Willow's Island

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橘玲の中国私論---世界投資見聞録

2016年10月26日 06時09分04秒 | 

 図書館で借りた「橘玲の中国私論---世界投資見聞録」を読み終わった。中国に関する本は現在、星の数のように出版されているが、これこそが日本人が読むべき中国論の決定打だと思う。
 よく出回っている中国関連本は、経済に関するものだったり脅威を訴えるものであったりすることがほとんどであるが、この本はそれだけではない。中国とはそもそもどういう国なのか、というアウトラインを見事に論じ切っている。反中的でも親中的でもない視点で、なぜ中国はあのような国なのか、ということが詳しく説明されており、非常に説得力がある。(もちろん若干、納得できない箇所もあるが)
 著者は中国の専門家ではないということでタイトルは「中国私論」とされているが、私論の域にとどまらず、最上級の中国論となっていると思う。今まで中国に関する本を数えきれないほど読んできた私でさえ、そう感じる。
 図書館で借りて読み終わった本であるが、蔵書に加えておきたい気持ちが強くなり、わざわざアマゾンで注文することにした。そんな本は、なかなか出てこない。

カラテ地獄変

2016年10月19日 04時45分59秒 | 

 ずいぶん昔(20年以上前)に床屋で読んで以来、どうにも頭に引っかかって忘れられない漫画があった。断片的に読んだだけでも強い印象が残ったのだが、タイトルと作者は不明なままだった。
 それが先日、古本屋に寄ったときに解決した。私が読んでいたのは梶原一騎原作の「カラテ地獄変」だったのだ。1970年代発行の成人向け劇画である。1冊300円だったのを数冊買ったが、すぐに読み終わり、ヤフオクで廉価版を全巻購入することを即座に決定した。
 この漫画の概要については、以下にアマゾンにある内容紹介をそのまま抜粋する。

一家皆殺しの強盗事件。犯された後、首を絞められた女は、絞殺されながら赤ん坊を産んでいた。赤ん坊は山本直人という名前を与えられ施設に引き取られる。戦後の混乱期。不幸の星の下に産まれた山本直人は、悲惨極まりない生活のなか、生きるために盗みをし、捕らえられ、施設での凄惨なリンチを受ける。「牙には牙」その流儀に則りボスを倒した彼は、自らを牙と名乗る。成長した彼は暴力の世界に生き続けていくが……。圧倒的な迫力で描かれるバイオレンス。様々な人々の人生が交錯するドラマ。ドラマのリアリティをより深める人物描写、心理描写。読み始めたら間違いなく止められなくなる、漫画界の最高傑作です。

 ・・・とのことであるが、一言でいえば超エログロかつ残忍暴力漫画、である。私も漫画というものを読み始めて40年近く経つが、これを超えるほど強烈な漫画はなかった気がする。
 とにかく「人間の本性は悪」がこの作品のテーマであり、善人は一人も登場しない。ヤクザやギャングばかりが登場し、治安の悪さは最悪期の南アフリカ以上だ。特に強姦の発生率は現実世界の数万倍以上ではないか。間違って子どもが読んでしまえば、トラウマになってしまう可能性が非常に高い。
 そういうわけで読む人を選ぶ作品だとは思うが、刺激がほしい人には一気に読み進められる快作である。もちろん成人男子に限るが。

君の名は

2016年10月10日 05時38分37秒 | 映画

 今、非常に売れていると評判のアニメ映画「君の名は」を見に行った。岐阜県を舞台としており、あまりに話題になっているので、県議会でも取り上げられたほどだ。
 確かに、映像、物語、キャラクター、どれをとっても最高の映画だった。これからも日本アニメの水準は上がっていく一方なのだろう。これからアニメ映画の世界を引っ張っていくのはジブリではなく、新海誠監督なのではないか、とさえ思った。
 私が何といっても素晴らしいと感じたのは、舞台となっている飛騨の、風景や言葉が見事に表現されていたことだ。私が住む美濃地方とは少し異なるが、キャラクターのしゃべる言葉は確かに岐阜の方言なのである。しかもしっかりと方言指導がしてある。こんなアニメ映画は今までに無い。また、この映画のおかげで飛騨市を「聖地巡礼」するファンが急増しているのだそうだ。岐阜県人として嬉しいかぎりである。
 これからの時代は、観光産業が経済において大きな位置を占めていく。岐阜県のように従来の工業が不振を続ける地方においては、観光によって国内外から多くの人を呼び込むことが、なおさら重要になる。そのためのカギとなる地域が、何といっても飛騨だ。飛騨市だけでなく、白川村の合掌作りなども、外国人には分かりやすい魅力がある。大いにアピールしなければならない。
 映画「君の名は」は中国でも公開される可能性が高いのだそうだ。そうなると、中国からも「聖地巡礼」する観光客が大量に押し寄せる可能性がある。これを岐阜県の経済振興に役立てない手はない。県議会でアニメ映画が取り上げられたのも、そのためだ。県は飛騨への観光客誘致に向け、今こそ真剣に力を入れるべきではないか。

結婚10周年

2016年10月01日 23時42分24秒 | その他

 私が妻と結婚してから、今日でちょうど10年となる。ずいぶん早いものである。
 この10年、夫婦喧嘩も含めて本当にいろいろあったが、少年の頃からの夢であった「洋風2階建ての家に住み、娘が2人いる楽しい家庭」を実現できたのは、何といっても妻のおかげである。苦労をかけてしまったこと、不快にさせてしまったこともあるが、この10年間、私とともに人生を歩んでくれたことには感謝しかない。過去においても、現在においても、そして未来においても、私の伴侶といえば、やはり妻しか存在しえないのだと思う。
 口に出して伝えるのは恥ずかしいので、こういった趣旨のことを手紙に書いて、金曜日の朝に郵便受けへ入れておいた。すると、私あてにも妻から手紙をもらうことができた。内容は、これから先もずっと、ともに楽しい家庭を作っていくことへの快諾であった。私の思いは伝わったのだ。
 今日(土曜日)は、家族4人で坂祝町にあるイタリア料理店「ロザリエッタ」へ夕食を食べに行った。新婚時代に二人でよく食べに行った店だ。コース料理(3500円)をたのめば、良質なイタリア料理が大量に出てきて食べきれないほどだ。フルートやピアノのライブもある。楽しい時を過ごすことができ、良い10周年記念日を過ごすことができた。