博客 金烏工房

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『成化十四年』その8(完)

2020年08月18日 | 武侠ドラマ
『成化十四年』第43~最終48話まで見ました。

高義が唐泛を敢えて李子龍に引き渡すことで彼の信用を得て、計画を聞き出すという作戦は何とか成功。彼は立春の大典で成化帝の暗殺を図っているようです。李子龍は実は唐王朝の末裔であるらしく、皇帝の地位を狙っているのでした。


人質になった唐泛は、歓意楼の一番人気の妓女青歌が、実は李子龍の義女でその手先であったことを知ります。唐泛は殺されてもおかしくない状況ですが、意外にも青歌が彼のために助命を嘆願し、容れられます。

ここで唐泛は李子龍から「1人の皇帝の命と100万の民の命のどちらを救うか選べ」というトロッコ問題の亜流のような問いを突きつけられますが、「一番悪いのはそんな規則を作ったやつだ。規則を作ったやつを殺せ」と返します。彼はトロッコ問題の破り方を知ってますねw 

で、「博浪」を1個持たされて監禁状態から解放される唐泛ですが、「彼らは郡主の事件の際に西廠が接収した博浪を使って暗殺するつもりだ!」ということで、博浪が彼らに奪われたのではないかと心配になった一同が隠し場所を確認したところ、それが李子龍の一党が博浪を奪取するためのワナで、彼らの襲撃により、まんまと博浪をすべて掻っ攫われてしまいます。

さりとて成化帝は立春の大典を取り消すつもりはなく、難しい対応を迫られる汪植らですが、夜になり、式典が滞りなく終わる頃合いに孔明灯に博浪を括り付けられて空から飛来。紫禁城と近辺を無差別爆破しようという腹です。ここで孔明灯をうまく射落とせばいいということになり、烏顔ら4人の弓の名人の出番。

博浪はすべて打ち落とされ、成化帝は汪植とともに歓意楼へと逃れましたが、李子龍が建物を包囲。しかも紫禁城では首輔の万安と東廠の尚銘、錦衣衛のボスの万通も彼と結託してしまいます。順天府の各所に潜伏しつつ、唐泛&隋州&汪植は反撃の機会を待ちますが……

【総括】
ラストシリーズは隋州の婚約相手だった余秀蓮とその次兄、氷室の話で出てきた金三娘らが再登場するなど、今までのシリーズの登場人物や設定が生かされたものになっています。さすがに最初のエピソードで出てきた武安侯と配下の倭寇まで絡んできたのには驚きましたが (^_^;) 


万貴妃の娘子軍も再び登場。彼女たちと、唐泛が、隋州が、汪植が、烏雲が、高義が、乞食の少年たちが、そして倭寇もそれぞれのやり方で李子龍に立ち向かいます。

ジャッキー・チェン監修ということでアクションシーンに期待して見始めましたが、アクションの質は悪くないものの、シーン自体は少なく、それよりもラストシリーズに向けて丁寧に積み上げられたシナリオなど、それ以外の部分が良かったという作品です。最後に年来の希望が叶って都から旅立つことになった汪植ですが、その描写を見てると、『清平楽』と同じくこれも視聴者の宦官に対する見方を変える作品となりそうです。

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