博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『延禧攻略』その5

2019年09月04日 | 中国歴史ドラマ
『延禧攻略』第21~25話まで見ました。

舒貴人はこっそり自分が献上した仏舎利を盗んで瓔珞を陥れようとしますが、瓔珞は西洋手品の実演にかこつけて、盗難を公にせずに舒貴人の袖元から仏舎利を取り戻します。この手品の演出も大概なんですけど、前回のパッヘルベルのカノンのインパクトが強すぎましたね……


嘉嬪にかわる高貴妃の新たな軍師枠らしい舒貴人。

舒貴人&高貴妃は発想を逆転させ、瓔珞を自分たちの手先に仕立て上げようとします。そして彼女を呼び出し、姉の阿満を殺害したのはやはり傅恒ではないかと、当時現場に残されていた彼の帯を手渡します。そして毒薬を渡し、傅恒と皇后を毒殺するよう唆しますが、もちろんあっさり彼女たちの話を聞き入れる瓔珞ではありません。彼女は何者かが傅恒の衣服を盗み、侍衛に変装して凶行に及んだのではないかと推理します。


で、姉の身を汚した犯人はあっさり乾隆帝の愛弟・和親王の孔昼であることが判明。皇室の面々が宴に呼ばれた際に、母の急病で急遽欠勤した傅恒の衣服を勝手に拝借して凶行に及んだとのこと。孔昼は他のドラマと同じく韜晦癖のある変人として描かれていますが、本作では更にクズ属性が付加されています。

罪を指弾してもそれを認めても反省の色はなく、「ハイ、オレが悪かった」「お前の姉の名誉のためにはオレの侍妾だったということにしておいてやる」「お前の父親も取り立ててやる」「金が欲しいならやる」と、木で鼻をくくったような対応で、更には「世上没有永远的敌人」(この世には永遠の敵同士なんていない)と、下手人が一番言ってはいけないことも平気で口にします。仲介した皇后も彼の態度には呆れ顔で「威逼利诱」と非難します。 しかし彼は姉の身を汚したことは認めましたが、殺害はしていないと言い張ります。

当然瓔珞は相手が皇族だろうと乾隆帝と仲の良い皇弟だろうと、このまま引き下がるつもりはありません。夜な夜な孔昼をおびき出し、彼が自分を暴行しようとしたと乾隆帝に訴え出ます。乾隆帝も、他の皇族からも彼の素行に関してクレームが出ていることもあり、今度ばかりは庇いきれず処分を検討し始めます。


そんな息子の状況に心を痛める孔昼の生母・裕太妃。彼女は虫も殺さないやさしい性格だともっぱらの評判ですが、実は瓔珞の姉に手を掛けたのはこの裕太妃なのでした。「息子を誘惑した汚らわしい女」という歪んだ認知でもって阿満を手に掛けたという次第。瓔珞に対しても密かに刺客を送り込み、暗殺が失敗に終わると、今度は直接彼女を呼び出し、「これ以上調子に乗るとお前の父がどうなるかわかっているだろう?」と脅しつけます。事態を薄々察した皇后は、失意の瓔珞を励ますのでした……

ということで、全体の3分の1を越えたあたりであっさり瓔珞の姉の死の真相が判明しました。一部で今期の朝ドラが「いろいろ問題が出るけどサクサク解決してしまう」と揶揄されているようですが、バカを言ってはいけません。本当にサクサク展開するドラマとは本作のような作品を言うのです。というより、これまでも指摘してきたように、このスピード感こそが于正作品の持ち味なんですよね。


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