日本に大寒波がやってきて、日本海側は降雪に見舞われているが、
太平洋側、とくに関東では、からっ風になって、異常な乾燥状態になっている。
日本海の湿った空気を吸った寒気は、谷川岳あたりの上越国境の山脈に遮られて、新潟側(魚沼地方)で雪を降らせるが、そこで水分を落とした空気は、乾燥して関東平野に降りてくる。
降りてくるので、断熱圧縮で気温が上がる分、寒気は緩む(上州のからっ風がきついのは、風の強さ)。
なので、東京での露点温度の低さ(-10.8℃)は、そのまま相対湿度をぐんと下げる方向に働いた。
東京・本駒の相対湿度は午後2時現在、24%に下っている(以前の「異常乾燥注意報」基準)。
しかも、ここんところ雨がないので、木材の乾燥度の指標である平衡含水率が5.3%と異常に低い(冬場の平均は10%)。
東京はもともと巨大都市のため相対湿度が(名古屋などと比べても)低く、これにこの寒気(乾気)が追い討ちをかけている。
では異常な乾燥空気は何をもたらすか。
まず、平衡含水率に見られるように、木材がカリカリに乾燥しているため、着火しやすい。
なので、火事に要注意(木造家屋はあっという間に火の海と化す)。
つぎに、皮膚が乾燥する(表皮から水分が抜け出ていく)ので、肌荒れに注意(シワになりやすい)。
そして乾燥で俄然元気づくのは、コロナ+インフルエンザのウイルスたち。
東京のコロナ感染者が多いのは、この乾燥のせいもあろうか。
乾燥していると、飛沫も拡散しやすい(蒸発もしやすいが)。
マスクは口まわりの皮膚を乾燥からも守るので、有効度が増す。