昨日の夜は、柴田淳のコンサート「JUN SHIBATA CONCERT TOUR 2010 月夜PARTY vol.2」を聴きに、仕事を少し早引きして名古屋まで行った。愛知県勤労会館にはたくさんの人が詰めかけており、満席ではないが90%近く席が埋まっていたと思う。全体的には20代から30代前半までの人が多く、男性6割、女性4割ぐらいであった。意外と女性ファンも多いようだ。しかしやはり、中高年のおじさん達(私もか?)も散見された。そういう人たちは大抵ひとりで来ており、二階席だとオペラグラスまで用意していた。(^^) さすが用意周到である。
私は二階席だったので、しばじゅんの顔がさっぱり見えなかったが、このコンサートには大満足であった。やはりライブは良い。音楽の伝わり方がCDとは違う。これは今回初めて知ったのだが、コンサートでは目をつぶって聴くことも十分に「あり」なのである。もちろん舞台装置や照明などの演出も重要なので、本来は目を開けて見るべきなのだが、何も見えないからこそ、音を鋭敏に感じることもあるのだ。実際に目を閉じて聴いてみると、「音のシャワー」を浴びているように、音楽を全身で感じることができた。これは、ライブでしか体験できないことである。
今回のコンサートでは20曲近くが歌われたと思うが、私はすべてに感動することができた。中でも最もすごかったのが(私だけでなくあの場にいたみんなが感じたことだと思うが)、上にあげた「君へ」という曲である。この歌が終わった後、私の前の席にいた若いカップルなどは、二人ともハンカチで涙をぬぐっていた。私もそれぐらい感動できるようになりたい。
実はしばじゅんは2年前、病院で頻繁に検査を受けていた時期があったらしい。医者から「命の危険性」まで告げられたこともあったそうだ(実際には何もなかったが)。そんな不安でたまらない時に、知人から「大丈夫だよ」という言葉をかけてもらえて、すごくうれしかったのだそうだ。しばじゅんは「言葉の力ってすごい」と改めて思い、そんな時の気持ちを歌にしたのが「君へ」なのである。
しばじゅんにとって思い入れの深い曲だからこそ、聴衆の心にしっかりと届いたのだろう。歌というのは、やはり人の「思い」を伝えられるものだと思うし、それを確かに伝えられる人こそが、本物の歌手ではないだろうか。