博客 金烏工房

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『封神演義』その3

2019年05月05日 | 中国古典小説ドラマ
『封神演義』第12~17話まで見ました。

小娥は楊戩や武吉と同様、姜子牙の弟子ということにして馬氏麺館(姜子牙の妻は麺屋を経営しています)に居候することに。


で、お忍びで街に出た太子殷郊が小娥に惹かれて馬氏麺館の常連客となり、姜子牙や楊戩らとも交友するようになります。


武吉はといえば、武成王黄飛虎に目を付けられてしばらく抑留されます。いつものように「ただの木樵です」と名乗るわけですが、ただ者ではない雰囲気と言動から「そんな草民がおるか!」と不審視され、あれこれ詮索され、伯邑考の身内ではないかというところまで突きとめられます。なお、黄飛虎・黄妃の黄氏は殷王武丁の后妃婦好の一族という設定になっている模様。実家に戻っていた黄妃と黄飛虎との会話で「婦好があれだけの武功を挙げながら王と別居して自領ですごしたのはなぜか?」とか、もっともらしく宮廷闘争に話を落とし込んでくるのは、脚本家が悪い意味で手慣れている感じがします。

宮中では子虚が夜な夜な宮女の魂を吸い取っておりましたが、それだけでは満足できずに街へと飛び出し、小娥にロックオン。しかし彼女の魂を吸い取れず、逆に自分が致命傷を受けて宮中へと逃げ帰ります。ここで小娥が鬼族の出身で、トーテムを示す霊犬の入れ墨があるのが判明しますが、どうやら彼女が哮天犬のポジションのようです…… 今回のドラマ版、ファンが求めてない要素を的確に盛り込んでくるあたり、脚本家の煽りスキルに年季を感じます。


姜王后は、妲己の正体を暴こうとして逆に自分が桃木剣に刺されて正体が妖怪であることを暴かれてしまった杜元銑にかわる欽天監太師を求めます。姜王后を演じるのは特別出演の胡静。『人民的名義』では「狐狸精」と呼ばれていましたが、今度は逆に狐狸精に追い詰められる立場です。

彼女が目を付けたのは、息子の殷郊が足繁く通っている麺館の姜子牙。彼女の招聘を受けて(その際に馬氏を議長とする家族会議が開かれています (^_^;;))、姜子牙は楊戩・小娥とともに宮中へ。楊戩が宮中で妲己を捜索したり、小娥が正体を隠した殷郊と再会し、また物怖じししない態度を紂王に面白がられたりする(相手が紂王と知らずに「紂王は昏君」なんて言ったりする……)一方で、姜子牙は王后より妲己排除の密命を受けるものの、子虚は自分の力の及ぶ相手ではないと躊躇し……というあたりで次回へ。

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