ストリーミングを使えば最新のヒット曲が次から次へと聴けるのでいやぁこれさえあれば自分も流行に疎くならなくて済むぞ…となるかと前まで思っていたのだが、最新のヒット曲をチェックするときに便利なのは自分の場合結局相変わらず「小林克也のベストヒットUSA」だ。NACK5のラジオ番組である。洋楽番組としては最古参の部類に入るヤツ。
フォーマットはシンプルで、アメリカのチャートのトップ20をカウントダウンするだけだ。ミソなのは、1曲ずつワンコーラスだけ聴かせて60分番組で漏れなく20曲紹介してくれること。勿論当該アーティストについてのプチ情報も教えてくれる。ビリー・アイリッシュがチャートインすれば彼女が17歳だとかお兄さんが曲を作ってるとかそういった基本的な話をね。
たった1時間でストリーミングを使って20曲チェックして小ネタもネットでググれといわれてもかなり厳しい。ラジオ番組を録音しておけばそれが可能だ。正直小林克也も大変高齢で最早滑舌以前にまともに喋れていないのだが流石にこの道半世紀、人間性に問題があろうがなかろうがきっちり番組を構成してくれる。今日は何の日も何気なく楽しい。
最近はストリーミングが主流になっているのを意識して彼も番組で堂々と「ここで紹介して気になった曲があればストリーミングでフルコーラスを聴いてみればいいよ。この番組の役割はそれだもの。」と言い切っている。大昔からやっているラジオ番組が最新のストリーミングのフォーマットに対して存在感を示せるというのは、何といえばいいのやら、必要なのは技術でも技術だけでもないのだな、と。その都度何が欲しがられているのかというニーズをきっちり察知すること。すぐに移り変わることもあればぜんぜん変わらないものもある。「ベストヒットUSA」はたまたまストリーミング時代にフィットしたようなものだが、それとともにリスナーの欲するものもそんなに変わっていなのだなと思い直したり。古臭い事をやっているなと思う事があっても、続けていればまたフォローの風が吹くケースもあるんだな。
…え?何が言いたいのかって? いや当然「『Kuma Power Hour』復活しねーかな。」ですよね。優れたディスクジョッキーが居ればいい音楽を紹介するラジオ番組は必ず輝く。小林克也なんてDJとしては大したことないのだけどこれだけ続けてきたからレジェンドになれたのだ。こういうのは、やるかやらないかである。「番組のクォリティを維持する為に~」とか唸っている間に時は過ぎていく。まずはアウトプット。細かい事は後から考えようや。なるようになるってさ。
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