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今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

究極のアイテム③:腕時計編

2018年02月12日 | 生活

今の時代、正確な時刻はスマホなどで確認できる。
それなのに腕時計が外せない。
なぜだろう。

正確な時刻をすばやく・手軽に確認したいからだ。
マクルーハンによれば、人間の能力の拡張である"メディア"は人間と一体化(身体化)するのが進化方向だ。
なので腕と一体化(ウエアラブル)した腕時計こそ、人間との関係においてはスマホよりも進化した状態を実現している。

マクルーハン理論によれば、スマートウォッチこそスマホの進化形だし、文字盤のデザイン・情報を選択できるので期待しているが、そのデザインがこれから挙げる条件に達していないので、今は普通の機械式時計から選びたい。

さて腕時計に求められる時刻確認の即時性を充たすには、表示の視認性がポイントとなる。
その点なら、表示はアナログよりデジタルが優れている。
ところが"究極"になるには、デジタルではダメ。
なぜか。
われわれが時刻を知りたいのは、単に"現在"を知りたいだけでなく、あとどれくらいかかるか、あるいはどれくらい経過したかという未来や過去との間隔、まさに"時間"を知りたい場合が多いためだ。
むしろ過去-現在-未来の流れこそ、(ハイデガーのいう)本来的な時間体験であるとすらいえる。
この時間体験者にとっては、時の"間"を空間として表現しているアナログ表示の方が優れていることになる。
ついでにアナログ表示の時計は、方位磁石の代りにもなるので、アウトドア志向の私にとってはもうアナログで決まり。

さら時刻の視認性は、デジタル表示がそうであるように、Iの本数を数えるローマ数字より、一瞬で数が判るアラビア数字が勝る(しかも12の時刻すべてに数字が表記してほしい。たまに4時と5時、7時と8時を見間違えるから)。

視認性の点でコントラストは高いほどいいので文字盤と文字は黒と白
時刻以外の情報として日付はどうしてもほしい(仕事している身では曜日は不要だが、あって邪魔ではない)。
もちろん時計としての精度は高いにこしたことはない。
入試の試験監督をするので、秒まで合っている必要がある。
となると秒針も必要。 

これら表示デザインの条件を基準にすると、幸か不幸か、高級時計はことごとく選択肢から外れる。
ついでにいえば男物の時計はバカみたいに図体のデカイ傾向にあるが、あれは邪魔。
一方、女物の時計は小さ過ぎて視認性が犠牲になっている。
大きさはその中間のユニセックスがいい(時計にジェンダーは不要)。

そこでまず候補として挙げたいのが、カシオのMQ-24。 
売値はなんと千円でおつりが来る。
この製品は数字の書体と背景のオフホワイト(白過ぎない)が実にいい。
この時計で時刻を見ることが快感にすらなる。
こんな底辺的な安物になぜこのような良質のデザインが採用されているのか不思議。
大きさもユニセックスで丁度よく、入試監督をやっていると、受験生(♀)たちにも人気があるのがわかる。
ただし日付・曜日がなく、バンドも壊れやすい(バンドの買い替え料金でこの新品が買えてしまう)。
あと精度が若干劣る(実用範囲内だが)。
なので、持ってはいるが、使用していない。
この時計に日付表示がつけば、究極の一品になるのに…

そういえば、電池交換が面倒だから、交換不要な動力にしてほしい。

なので現実的な選択肢は、シチズンのQ&Qシリーズの品で、こちらは3千円台。
大きさがメンズタイプだが、他の条件は一応充たしている。
ただ厳密に言うと、3の数字が日付表示に取って代わられているため、時刻の数字が12個揃っていない。
文字盤にメーカー名などを表示する悪習が災いしている(メーカー名などは裏面にすべて刻印されているし使用者には情報的価値がない。この悪習から脱しない限り、真にユーザー志向のデザインは実現できない)。
書体は可もなく不可もないので愛着はもてない(特に文字盤上のQ&Qの表示が余分)。
精度は上のカシオより高いのはありがたいが。

というわけで、私にとってこれら究極に近い時計は5千円でおつりがくるのだ。
私にとっては、高額な時計は、まずは上の基本条件を満たしておらず、その金額に見合う付加価値を備えていないから。