Willow's Island

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書評 「北方領土・竹島・尖閣、これが解決策」(岩下明裕)

2015年11月29日 22時05分07秒 | 

 「北方領土・竹島・尖閣、これが解決策」というタイトルに惹かれ、一体どういう解決策があるのかと思って読んでみたのが誤りであった。あんまり腹が立ったので、勢いで amazon に低評価レビューを投稿してしまった。私はたまに amazon にレビューを投稿するのだが、そうするのは、大体がその本を書いた著者に腹を立てた場合だけなので、結果として私の書評は辛辣なものばかりとなる。(^^)
 以下が、その本文である。

 著者はナショナリズムが嫌いなのだろう。「領土に関わる問題はナショナリスティックな感情を排し、地元目線に立った解決を」と訴える。それは立派な考え方なのかもしれないが、しかしいくら日本側がそう思ったところで、中国、韓国、ロシアがこうした問題についてナショナリズムを排してくれることなど、絶対にないのである。それこそ著者の言うところの「希望的外交」だ。
 だいたい、尖閣や竹島が紛糾しているのは、漁業の問題ではない。尖閣は中国の長期的世界戦略、竹島は韓国の歴史に根ざした対日コンプレックスが問題の元となっている以上、いくら地元漁民の利益に配慮したところで、まったく意味がないのである。
 それから、著者の提示する「解決策」とやらには、アメリカというアクターが全く登場しない。「アメリカは関係ない」とでも言いたいのであろうが、いくら「関係がない」と言ったところで、実際に米国が密接に関与してくるのが東アジアの現実である。それを完全に無視する考え方こそ「希望的外交」に過ぎない。

岐阜県と遺族が和解へ(パワハラ自死事件)

2015年11月22日 06時58分59秒 | その他

 約3年前、私の後輩が職場でパワハラを執拗に受け続け、自ら命を断った、という事件があった。あれほど心が痛く、つらかった出来事もない。当然、遺族は岐阜県を訴えたのだが、来月の議会の決議をもって、県が9600万円を遺族に支払う、という形で和解となりそうである。遺族側に有利な形で一応の決着を見たのは、まあよかったと思う。しかし、元上司に対する人事上の処分が聞こえてこない、というのはどうしても理解できない。


http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20151120-OYTNT50019.html
 2013年1月に自殺した岐阜県庁の30歳代の男性職員の遺族が、職場の上司のパワーハラスメントや長時間労働が自殺の原因だったとして、県に約1億円の損害賠償を求めた訴訟で、県が約9600万円を支払って和解する方針であることがわかった。関連議案を来月開会する県議会定例会に提出する。

 県は「上司の行き過ぎた厳しい発言など不適切な指導や、長時間の時間外勤務の責任は認める」とし、今後、職員研修などを通して再発防止を図るとしている。

 訴状によると、男性は異動で12年4月から県施設の整備などを担当。上司から「一体どんな仕事ならできるんだ」「そんなことで給料がもらえると思うなよ」などと日常的にパワハラを受け、13年1月、自宅で自殺した。異動から自殺までの間、時間外労働が月100時間を超えることもあり、こうした長時間労働も自殺の要因としている。

 男性の自殺を巡っては、14年2月、遺族が岐阜地裁に提訴。同9月に地方公務員災害補償基金県支部が公務災害と認定したため、地裁で和解協議が続いていた。議案が認められれば来年1月にも正式に和解する見通しで、原告側代理人は「県が責任を認め、おおむね原告側の主張が受け入れられたと考えている」と話した。

