博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『聊斎 小謝』

2007年09月18日 | 中国古典小説ドラマ
いよいよ『聊斎』も最後のエピソードとなりましたが、この話、オープニングでは「小謝」というタイトルになってましたが、エンディングでは「小謝与秋容」となっているんですよね。取り敢えず原典の方も同じ題名ということで、「小謝」のタイトルを採っておきます。(しかし題名が食い違う場合は巻頭の題を採るとか、まるで書誌学の話みたいですな(^^;) )

話はともに書院で学んでいた陶望三と姜芊芊が、芊芊の実家の姜府に戻るところから始まります。二人は相思相愛ですが、芊芊の父親の姜侍郎は胡散臭い陶望三と娘を別れさせるために、彼をいわくつきの姜府の別邸に住まわせることにします。実はその別邸には小謝や秋容といった若い女性の幽霊が集団で住み着いているのでありました。

彼女らは怪現象を起こして陶望三を追い出そうとしますが、彼はそれをモノともせずに居座り続けます。やがて幽霊たちも彼と打ち解け、特に小謝は陶望三に恋心を抱くようになりますが……

このエピソードでは、タイ出身の中国系俳優TAEがお気楽極楽な書生・陶望三を好演してます。幽霊達のリーダー秋容に人間と幽霊は陰陽を異にするものだから小謝らと仲良くするのをやめろと諭されても、そんならと彼も幽霊達と同じく昼に寝て夜に活動する生活に切り替え、しかも小謝らに夜な夜な『三字経』だの『詩経』だのを教え始める始末。愉快に暮らし続ける彼らですが、秋容の死因が姜家の祖先と深い関わりがあると判明したあたりから物語が大きく展開していきます。

【総括】

6つのエピソードそれぞれに見所がありましたが、お気に入りの話を挙げろと言われれば、原典の筋書きやシチュエーションをうまく生かし、かつバカップルぶりを見せつけた朱爾旦夫婦や、乳母子を溺愛する女道士・苗婆婆といったキャラクターが印象的だった『陸判』と『阿宝』に軍配を挙げたいところです。

この作品、『聊斎奇女子』という続編も最近リリースされましたが、ちょっと食指が動きません。こちらの方は全4エピソードで全38話ということで、1エピソードあたり平均10話前後割り当てられているという計算になりますが、この話数だとどうも話が間延びしちゃってるんじゃないかと思います。原典自体がそう長いものではありませんし、今回のように6話ぐらいでまとめちゃうのが丁度いいと思うのですが……

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