北朝鮮を訪問した六カ国協議米首席代表のヒル国務次官補は二十三日午前に来日し、日本首席代表の佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長と同省内で会談した。会談後、ヒル氏は記者団に日本人拉致問題について「北朝鮮に日朝関係改善の必要性を話したが、(北朝鮮から)今までと違う答えは出なかった」と述べた。
ただ、佐々江氏は記者団に「北朝鮮も拉致問題の解決が課題だとの認識が十分あったと思う。正面から解決に取り組みたい」と強調した。
会談では訪朝結果を受け、核施設の稼働停止など「初期段階の措置」を実施し、「次の段階の措置」である核施設の無能力化に向け、日米の連携強化を再確認した。ヒル氏は寧辺の核施設停止について、「多分、三週間以内に行われるだろう」との見通しを示した。
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/ntok0001/list/200706/CK2007062302026608.html
北朝鮮の核問題はある程度の進展がありそうだが、拉致問題については相変わらず期待できそうにない。日本において北朝鮮問題といえば、大きく分けて拉致と核の2つである。2つとも今まで長く燻っており、これからも簡単に解決できそうにない。しかし、日本にとっての北朝鮮問題は本当にこの2つだけだろうか。確かに両方とも重要な問題であることは確かだが、拉致については、日本全体の将来を考えればそれほど死活的な問題ではないし、核は、たとえ兵器として使えるものがあったとしても、北朝鮮が実際に使う可能性があるかどうかを考えれば、中国やロシアの核の方がよっぽど危険じゃないのか、と思える。
それよりもこれからの日本にとって重要なのは、この国が「朝鮮民主主義人民共和国」としていつまで続いていくか、ということではないだろうか。非常に不安定な国である。もしこの国の体制が崩壊すれば、大きな混乱は避けられない。この国が自分たちだけでどうにかできるとは期待しにくい。難民の大量流出、国家(もしくは韓国の地域となるか)の秩序再建、などの大きな問題に対し、韓国、中国、ロシア、アメリカなど関係国はどう動くことになり、日本としてはどう対処するのか、かなり難しい問題となるのではないか。日本を含めた各国がどう動くかによって、新たな国際紛争が発生する可能性もある。