円の週末でした。
週末の米雇用統計を控え、為替市場も乱高下し、一時96円割れと週末日経平均戻りの
目安13000円台は、先物主導の売りに加え、処分売りを誘い、崩された格好です。
6月第2週(6/10~6/14)の主なイベントと予定は、下記1.の通りです。
週末の米雇用統計は、非農業者部門雇用者数は17.5万人増(予想、16.3万人増)
上回り、失業率は7.6%に1ポイント悪化。全体のトレンドとして、悪化した印象もなく、
底堅い回復を継続と株式マーケットは判断し、大幅反発で終了しています。
この結果、為替市場もドル/円で97円台半ば迄 円高是正が進み、週明けの日経平均
反発してのスタートになりそうです。
明日からの週は、米雇用統計の程良い着地で、東京市場の戻りを試して良い日柄に
なるかもしれません。
ファンダメンタルズでは、売られすぎなので、6/11日銀金融政策決定会合での黒田
総裁の発言で、発信力があれば14000円台に向けたリバウンド相場になります。
6/12の4月機械受注にも注目です。また6/14政府の成長戦略と骨太方針発表で、
インパクトある具体策を提示できれば、市場の見直しが進む公算があります。
海外は、6/13の米5月小売売上高、イタリア国債入札、6/14の米5月鉱工業生産、
設備稼働率などが注目されそうです。
6月第2週(6/10~6/14)の日経平均レンジは、12900円~13800円程度を想定
しています。
1.6月第2週(6/10~6/14)主なイベントと予定
6/10
日本 日銀金融政策決定会合(~6/11)
日本 第1四半期GDP2次速報
日本 5月景気ウオッチャー調査
日本 5月消費者態度指数
日本 4月国際収支
日本 ドクターシーラボ、トーホー、テンボス 等 決算
米 セントルイス連銀総裁 講演
中国 上海市場休場(~6/12、端午節)
6/11
日本 日銀政策、金利 発表
日本 黒田日銀総裁 会見
日本 ペプチドリーム新規上場
日本 ロックフィールド、ウインテスト 各決算
日本 W杯アジア最終予選、イラクVS日本(ドーハ)
米 4月卸売在庫
米 国債入札 3年債(320億ドル)
英 4月鉱工業生産
英 4月製造業生産高
6/12
日本 4月機械受注
日本 日銀月報
日本 コーセル、石井表記、TYO、シーシーエス 各決算
日本 野村不動産マスターファンド(REIT)新規上場
米 国債入札 10年債(210億ドル)
米 スプリント、ネクステル 臨時株主総会
香港 休場(端午節)
英 5月失業率
EU 4月ユーロ圏鉱工業生産
6/13
日本 横田製作所 新規上場
日本 東京ドーム、ザッパラス、日本テレホン、フリービット 各決算
米 5月小売売上高
米 新規失業保険申請件数(~6/7までの週)
米 国債入札 30年債(130億ドル)
豪 5月雇用統計
NZ 中銀政策金利
伊 国債入札
EU ECB月報
6/14
日本 日銀議事録
日本 オプションSQ算出日
日本 成長戦略・骨太方針が閣議決定される見通し
日本 エイチーム、ヤーマン、ロングライフHD 各決算
米 5月生産者物価
米 6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報
米 5月鉱工業生産
米 5月設備稼働率
EU 5月ユーロ圏消費者物価指数
6/15
日本 安倍首相、ポーランド訪問(東欧4カ国首脳と会談)
米 国債償還 3年債(362億ドル)
2.NY市場、為替/債券 各結果(6/7)
3日からの週は、激しい相場展開となるなかでドル売りが優勢だった。週末の米雇用
統計を控えて発表された一連の米経済指標は、予想を下回る結果が相次いだ。
これまでドル買いをけん引してきた米FRBによる債券買入れの早期縮小見通しが後退
している。
ドル売り圧力が広がり、ユーロドルは1.30台から1.33台まで上昇。日本では米雇用
統計の重要イベントを控えてこれまでのアベノミクス相場への巻き返しが急速に
進んだ。
日経平均は連日の乱高下のなかで売られ、5月に付けた年初来高値から3000円超の
大幅下落となっている。
ドル円は100円台から雇用統計前には95円台まで下落、円高・ドル安が進んだ。その
中で豪ドルやNZドルは冴えない動きだった。ドル安が進行するなかでも豪ドル/ドルは
水準を下げている。豪中銀は政策金利を据え置いたが、今後の利下げに含みを持たせ
ていた。
注目の米雇用統計の結果は非農業者部門雇用者数は17.5万人増と予想(16.3万人
増)を上回る一方、失業率は7.6%に1ポイント悪化。
米株もポジティブに反応し、円相場は円安の動きが優勢となった。ドル円は雇用統計
発表直後に94円台に瞬間下落する場面もあったが、一時97円台後半まで戻している。
7日のNY市場はこの日発表になった米雇用統計を受けて、ドル円、クロス円は買い戻し
の動きが優勢となった。発表直後こそ乱高下したが、動きが落ち着くとドル買いが優勢と
なり、一方で円安の動きも見られた。
米雇用統計は非農業者部門雇用者数は17.5万人増と予想(16.3万人増)を上回る一方
