8月最終週(8/27~8/31)相場状況は、週末であり月末ジャクソンホールに
おけるバーナンキFRB議長の講演内容を見極めたい思いから、NY市場が上値の
重い状況が続き、また、アジア市場もやや軟調な流れの中、東京市場は、先物に
踊らされ、仕掛け的な売りも出た状況でした。
為替の円高一服の膠着状況も、EU状況は、ECB理事会の今後の施策内容を
見極めたいとの思いから、やはり膠着相場の感でした。
ただ、週末NY市場は、バーナンキ発言で、追加緩和への期待感は根強いものの
発表されたGDP改定値やベージュブックなどから、米景気低迷への不安感は
それほど強くないと判断され、ダウ、ナスダック共 反発して終了しています。
結局、日経平均は、1週間で245円下落(↓2.70%)し、8839円と大引けの
8月相場でした。月足は陽線も、週末の下落は、仕掛け的な売りと写ります。
9月第1週(9/3~9/7)の主なイベントと予定は、下記1.の通りです。
日経平均、週初は反発のスタートも、NY市場は、経済指標が目白押しで、8月
ISM製造業景況指数、8月ADP雇用統計、8月ISM非製造業景況指数、また
週末には、8月の米雇用統計を控えており、東京市場も、その経済指標を横目に
一喜一憂の場面になりそうです。
日経平均、9月第1週(9/3~9/7)のレンジは、8800円~9100円程度を
想定しています。
1.9月第1週(9/3~9/7)主なイベントと予定
9/3
日本 伊藤園、ピジョン、内田洋行、東栄住宅 各決算
日本 8月新車販売台数
米 休場(レイバーデイ)
米 民主党全国大会(~9/6)
中国 8月非製造業PMI
豪 7月小売売上高
伊 8月イタリア財政収支(8月)
EU 欧州議会経済金融委が銀行同盟について審議
ドラギECB総裁、ユンケル・ユーログループ議長など証言
9/4
日本 モロゾフ、野田スクリーン、東日本ハウス 各決算
日本 7月毎月勤労統計
米 8月ISM製造業景気指数
米 7月建設支出
米 8月国内自動車販売
豪 中銀政策金利
仏 仏伊首脳会談
EU 7月ユーロ圏生産者物価指数
9/5
日本 ロックフィールド、楽天地、ユークス 各決算発表
加 カナダ中銀政策金利
中国 8月HSBCサービス業PMI
豪 第2四半期GDP
EU 7月ユーロ圏小売売上高
9/6
日本 白川日銀総裁、講演
日本 8月都心オフィス空室率
日本 積水ハウス、クミアイ化成、トップカルチャー等 決算
米 8月ADP雇用統計
米 8月ISM非製造業景況指数
米 新規失業保険申請件数(~9/1までの週)
米 TPP拡大交渉(~9/15)
豪 8月雇用統計
独 スペインとの首脳会談
英 BOE政策金利
西 スペイン国債入札
EU 第2四半期ユーロ圏GDP改定
EU ECB政策金利
EU ドラギECB総裁の記者会見
9/7
日本 7月景気動向指数速報値
日本 SUMKO、日駐、日東網、HIS、ドクターシーラボ 各決算
米 8月雇用統計
加 8月カナダ雇用統計
豪 7月貿易収支)
独 7月貿易・経常収支
英 8月生産者物価指数
英 中銀インフレ期待調査報告
ギ 第2四半期ギリシャGDP改定
9/8
日本 通常国会会期末
2.NY市場、為替/債券 各結果(8/31)
31日のNY市場はドル売りが優勢となった。今週はバーナンキFRB議長の
ジャクソンホールでの講演に焦点が集まり、神経質な展開が続いていたが、
その講演が行われている。
内容は「景気回復強化と労働市場改善促すため、必要ならば追加緩和」と、
これまでと概ね変化は無い。先日のFOMC議事録に見られた「かなり早期に
(fairly soon)追加金融緩和が正当化される公算が大きい」といった様な
強いメッセージは無かったように思われる。
ただ、市場のQE3への期待は収まらず、「労働市場に関して深刻な懸念」と
示していたことに敏感に反応したようだ。今回の議長講演から、9月FOMCの
QE3はやや期待薄だが、いずれ、実施されるとの期待の根強さも伺える動き
となった。
発表直後はドル買いが強まる場面も見られたが、株高、債券高(利回り低下)
の中、次第にドル売りが強まっている。
ユーロドルは一時1.26台に上昇。後半はS&Pが中央政府に支援を要請した
スペインのカタルーニャ州をジャンク級に格下げしたこともあり伸び悩んだが、
堅調な展開。
ユーロの場合、バーナンキFRB議長の講演を通過し、来週のECB理事会に
注目が集まる。国債購入に関する詳細が協議される見通しで、市場の期待感も
高まっている模様。国債購入に強く反対している独連銀で、バイトマン総裁辞任
の噂が飛び交い、それが逆に、国債購入に対して前進がある証拠とも捉えられ
