研究費(大学の教員が個人の研究用に使える予算)で注文していたMacBookAirが届いたというので、慌てて名古屋に戻った。
東京の図書館で仕事するのに、ノートパソコン(MacBook)を持ち歩いていたが、いかんせん重くて、
図書館帰りに秋葉に買物に行く時は特に重くてつらかった。
なので、実用レベルの性能になったMacBookAir新製品が出る今年の夏を狙っていたのだ。
といってもそれを取りに行くのに往復運賃2万も使うのはもったいない。
なので往きは新幹線を使ってあちらの棲み家に泊まり、
翌朝、 Airを受け取って18きっぷでゆっくり帰還。
東海道線で名古屋から戻る時は、いつも浜松で途中下車して、
浜名湖漁協の浜名湖産のうなぎ弁当を買って食べることにしている。
あと中央線経由とちがって、山岳風景に気を取られることがないので、
ずっと読書に集中できる。
6時間もあるので、新書だったら複数読める。
(かつてこの時間を利用して読んだのは『カラマーゾフの兄弟』、『ドグラ・マグラ』、『死霊』、それにフッサールの著作など多数)
今回読んだうちの一冊は『東日本大震災、その時企業は』(日本経済新聞社 日経プレミアシリーズ。¥870+税)。
これからの”防災計画”には、災害後の事業体ごとの”災害復興計画”が重要になるので、
災害後の事業復興の実例を知りたくて読んだ。
33社(メーカー中心)もの実例と経営者のインタビューの構成なので、広く浅い内容だが、それらにけっこう共通していたのは、
●現場の臨機応変な対応力(現場力):本社の指示を仰がずに最適な判断と行動ができる
●震災復興に対する私企業の枠を越えた公共意識:自分たちが被災者を救うんだという意識
●今こそ”恩”を返す時という気持ち:恩というのは、関西企業の場合は阪神大震災で受けた援助の恩であり、他の企業の場合は東北の顧客の日頃の愛顧に対する恩。
確かにこの震災中でも日本人のモラルが健在だったことは、世界が称賛した通り。
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(M.ウェーバー)、いや江戸時代の三河の禅僧・鈴木正三(しょうさん)の勤勉思想を彷彿とさせる倫理観。
日本人にはこのモラルが生きているので、復興は確実であると、グローバルの視点にたつ経営者たちは太鼓判を押す。
日本企業の”現場”の力はかくもすばらしいが、その分、国の指導者のレベルが低すぎなのが残念。
徳川家康のような、スバ抜けたリーダーって出ないものか(こういう人物を輩出するには100年もの戦国乱世が必要なのか…)。