失業率は7.6%に1ポイント悪化していた。もっとも7.5%から悪化したとはいえ、
小数点第2位まで計算すると7.55%。前回は7.51%なので、さほど悪化したとの印象もない。
FRBによるQE縮小期待は温存する結果ではあったが、NFPも20万人増にはとどいておらず、
失業率は7%台半ばでの推移が続いている。少なくとも大きな改善は見られず、FRBがQE
縮小を急ぐまでの説得力もない。
ただ、このことが逆に功を奏したのかもしれない。早期QE縮小への懸念から軟調だった
米株もポジティブに反応している。
弱過ぎるとドル売り、強過ぎると株安というシナリオも想定
されたことから、今回の雇用統計の適度な加減が円相場をサポートしていた様に思われる。
ドル円は雇用統計発表直後に94円台に瞬間下落する場面もあったが、一時97円台後半まで
200ポイント超戻した。ユーロ円も126円台前半から一時129円台まで回復している。
一方、ユーロドルは1.32台を一時割り込んだものの、1.32台はしっかりと維持した。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=186410
米国債利回り(NY時間16:36)
2年債 0.302(+0.014)
10年債 2.172(+0.095)
30年債 3.335(+0.091)
期待インフレ率 2.153(-0.004)
*期待インフレ率は10年債で算出
7日のNY債券市場、利回りは上昇。この日発表になった米雇用統計が予想を上回る内容
だったことに素直に反応している。内容的には雇用回復の底堅さを裏付けた格好だが、
QE縮小を早めるだけの強さもなかった。ただ、米株がポジティブに反応したことや、為替
市場でドル円もリバウンドの動きが見られたことから、利回りも上昇したようだ。
10年債は2.17%、30年債は3.33%台まで回復している。
2-10年債の利回り格差は187(前日+178)にスティープ化。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=186407
3.NY株式市場 結果(6/7)
NY株式7日
ダウ平均 15248.12(+207.50 +1.38%)
S&P500 1643.38( +20.82 +1.28%)
ナスダック 3469.22( +45.16 +1.32%)
CME日経平均 13230 (大証比:+550 +4.14%)
7日のNY株式市場、ダウ平均は大幅続伸。この日発表になった米雇用統計が予想を
上回る内容だったことに素直に反応している。非農業部門雇用者数は17.5万人増と
予想を上回っていたものの、20万人には届かず、失業率は1ポイント悪化していた。
雇用回復の持続を示す内容ではあるが、市場が懸念していたQE縮小を早めるだけの
強さでもなかったことが良かったようだ。
ダウ平均は200ドル超上昇し15250ドル付近まで上昇。25日線の水準を回復している。
ダウ採用銘柄ではボーングやディズニー、アメックスが上昇。一方、ディフェンシブ的に
買われていたAT&T、メルクが下落。
モルガンスタンレーやゴールドマンなど証券株の上昇が目立った。モルガンスタンレーは
アナリストが新規にアウトパフォームに格付けしたことが好感されている。
ナスダックも上昇。グーグルやアマゾンが堅調。クアルコムが下落。
データセンター運営のエクイニクスが商いを伴って下落。同業のアイアンマウンテンと
データーセンターのREITへの変換を試みているが、米歳入庁が通常の不動産として
適切かどうかの判断が難航しており嫌気されている。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=186406
4.NY市場、原油先物7月限/金先物8月限 各結果(6/7)
NY原油先物7月限(WTI)
1バレル=96.03(+1.27 +1.34%)
7日のNY原油先物相場は3日続伸。この日発表になった米雇用統計が予想を上回る内容
だったことを素直に好感している。米株がポジティブに反応したこともフォローとなった。
7月限は5月22日以来の96ドル台を回復し、一時96.40ドル付近まで上昇する場面も見られた。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=186399
NY金先物8月限(COMEX)
1オンス=1383.00(-32.80 -2.32%)
7日のNY金先物相場は大幅反落。この日発表になった米雇用統計が予想を上回る内容
だったことで、為替市場ではドル売りが優勢となり、株価も上昇したことから、金に対する
逃避買い需要は後退した。
8月限は再び1400ドル台を割り込み1380ドル付近まで下落している。きょうの下げで25日線
に跳ね返された格好となり、下向きの動き継続となった。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=186400