ていた面も。上値を拒んでいた100日線の水準(本日1.2585付近)突破を
試す動きも出ており、リバウンド相場入りの期待が高まっている。
ドル円は今週サポートされていた78.50水準をブレイク。下値では覆面介入へ
の警戒感もあり、78円割れを試す動きまでは見られなかった。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=159067
米国債利回り
2年債 0.221(-0.033)
10年債 1.547(-0.077)
30年債 2.670(-0.075)
期待インフレ率 2.257(-0.011)
*期待インフレ率は10年債で算出
31日のNY債券市場、利回りは低下。この日のバーナンキFRB議長の講演が
追加緩和期待を温存する内容だったことが債券を支援した。議長の発言は
これまでと概ね変化は無なかったが、雇用に関して深刻な懸念を示すなど、
QE3に十分含みを残す内容との捉え方が優勢となったようだ。
10年債利回りは1.54%、30年債は2.66%まで一時低下している。
2-10年債の利回り格差は132(前日+137)とフラット化が進んでいる。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=159066
3.NY株式市場 結果(8/31)
NY株式31日(NY時間15:41)
ダウ平均 13090.84(+90.13 +0.69%)
S&P500 1406.58( +7.10 +0.51%)
ナスダック 3066.97(+18.26 +0.60%)
CME日経平均 8895 (大証比:+75 +0.84%)
31日のNY市場、ダウ平均は反発。この日のバーナンキFRB議長の講演を
受けて買いが優勢となった。
講演開始前から期待感は出ていたが、議長の発言はこれまでと概ね変化は
無く、先日のFOMC議事録に見られた様なQE3への強い示唆は無かった。
講演開始直後は売りが強まる場面も見られたが、一巡すると、再び買いが
優勢となっている。雇用に関して深刻な懸念を示していたことなど、追加緩和に
十分含みを残す内容ではあったことに安心感が出たようだ。
今回の議長講演から、9月FOMCでのQE3はやや期待薄だが、いずれ、実施
されるとの見方は強く、市場の期待は収まらないようだ。
ダウ平均は一時150ドル超上昇し13150ドルまで上昇。25日線を回復する
場面も見られた。
ダウ採用銘柄はメルク、AT&Tを除く28銘柄が上昇。インテルやシェブロン、
アメックスが指数をサポート。
バリック・ゴールド、フリーポート・マクモランなど産金株の上昇目立つ。
バーナンキ講演を受けて、商品市場で金が直近高値を超えて大幅高となった
ことが好感されている。
USエアウェイズが上昇。経営破綻したアメリカン航空の親会社AMRと経営
統合に向けて協議を始めると発表したことが好感されている。
ナスダックも反発。ハイテク株も堅調な動き。ただ、フェイスブックは逆行安。
アナリストの目標株価引き下げが嫌気されている。直近の広告市場の弱さから
目標株価を25ドルから15ドルに引き下げていた。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=159065
4.NY原油先物10月限/金先物12月限 各結果(8/31)
NY原油先物10月限(WTI)
1バレル=96.47(+1.85 +1.96%)
31日のNY原油先物相場は3日ぶりに反発。この日のバーナンキFRB議長の
講演が、強さは無かったものの、追加緩和の姿勢を継続したことから、為替
市場でドル売りが優勢となり、また、株式市場も上昇したことから、原油も
買いが優勢となった。
10月限は94ドル台まで調整していたが、96ドル台後半まで一時戻してる。
25日線が94ドル近くに来ているが、接触することなく反転している。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=159057
NY金先物12月限(COMEX)
1オンス=1687.60(+30.50 +1.84%)
31日のNY金先物相場は5日ぶりに大幅反発。この日のバーナンキFRB議長の
の講演が、強さは無かったものの、追加緩和の姿勢を継続したことから、為替
市場でドル売りが優勢となり金も買いが強まった。
12月限は直近高値を超え、一時1688ドルまで上昇。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=159059