http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2015042700485
【ニューヨーク時事】日米両政府は27日(日本時間同)、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)をニューヨークで開き、防衛協力の指針(ガイドライン)再改定で合意した。中国の台頭による安保環境の変化を踏まえ、日本の集団的自衛権行使を前提に「切れ目のない日米共同の対応」を掲げた。沖縄県・尖閣諸島を念頭に島しょ防衛での協力や、シーレーン(海上交通路)での停戦前の機雷掃海も打ち出した。
ガイドラインの改定は1997年以来、18年ぶり。2プラス2には、岸田文雄外相と中谷元防衛相、米側からはケリー国務長官とカーター国防長官が出席。協議後、4閣僚が記者会見して再改定の内容を発表した。
ケリー氏は、ガイドライン再改定について「両国の防衛関係の転換期で、うれしく思う」と述べるとともに「尖閣諸島を含む日本の領土を守るわれわれのコミットメントを維持する」と語った。岸田氏は「同盟を強化し、地域の平和と安定を確かなものにする」と強調した。
新たなガイドラインは、政府が5月中旬に今国会に提出する安全保障関連法案が規定する自衛隊の活動拡大を先取りした。これまで「平時」「日本有事」「日本周辺」に分類していた協力分野を全面的に見直し、地理的な制約を撤廃。(1)平時(2)日本の平和・安全への脅威(3)日本への武力攻撃(4)日本以外の国への武力攻撃(5)大規模災害救援-の5分野に再編し、世界規模で連携を強化する。
<以下略>
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ん? ケリーは何気なくすごいこと言ってないか?「尖閣諸島を含む日本の領土」だと。
アメリカは「尖閣諸島は日米安保条約の対象となる」とだけ言って、尖閣が日本の支配する地域であることは認めても、どの国の領土であるかは明確に言わなかったはずだ。領土をめぐる紛争には立ち入らない、というのがアメリカの方針であったからだ。それが今回、国務長官がはっきりと「尖閣は日本の領土」と言ったわけである。ケリーが口をすべらせただけかもしれないが、この意味は大きいのではないか。
最近、またアメリカがかなり日本に寄ってきたような印象を受ける(実際の思惑はどうなのかよく分からないが)。安倍政権になってから数年にわたる日本外交の努力が実を結んだのであれば、うれしいのだが・・・。さて、中国がこれからどう出るか。
<2015年5月29日 追記>
念のため、海外の英語の記事(英国紙 the Guardian)で、ケリーが本当に何と言ったのか調べてみた。すると、“commitment to Japan’s security remains ironclad and covers all territories under Japan’s administration, including the Senkaku islands,” ということのようだ。つまり「日本の安全保障に対する(米国の)関与は強固なままであり、尖閣諸島を含む日本の施政下にある全ての領土をカバーする。」と。やはり、territories(領土)であると明言している。これを失言だとする米国側の動きも無い。