China 2049

2015年11月19日 22時13分55秒 | 

 今話題となっているマイケル・ピルズベリーの「China 2049」を入手した。親中派の大物であった著者が、ついに中国の正体に気付いて転向し、アメリカは中国を警戒すべし、と説いた問題作である。はっきり言って「気付くの遅すぎ」としか言いようが無いのだが、こうした本が話題になること自体が、米中関係が決定的に変わり始めたことを示しているのではないか。オバマの馬鹿にもぜひ読んでもらいたい。
 歴史は今、米中冷戦の境目にある。日本はこれからの米中関係がどう動くかによって、大きく影響される。ところが米中関係をきっちりと論じた本は、以外と少ない。そんな中、この「China 2049」は日本人として必読の書だ。400ページ近くあるが、しっかり読んでいこうと思う。

天才詩人(?)現る

2015年11月10日 00時25分11秒 | 子ども
そのひの ひにち

また そのひの ひにちがやってくる
だから しあわせがあって まいにちがある
それがいい
それが くになんだ
みらいのはなしが これからもつづきます


ちょっとのちがいが わかるひと

ひとつひとつのじが かけるひとは いい
でも ひとつひとつのじが 
じょうずじゃないと だめ
それがわかるひとも すごい


うきうきしちゃおう なんばー3

じぶんのいのちは とってもだいじ
なにをやっても だいじ
でも ひとのいのちもだ
じぶんの いのちぐらい だいじ
いのちは だれでも だいじ
だから たいせつにしよう


すうじすう

かずは いっぱい
かぞえられないほど いっぱいある
でも それよりも おわらない
ずっと つづく
それが かずというものだ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 上の詩はすべて、長女(7歳)が書いたものである。小学1年生とは思えない文学センスだ(^^)。親バカまる出しであるが、何だか将来が楽しみである。

韓国外交の敗北(日韓首脳会談)

2015年11月03日 06時50分23秒 | 韓国

 昨日は3年半ぶりに日韓首脳会談が行われた。クネも外堀を埋められ、安倍首相と会わざるをえなくなったようである。
 最大の懸案事項は(日本側からすると懸案でも何でもないのだが)慰安婦問題である。これについては、日本が「補償の問題は解決済みであるが、人道的見地に立った対応を検討する」として外務当局同士で協議を続けていくこととなったようだ。クネは「年内に解決」などと寝ぼけたことを言ったらしいが、事実上、何も決まらなかったということである。「慰安婦問題が解決しなければ首脳会談しない」というのが韓国側の態度であったが、首脳会談をしても解決しなかった、というのが結果であった。
 これはつまり、韓国外交の敗北を意味する。この会談で日本が得られたものはないので、日本側の勝利というわけではないが、韓国が負けたことは明らかだ。
 考えてみれば、慰安婦問題というのは、韓国にとって負け戦でしかない。日本の阿呆な評論家は「慰安婦問題は日本にとって負け戦」などと言ってきたが、実は逆だったのである。といいのは、こうした交渉を続けたところで議論持ち越しになるか決裂するかしかないわけで、そうなければ、日本側としては何もしなくてよい、ということであり、現状と何ら変わりないということである。しかし韓国側としては強い要望が実現できなかったということであり、外交上のマイナスにしかならない。
 それが分かっていたから、韓国は首脳会談を避けて、日本以外の国に出かけて行き、必死に「告げ口外交」を続けていたのである。そうすれば「日本が悪い」という国際世論が形成され、それが日本への圧力となり、慰安婦問題で日本が屈する、と考えていたのであろう。ところが、そんなことを繰り返したところで、韓国にとって有利な状況になるわけでもない。
 主要国の日本に対する好感度や信頼度を調査すれば、韓国を除いて日本がかなり信頼されている国であることは明確になっている。
http://www.chosakai.gr.jp/notification/pdf/report8.pdf
 外務省が昨年行った調査によれば、ASEAN諸国において日本が断トツで「信頼されている国」であり、逆に韓国などは最下位に近い、という結果になった。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000036036.PDF
 こうしたことから、韓国の「告げ口外交」など何の意味もなかったことが分かる。その結果、こうしてクネは安倍とサシで会わざるをえなくなったのだ。そして待ち受けていたのは、韓国外交が敗北であったことを再確認する、という結果であった。