http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00170445.html
アメリカのクリントン国務長官は21日、ネット検索最大手「グーグル」が中国で、サイバー攻撃を受けたとされる問題について、中国政府に徹底的な調査を求めた。一方、中国では、早くもこれに鋭い反発の声が上がっている。
クリントン国務長官は「サイバー攻撃をする国々や個人は、重大な報いと国際的な非難に直面するだろう」と述べた。
21日、ワシントン市内で演説したクリントン長官は、「インターネットの自由な利用は、人類の普遍的権利」であると述べて、中国などのネット規制を批判した。
また、グーグルへのサイバー攻撃について、中国政府に徹底調査の実施を求めるとともに、インターネット関連企業に対し、政治的検閲を拒否するよう呼びかけた。
一方、中国では、早くもクリントン長官の演説に反論する記事が掲載された。
人民日報系の新聞「環球時報」は、「クリントン長官は『ネットの自由』を押し売りしている」との見出しで、クリントン長官の写真とともに専門家による「演説は独りよがりだ」との論評を紹介している。
また、演説に対するインターネット上のブログの書き込みも、22日朝から増えているが、「ざれ言に耳を貸すな」、「いちいち指図されたくない」といった批判的なものが大勢で、クリントン長官に同調する論調は、今のところほとんど見られない。
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まあ、中国の未成熟な国内状況から言って、言論の自由などはまだまだ早いということか。しょせんはこの程度の国である。しかし「この程度の国」が将来的には世界の超大国になるわけで、暗澹たる気分になる。同じく超大国のアメリカもいろいろ問題は多いが、自由や人権を重視するという建前を掲げているぶん、まだ救われていたのだが。中国にはただ巨大さしかない。
それにしても、確かに外国から指図を受けることは気に入らないとは思うが、中国の徹底したネット規制について、本当に中国人はこれでいいと思ってるんだろうか。上の記事でも最後の3行に書いてあるが、中国政府ではなくクリントンを批判する中国人の意見が大勢であるようだ。私にはどうも、これが信じられない。掲示板やブログの書き込みでさえ、中国政府の規制によってコントロールされているとしか思えない。
早い話が、だ。中国にもネットを利用する血気盛んな10代、20代の若者(♂)が多いだろう。そいつらが、政府による規制のせいでエロ画像の1つも自由に見られない状況を、本っっ当に心の底から「中国の法律だから」という理由だけで納得しているのだろうか? どうにも信じがたい。一度、中国の青年達に会って、本音を聞いてみたいものである。
中国といえば、世界的にヒット中の映画「アバター」も、中国では上映を妨害されているらしい。
この記事によると、「中国各地で頻発する住宅地の強制収用を連想させ、反発をあおるのではないか、と当局が懸念している」という指摘も出ている、とのことだ。どうやら中国政府も自分たちが悪者である、という認識はあるらしい。(笑)
中国という国家はこの先ますます力を付けていくとは思うが、中国共産党による一党支配がこれからも永遠に続くとは、私には考えられない。ネットや映画にさえ神経をとがらせて規制しなければならないということは、この国を統治をするために相当無理をしている、ということだ。中国が経済発展するにつれて国民の生活も豊かになっていくわけで、そういった高い教育を受けて都市生活を享受する国民が、今の共産党一党支配に矛盾を感じないわけがない。田舎の農民にしても、国内のひどい格差にますます敏感になっていくだろう。今から10年後も中国共産党による支配が安泰かというと、私は相当に怪しいと思っている。