博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

瀋陽2日目 遼寧省博物館~瀋陽故宮博物院

2008年10月03日 | 旅行・オフ会・展覧会
2日目は遼寧省博物館、瀋陽故宮博物院、張氏帥府博物館の順番で回ることにして9時前に博物館へと向かいますが、まだ開館時間前だというのに既に長蛇の列が出来ています。どうやらこの日だけ入場料が無料だと言うので観光客が殺到しているようです。

メインの「遼河文明展」では新石器時代から清代までの遼寧近辺の文物を展示していましたが、紅山文化など新石器時代の各文化圏を三皇五帝の伝説と結びつけたり、扶余や高句麗を中国の少数民族と表記していたりと、かなりアチャーな展示が目につきました…… ここでは圉簋や燕侯盂、燕王職戈など周代の燕関係の青銅器をしっかりと鑑賞。

館内で写真を撮ってたら警備員に注意されましたが、よくよく話を聞くとフラッシュをたかなければOKということみたいです(^^;) 

博物館から瀋陽故宮までタクシーで移動しましたが、途中で人通り・車通りの多い繁華街に行き当たり、タクシーの運ちゃんから「これ以上は車では進めない。ここからまっすぐ歩いて行きゃ故宮に着くからここで下りてくれ。」と強制下車を言い渡されました……

気を取り直して瀋陽故宮へと入場。ここでは東路・中路・西路の三区に分かれて宮殿が建ち並んでますが、見所は何と言っても東路の十王亭です。



東西にそれぞれ八旗とそれを半分ずつ統括する左翼王・右翼王のための建物が並び、一番奥の中央部に皇帝のための大政殿が鎮座しています。

ただ写真では分かりにくいと思いますが、宮殿の背後に高層ビルが並んでいるのは何とかならんもんでしょうか……

もう1つの見所は西路の文溯閣。



ここは『四庫全書』のうちの1部が収められていた場所です。『四庫全書』というのは正本が全部で7部作られ、現北京故宮の文淵閣やこの文溯閣に収められていたんですね。詳細はWikipediaの『四庫全書』の項目を参照してください。

建物の中の机には下の写真のように4色の表紙の書籍が置かれ、奥の方に書棚が設置されてそれらしい書帙が配架されていますが、『文溯閣四庫全書』の原本は現在遥か遠くの甘粛省図書館に収蔵されているということなので、ここにあるのはおそらく複製なんでしょう。



文溯閣本が甘粛に渡った事情については中文版Wikipediaの『四庫全書』の項目に説明がありますね。

その他はホンタイジの孝荘皇后、すなわち順治帝の母后でドルゴンと不倫したという伝説のある人物の宮殿である永福宮なども見ました。この辺は明末清初を舞台にした歴史ドラマでは必ず出て来る所ですね。日本の大河ドラマのようにこの手のドラマもある程度観光地の人集めに貢献しているのかもしれません。

東路・中路・西路と一通り見て回ったつもりでしたが、後で館内で買ったマップを確認すると入り口付近にある太廟に行き忘れたことに気付きました(;´д⊂)

長くなったので2日目の話についてはここで一旦区切ります。
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瀋陽1日目 北陵公園(昭陵)

2008年10月03日 | 旅行・オフ会・展覧会
というわけで昨日の午後瀋陽から帰って来ました!ボチボチと旅の様子などを報告していきたいと思います。

出発は長春から瀋陽まで特急列車に乗って行きましたが、こちらの列車って基本的に4人掛けのボックス席なんですね。それで有無を言わさず相席の老夫婦と元吉林大学の院生の女性から食べ物をいただいたり会話したりすることに。なるほど、これは確かに教室で授業を受けるよりも勉強になりそうです(^^;) 

お互いの身の上を話したり、元院生の方から宋詞の本を見せてもらったりして楽しい時間が過ぎましたが、老夫婦の旦那の方が元中国近現代史の先生で「南京大虐殺は有ったか無かったか?」と聞いてくるのには参りました。取り敢えず「有った。日本の歴史教科書にもちゃんと載ってる」(ただ私の教えていた高校の教科書では、虐殺の規模については諸説あると注記しているのですが)と答えておきましたが……

宿に着いたのは午後3時過ぎ。観光に出るのには中途半端な時間ですが、(4時ぐらいに入場が打ち切られたりしますし)気にせずタクシーに乗り込んでホンタイジの陵墓の昭陵がある北陵公園にゴーです。

公園ではまずホンタイジの銅像がデーンとお出迎え。



参道の両脇には写真のようにラクダやら馬やら象(!)の石像が並んでます。



下の写真は小高い所から撮ったもの。



一番奥にある円墳にはホンタイジと孝端皇后ボルジギット氏が埋葬されているとのことです。

宿は瀋陽北駅にすぐ横にある瑞心東方酒店という三つ星ホテルですが、ネットで予約したら宿代が半額以下の1泊158元になりました。内装もまあまあだし儲けものだなと思ってシャワーを浴びようとしたら、ぬるい水しか出ない…… 「シャワーのお湯が出ない」って中国語でどう言えばいいんだろうねえと電子辞書をいじくりつつ途方にくれていたところ、ふと思いついて水を5分か10分ほど出しっぱなしにしていたちゃんとお湯が出て一安心です。こちらの安い宿って大体こんな調子なんでしょうか……
コメント (3)
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