去年の3月にこのブログで紹介した「ニッポン経済のここが危ない!」という本があるが、気になる点があったのでもう一度読み返してみた。この本は竹中平蔵と幸田真音の対談という形をとっており、その中にはまさに竹中の思想を象徴するかのような言葉がいくつか出てきたので、以下に抜粋する。
(P17)
私はアメリカに出かける日本人旅行者に、ニューヨーカーの家を訪れてみることを勧めます。彼らがどの程度の生活水準を享受しているか、一回見てみるといいんです。腰を抜かすと思いますよ。日本人が、いかに自分たちが考えているより貧しいかということが分かると思います。(笑)
(P18)
学生に、君たちは生活に満足しているかと聞くと、必ず満足していると答えるんですよ。「だって、車もあるし、家にエアコンだって入ってるし、特にほしいものないですよ。何買うんですか」と言うから、「きみはモーターボート持っているか。ヨット持ってるか。きみの家の庭には芝刈機があるか」とか、そういうふうに聞くと、「えっ」という顔をする。
(P64)
グレーゾーン規制というのは天下の悪法ですよ。金利というのはお金の価格ですから、高い金利はだめだということは、高い価格がだめだということになる。一種の価格規制をしたわけですよ。・・・(中略)・・・去年の秋頃、アメリカに行くと必ず聞かれましたよ。日本はなぜそんな社会主義のようなことをするんだってね。・・・(中略)・・・でも、多重債務者を救うにはもっと簡単な方法があります。破産法を変えて、破産させてやればいいんです。
どうやらこの人の脳内では、アメリカやニューヨークで正しいとされていることなら、それだけで自動的に「正しい」ということになるらしい。(^^) 数年前までこういう人が、日本政府において経済政策の中心にいたんだな・・・。今が良いわけじゃないんだけど。