黒田総裁率いる日銀が決めた大規模な金融緩和策について、海外でも反響が
広がっている様です。
http://news.livedoor.com/article/detail/7569059/
「革命」と報じたメディアがある一方で、FRBなど、各国の金融当局では
政策への影響を含めて、賛否両論が交錯。「黒田ショック」が世界を走った
格好です。
土曜の晩は、そのコメントを紹介します。
◎「日本で金融革命が始まった」。-英紙フィナンシャル・タイムズ
「世界の中央銀行で最も慎重」とみられていた日銀が、力強い成長と物価
上昇を取り戻すため、「ほかの中銀を先導しようとしている」と指摘。
社説でも「日本の金融政策は20年間失敗を重ねてきたが、黒田総裁が
最初の金融政策決定会合で大変革を起こした」と高い評価を与えている。
◎「日銀の政策において歴史的な変革だ」-ニューヨーク・タイムズ(電子版)
東京の特派員発の記事で、とする市場関係者の見方を紹介。
4日のNY市場では日銀の決定に驚きの声が広がったが、「2年間で2%の
物価目標は非現実的」(債券運用世界最大手ピムコの幹部)と危ぶむ見方も
あった。
◎「(日銀の緩和策は)完全に理解でき、適切だ」-FRBのイエレン副議長
ワシントン市内の講演で、と全面的に支持。
◎「世界の景気回復に役立つ」-アトランタ地区連銀のロックハート総裁
講演で支持、評価。
◎「日銀の緩和で、FRBも量的緩和を続けるべきだと圧力を感じる必要はない」
-ダラス地区連銀のフィッシャー総裁
世界的な緩和競争にくぎを刺し、FRB内で受け止めが割れた形。
◎「金融と経済の変革の代わりに金融政策を用いるのなら、われわれは誤った
道を進む」- ドイツのショイブレ財務相
安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」に批判的。日本は構造改革の必要
性を認識しているはずとし、懸念を表明。
◎「全容を見極める」- 欧州中央銀行のドラギ総裁
日銀の動向を注視する姿勢を示した。
以前にも指摘したが、リーマンショック以降、白川総裁のマネーサプライ量は、
欧米諸国の1/2以下であり、円高進行は、需要と供給を考えれば、中学生でも
わかる当然の流れとなっていた。
今回の黒田総裁の施策は、その是正をする質的・量的緩和であり、ドル/円で
100円台の水準に戻すもの。因みにリーマンショック前は110~120円と
なっており、円高是正処置として極めて、適正であると思えます。
勿論、経済成長には、規制緩和/重点施策の実行/法人税減税などの
諸施策が必要なことは、言うまでもありません。ただ、期待創出による景気上昇と
マインド改善、景気底上げに効果あることに相違ありません。
今回の金融政策の副作用を心配する前に、過去20年以上、脱しきれていない
デフレの弊害を是正する、先進国初のテストケースになりそうです。
それでは、また。