9月第1週(9/3~)は、ECB理事会や米雇用統計とイベント目白押しの
中で、相場が展開しました。
週前半は、中国の成長鈍化の流れで、リスク回避ムードが広がったものの
ECB理事会のドラギ総裁発言や、NY市場の底堅い動きの中、週末の米
雇用統計は失業率の減少も、非農業部門雇用者数の増加が9.6万人(予想、
13万人)に届かない状況も、QE3の可能性を示唆して、小幅続伸の展開と
なり、為替の影響を除けば、週明けの東京市場への追い風となりそうです。
週末の東京市場は、ドラギ発言を好感し191円上昇となりました。結局、
日経平均は、1週間で約32円(0.36%)上昇し、8871円の大引けでした。
9月第2週(9/10~9/14)の主なイベントと予定は、下記1.の通りです。
海外は、重要イベントが継続する中、為替が円高高止まりすれば、日本株の
出遅れ感あるのは、事実です。リーマン・ショックの震源地、米国NY市場の
ダウがショック後の高値を更新しており、追従できてないのが、おかしい。
明日からの週、週末にSQを控えてるとは言え、日経平均の25日移動平均線
(約8951円)や、200日線(約8985円)を突破して良い水準です。
先物市場の売り仕掛けがなければ、日経平均の9000円台のリバウンドも
見えてきますが、どんな展開になるでしょうか。
日経平均、9月第2週(9/10~9/14)のレンジは、8800円~9100円
程度を想定しています。
1.9月第2週(9/10~9/14)主なイベントと予定
9/9
中国 8月消費者物価
中国 8月生産者物価
中国 8月鉱工業生産
中国 8月小売売上高
9/10
日本 第2四半期 実質GDP速報
日本 8月消費動向調査
日本 7月国際収支
日本 6月景気ウオッチャー調査
日本 学情、ヤーマン、テンボス、正栄食品 等 各決算
日本 JAL、売り出し価格決定(申し込み期間9/11~9/14)
日本 電算システム 東証1部指定
日本 民主党代表選告示(投票 9/21)
日本 気象庁、エルニーニョ監視速報
米 7月消費者信用残高
中国 8月貿易収支
9/11
日本 7~9月法人企業景気予測調査
日本 8月工作機械受注
日本 コーセル、三井ハイテック、クロスプラス 等決算
米 7月貿易収支
米 国債入札 3年債(320億ドル)
米 同時多発テロから11年
世 夏季ダボス会議(~9/13 中国、天津)
キム世銀総裁、記者会見
第67回国連総会開幕
9/12
日本 7月機械受注統計
日本 8月国内企業物価指数
日本 イハラケミカル、ツルハ、TYO、シーシーエス 各決算
米 FOMC(~9/13)
米 7月卸売在庫
米 アップル新製品イベント「iPhone5」の発表?
米 国債入札 10年債(210億ドル)
印 7月鉱工業生産
独 連邦憲法裁判所 ESMと新財政協定の是非判断
英 8月失業率
蘭 オランダ議会選挙
EU 7月ユーロ圏鉱工業生産
9/13
日本 8月首都圏新規マンション発売
日本 ドーム、サイボウズ、オハラ、ナイガイ、石井表記 各決算
米 8月生産者物価指数
米 8月財政収支
米 新規失業保険申請件数(~9/8までの週)
米 FOMC政策金利、声明
米 バーナンキFRB議長の会見
米 国債入札 30年債(130億ドル)
NZ NZ中銀政策金利
仏 オランド仏大統領、講演
伊 イタリア国債入札
ス スイス中銀政策金利 EU ECB8月報
世 G20財務相・中央銀行総裁会議(~9/14、メキシコ)
9/14
日本 SQ算出日
日本 7月鉱工業生産速報値
日本 7月設備稼働率速報値
日本 稲葉製作所、エニグモ、アルデプロ、明豊エンタ、モルフォ 各決算
日本 OKI、上場回避への四半期報告書期限
日本 「会社四季報」発売
日本 自由民主党総裁選告示(9/26投票)
米 8月消費者物価指数
米 8月小売売上高
米 8月鉱工業生産
米 8月設備稼働率
米 9月ミシガン大学消費者信頼感指数
ギ ギリシャ、救済融資受け入れのための緊縮策を発表
EU 8月ユーロ圏消費者物価指数
EU ユーロ圏財務相会合(キプロス)
9/15
日本 シャープ創業100年
米 リーマン破綻から4年
米 国債償還 3年債(380億ドル)
EU ユーロ圏財務相会合
2.NY市場、為替/債券 各結果(9/7)
7日のNY市場はドル売りが優勢となっている。この日発表になった米雇用
統計で、非農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回る内容となった。来週の
FOMCでのQE3期待を高める格好となったことから、ドルは売りが強まって
いる。
ドル円は売りが強まり、79円付近から、一時78円割れを試す動きも見られた。
前日はECBの国債購入決定や、ADP雇用統計の強さに、今日の米雇用統計
に期待感が高まっていたが、それが剥落した格好となり、今週の上げを解消
する動きとなっている。ただ、78円の水準は6月以降、強くサポートされて来た
水準で、覆面介入への警戒感も根強い中、78円台はかろうじて維持。
一方、ユーロドルは1.28台に大幅上昇となった。前日のECBによる国債購入
決定からユーロは買い戻しが強まっているが、きょうの弱い米雇用統計で、
ドル売りの動きも加わり、二重の追い風となった。
さすがに上昇が急ピッチで、上値警戒感も出ている模様。21日線からの上方
乖離は2.5%を超えており、また、過熱感を示すテクニカル指標であるRSIは
72.4と、買われ過ぎのラインである70を越えて来ている。
200日線が1.2840近辺に控えており上値目標となりそうだが、一旦、戻り売り
も警戒したいところではある。
米雇用統計だが、自動車の不振で、製造業の雇用減が影響したものと見られる。
