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漱石山房~本郷

2021-10-08 | Weblog
地震だけは本当に怖い
芸術の秋というわけではないが、少し前の涼しい時分に文豪旧宅や小さな美術館、博物館を廻った。
①漱石山房記念館(早稲田):漱石の自筆がたくさん見られた。そして初めて早稲田を歩いた。思っていたよりも雑然としていた。ここは定期的に通いそう。
②山本有三記念館(三鷹):山本有三が暮らした洋館がそのまま記念館になっている(戦後はGHQに徴用された)。子供時代あまりに感動して何度も繰り返し読み、読み潰した「路傍の石」。この洋館で執筆されたことを知った。学があるのに貧しいから進学できない。学はないのに金持ちだから威張り散らして豪華な生活をする。今と変わらない。
③太宰治文学サロン(三鷹):今はないが三鷹には太宰の最後の家があった。太宰はその家から玉川上水に心中しにいった。その家の模型が大変良かった。
④竹久夢二美術館(弥生):学生時代から、いつか行こう、でもいつでも行けると思っているうちにこんな年齢になってしまった。夢二の柔らかい画と彼自身の文章による子供向けの物語にはぐっとくるものがあった。
⑤古代オリエント博物館(池袋):デパートカードのおかげで無料で入れる。ここはいつも空いていて快適だ。いつものことだが、ハムラビ法典(レプリカ)の前でしばし佇む。紀元前18世紀のものだ。4000年前にこんな立派な文字と思想が存在していたのだ。そして今、人間は何も進化していない。退化さえしている。


竹久夢二美術館の帰り道、本郷通りを歩いたら、看板建築の古い建物の店が何軒も空き家になっていた。近い将来、チープなチェーン店の箱に入れ替わるのだろう。東大にも新しいビルが沢山見えた。時代の流れを確実に感じる。しかし駅前の「麦」はまだ健在だった。薄暗い照明、赤い布張りの椅子、たばこの煙。東大生と思われる若者が分厚い英語の学術書を読んでいた。まだ日本も捨てたものではない。渋谷の聖地ライオンと共に長く残って欲しい。昔のフォントは柔らかくていい。










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