最近は水曜日の10時から「ハケンの品格」というドラマを見ている。私はもともとドラマを見る習慣があまりなく、あと見ているのは「芋たこなんきん」ぐらいのものである。ドラマというのは恋愛をテーマにしたものが多いが、私はそういうものに興味がまったくない。「ハケンの品格」は恋愛など関係なさそうだったし、今よく聞く「派遣社員」をテーマにしたということで、興味がわいた。
見てみると実際、かなり面白い。脚本がいいのだろう。私は企業に勤めているわけではないので「派遣社員」なるものに接触がないため、そういう人達なのか分からないが、分からないからこそ面白いと感じるのかも知れない。
主人公の大前春子は、26の資格を持つという超優秀な派遣社員である。重機の運転もでき、冷凍マグロをさばくこともでき、ロシア語も話せる。時給は3500円だそうだ。しかし会社では一切笑顔を見せず、人間関係を築くこともなく、定時になればすぐに帰る。かなり変わった人にも思えるが、実はこれ、労働者として理想的な姿なのかもしれない。勤務時間内は業務以外のことを一切せず仕事に集中し、定時きっかりで帰る。本来はそれが正しいのではないだろうか。労働基準法などで定める様々な規則は、そういった労働者を想定して作られている。
しかし私には、職場で人間関係を一切作らないというのは無理だ。現実の仕事というのはチームでやるものであり、大前春子のように一人で何でもやるのは、たとえ超優秀な人間であっても不可能だと思う。