通常7月中に操業を一時停止する自動車工場が停止せず雇用が維持されたこと
から、反動が出たとの指摘も聞かれる。米国内の自動車販売は好調だが、欧州
危機や中国減速による輸出不振が重石となっている可能性もありそうだ。
失業率は8.1%と、2ポイント改善している。ただ、失業率算出基の家計調査を
見ると、失業者数は25万人減少したものの、非労働人口は58万人増加。一方、
労働人口は36.8万人減少し、労働参加率は63.5%まで低下が続いている。
職探しを諦め、失業者にカウントされなくなった人が増え、失業率低下にやや
影響した面もありそうだ。 http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=159792
米国債利回り
2年債 0.250(-0.008)
10年債 1.666(-0.012)
30年債 2.818(+0.020)
期待インフレ率 2.368(+0.047)
*期待インフレ率は10年債で算出
7日のNY債券市場、利回りはまちまち。この日発表になった米雇用統計は非
農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回る内容となった。
来週のFOMCでのQE3期待を高める格好となり、発表後に利回りは急速に低下
したが、後半にかけて戻している。
ECBの国債購入決定で、欧州危機が一服するのではとの期待も根強い。また、
NFPの9.6万人増という数字が、QE3に対してやや未知数の部分もあり、一気に
買いを進め、利回りを低下させる動きまでには結びつかなかったのかもしれない。
10年債利回りは1.6%を割り込んだ後、1.66%まで戻す動き。また、30年債は
プラス圏に浮上している。
2-10年債の利回り格差は141(前日+141)と変わらず。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=159791
3.NY株式市場 結果(9/7)
NY株式7日
ダウ平均 13306.64(+14.64 +0.11%)
S&P500 1437.92( +5.80 +0.40%)
ナスダック 3136.42( +0.61 +0.02%)
CME日経平均 8875 (大証比:-5 -0.06%)
7日のNY市場、ダウ平均は小幅に3日続伸。この日発表になった米雇用統計で
非農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回る内容となった。ただ同時に、弱い米
雇用統計が、来週のFOMCでのQE3期待を高める格好ともなり、先行き不透明感
と追加緩和期待が交錯。ダウ平均は前日終値を挟んでの振幅に終始している。
緩和期待から金融株が買われ、ダウ採用銘柄ではバンカメやJPモルガンが上昇。
また、中国の景気刺激策に伴うインフラ整備への期待からキャタピラーも大きく
上昇している。アルコアも堅調。一方、クラフトが大幅安。
10月に実施する北米食品部門の事業分割後、主力となるスナック菓子部門の見
通しを発表しているが、それが嫌気された格好。インテルも業績見通しの下方修正
発表から売りが強まった。マイクロソフトも軟調。
QE3期待から商品市場で金が好調に推移しており、産金株が強い動きとなって
いる。フリーポート(FCX)、バリックゴールド(ABX)が商いを伴って上昇。
個別にインターネットラジオのパンドラが急落。アップルが同事業を始めるとの思惑
が広がっている。
一部報道でアップルが楽曲のライセンス契約をめぐり複数のレコード会社と協議中
と報じた。広告収入によるネットでの音楽配信サービスを目指しているという。
ナスダックも小幅高。アップル、グーグルは堅調だった反面、インテル、マイクロソフト
が軟調。インテルは第3四半期の売上高見通しを下方修正し、通年見通しも撤回。
顧客の在庫削減や企業のPC購入減少を受け、半導体需要が低迷しているためと
している。
スポーツ衣料のルルレモン(LULU)が大幅高。決算発表で通期見通しを上方修正。
デイCEOはヨガやジョギングウェアの世界的拡大を続けるとしており、ファッションへ
のシフトは考えていないと述べていた。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=159790
4.NY市場、原油先物10月限/金先物12月限 各結果(9/7)
NY原油先物10月限(WTI)
1バレル=96.42(+0.89 +0.93%)
7日のNY原油先物相場は3日続伸。この日発表になった米雇用統計が弱い内容
となったことで、序盤は売りが強まった。上値では利益確定意欲が根強く、前日
同様に激しい売りに押されたが、一巡すると急速に買い戻されている。弱い雇用
統計が逆にFRBの追加緩和期待を高めた格好で、為替市場でもドル売りが優勢と
なっていた。
10月限は乱高下し、96ドル台から94ドル台前半まで下落後、96ドル台半ばまで
急速に戻す展開となった。http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=159785
NY金先物12月限(COMEX)
1オンス=1740.50(+34.90 +2.05%)
7日のNY金先物相場は大幅続伸。この日発表になった米雇用統計が弱い内容と
なったことで、逆にFRBの追加緩和期待を高めた。中国が景気刺激策としてイン
フラ整備を強化するのではとの期待もある中、金は買いが続いている。
目先は急ピッチな上昇から過熱感も否めないものの、上向きトレンドが続き、
年初来高値の1800ドルを目指しそうな気配も高まっている。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=159786