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カラテ地獄変

2016年10月19日 04時45分59秒 | 

 ずいぶん昔(20年以上前)に床屋で読んで以来、どうにも頭に引っかかって忘れられない漫画があった。断片的に読んだだけでも強い印象が残ったのだが、タイトルと作者は不明なままだった。
 それが先日、古本屋に寄ったときに解決した。私が読んでいたのは梶原一騎原作の「カラテ地獄変」だったのだ。1970年代発行の成人向け劇画である。1冊300円だったのを数冊買ったが、すぐに読み終わり、ヤフオクで廉価版を全巻購入することを即座に決定した。
 この漫画の概要については、以下にアマゾンにある内容紹介をそのまま抜粋する。

一家皆殺しの強盗事件。犯された後、首を絞められた女は、絞殺されながら赤ん坊を産んでいた。赤ん坊は山本直人という名前を与えられ施設に引き取られる。戦後の混乱期。不幸の星の下に産まれた山本直人は、悲惨極まりない生活のなか、生きるために盗みをし、捕らえられ、施設での凄惨なリンチを受ける。「牙には牙」その流儀に則りボスを倒した彼は、自らを牙と名乗る。成長した彼は暴力の世界に生き続けていくが……。圧倒的な迫力で描かれるバイオレンス。様々な人々の人生が交錯するドラマ。ドラマのリアリティをより深める人物描写、心理描写。読み始めたら間違いなく止められなくなる、漫画界の最高傑作です。

 ・・・とのことであるが、一言でいえば超エログロかつ残忍暴力漫画、である。私も漫画というものを読み始めて40年近く経つが、これを超えるほど強烈な漫画はなかった気がする。
 とにかく「人間の本性は悪」がこの作品のテーマであり、善人は一人も登場しない。ヤクザやギャングばかりが登場し、治安の悪さは最悪期の南アフリカ以上だ。特に強姦の発生率は現実世界の数万倍以上ではないか。間違って子どもが読んでしまえば、トラウマになってしまう可能性が非常に高い。
 そういうわけで読む人を選ぶ作品だとは思うが、刺激がほしい人には一気に読み進められる快作である。もちろん成人男子に限るが。

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