今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

御岳山の奥の院に行く

2022年06月26日 | 山歩き

奥多摩の観光地である御岳山(みたけさん)の奥の院に行った。

目的の1つは、新しく買った山靴を慣らすため。
今まで履いていたメレルのゴアテックスの山靴が耐用年数を超えたため、新しい山靴を買うべく、先日、まずはお気に入りのアウトドア・ブランドであるLL ビーンの山靴を見に行ったのだが、
買おうと思っていた靴はなんとメレル製で、自分が今持っている靴と同じだった。
気持ちを一新して買ったのは、それなりに個性的な Keenの山靴(原宿の店で買った)。
革だが防水仕様だし、革の方が足に馴染んでくれそう。

ということで、その履き初めをしたかった。
ただ、この目的だけでは場所は限定されない。

目的の2つめは、先日訪れた大鹿村の三峯様が心に残ったので、そのゆかりの地に行きたかった。
もちろん行くべき先は秩父のさらに奥にある三峯神社なのだが(昔、雲取山登山で立寄った)、交通不便でけっこう時間がかかる(寝坊の私にとっては日帰りではきつい)。
それほどまでの山奥なら泊まり旅にしたいし、ここには観光客も泊れる宿坊(遠方の三峯講の代参者用の宿)がある。
ただし現在はコロナのため閉鎖中。
なので、ここは宿が再開したら行く事にする。

そこで、三峯神社と同じく山犬(狼:大口真神)を祀る奥多摩の御嶽神社が候補となった。
※:山名は御岳、神社名は御嶽
ただ御嶽神社のある御岳山だけだと山歩きにはならない(登山靴は不要)。
御嶽神社の一番奥に奥の院の鋭峰(1073m)を拝む遥拝所があり(写真:「奥宮遥拝所」の看板)、
それで判るのは、山岳信仰としての礼拝の対象(本殿)は奥の院で、その前衛峰の御岳山は奥の院を遥拝する”拝殿”の位置にあること
※:後述する小倉氏の本によると、御嶽神社の宮司も同じ見解。
なので、御岳信仰の御神体である奥の院にこそ行くべきである。
ここまで足を伸ばせば、山靴が必要になるし。

ということで、8時すぎに家を出て、中央線か西武拝島経由にするか迷ったが、新宿で降りると、丁度特快「奥多摩号」が来て、乗り換えなしで青梅線の御嶽駅に到着。
さらに待たずにバスとケーブルを乗り継いで、800mの山上に達する。
晴天で、スカイツリーまで見渡せるが、ちっとも涼しくない(下界は37℃なので、理論的にはここでも30℃)。

御岳山上(神社の手前)には食堂が並んでいて、その中の「紅葉屋」で自家製のクルミのつゆのもりそば(1100円))を食べる(これが朝食兼昼食)。

この先から階段でない坂の道(女坂)で御嶽神社に行き、そこからやや下って奥の院への山道に入る。
ここから先は観光客はおらず、登山者の世界となる。

奥の院へは杉の大木の中、木の根が出た歩きにくい山道を登る。
山頂直下の男具那神社を過ぎると樹林に囲まれた頂上に達する。
※;奥の院があるこの山を男具那峰という。男具那はヤマトタケルだから、やはりこの山が御嶽神社のご神体に相当。ちなみに神道化される明治以前(神仏混交時代)の名は甲龍山。

これまで高尾山周辺の山ばかりだったので、久々の1000m峰だ。

頂上の南側に祠(奥の院)があり、その奥にはさらに200m高い大岳山(1267m)が聳えている(写真)。
実際、この山域の盟主(真の奥の院)はどうみても大岳山で、困難な行を求める修験行者が御岳山域で満足していたとは思えない(ただし大岳山の表参道は御岳と反対側の秋川から)。

そう、御嶽信仰は実質的には修験道なので、私自身、”行(峰入り)”を意識して白鉢巻きをし、登っている間は「懺悔、懺悔、六根清浄」と唱え、祠の前では蔵王権現の印を結んでその真言(オン、バサラクシャ、アランジヤ、ウン、ソワカ)を三唱する。

昼時のためか、奥の院山頂では複数グループが昼食を摂ってる。
私は水だけ飲んで、往路を戻る。
新しい靴は、これまでの登りも下りも順調。

御嶽神社に戻り、今行ってきたばかりの奥の院を遥拝する(神道式ではなく上の修験道式で)。
大口真神社にも参拝し、社務所でその祭神についての書を2冊買う(青柳健二『オオカミは大神』、小倉美恵子『オオカミの護符』)。
なお、来年の4/15-5/21の間、本神社で大口真神式年祭が開催されて、「おいぬ様」が開帳されるほか、上の著者たちの写真展、映画「オオカミの護符」の上映も予定されている。

ここからケーブル下まで舗装された坂道を下る。
山道ではないので、楽かと思いきや、フィットが微妙な新しい靴が堅い道路の下りの衝撃をもろに受ける。
下りは、一歩ごとの強い衝撃がすべて足に響くため、靴が小さすぎても大きすぎても足が痛むのだ。
その両足の痛みだけでなく、左脚の腸脛靱帯の痛みまで加ってきた。
歩行困難になりかけた状態になりながら、それでもなんとかケーブル下に着き、そのままゆっくり(速度が出ない)バス停に向かうと、今バスが出るところ。
バスに乗って御嶽駅で降りて、駅前で地元産のさしみコンニャクと御嶽汁を土産に買い、駅のホームに上がると、新宿まで直通の「奥多摩号」がやってきた。

というわけで、今回は乗り物のタイミングだけはよかった。
でも新品の靴は舗装道路の下りという思わぬ所で、私の期待を裏切った(靴下との関係など試行錯誤する必要)。

このように、猛暑の日曜の中、汗びっしょりになって山に行き、足を痛めて帰ってきた。
街中を楽しそうに歩く人たちの中で、自分は何のためにこんなことやってるんだろうと我ながら疑問に思ってしまうが、
往復の車中にiPadの電子書籍で読んでいたのは、辛坊次郎の『風のことは風に問え―太平洋往復横断記』だったので、
苦しみはそれを経験することが目的ではなく、人生の”目標”(生きた証し)に付随するものすぎず、むしろ目標達成の価値を高めてくれさえするものである、という境地があることを認めざるをえなかった。

今回、バケタン(霊探知器)を持参したのだが、山中では無反応だったが、帰宅後は連続して青く光った(守護霊降臨の反応)。
自分を”浄化”しにいったということか。


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