『何色でもない花』はその歌い出しからしてドラマとの関連性を強く印象付ける。しかし当日私んちのタイムラインを見る限りではその余りの脚本のテンプレぶりか、はたまた甘酸っぱ過ぎる青春風味にあてられてか、早々に離脱宣言をしている人を幾人か見掛けた。無理からぬ事だわね。
しかも終盤にはファンタジー風味をかなり唐突にぶち込んでくる。もうそうなるとついていけない人続出かなぁと思いかけた所で主題歌が流れるもんだからいやはやなんとも罪作りな歌だなと思ったよ。
ドラマを幾つも観てきた人ほど、このようなベタな流れで90分枠を鑑賞し続けるのは苦痛だった事だろう。一方で、月9というポピュラーな枠というのは、普段あまりドラマを観ない層や、そろそろ夜のドラマも観ようかなとか思い始める小中高生も対象にしているという面があるかもしれない。将来高校に行ったらあんな素敵な(?)体験が出来るのだろうかと期待に胸を高鳴らせながら観てくれてるかもしれないのだ。
ヒカルもそこらへんを意識しているのか、出したコメントは
『こんなにストレートなラブソングを書いたのはいつ振りだろう。何かを信じることが怖い人に届いてほしいです』
https://natalie.mu/music/news/556250
なんて風で、つまり何を見るにも斜めから疑ってから掛かる大人の皆さん、素直な心で観てあげてくださいね、って所なのだろう。そしてヒカル自身も『いつ振りだろう』という言い方からして、随分そんな気持ちを忘れていたなと、そう述懐しているように読める。
なお、この『いつ振り』には余り深い意味はないのではないかなと。具体的に何年前に書いたあの曲がというより、その感覚を忘れてしまっていた事自体にフォーカスしたい発言だろうし、なら具体的に憶えてない方がリアリティがある。それに、そもそも『ストレートなラブソング』に
『嗚呼、名高い学者によると
僕らは幻らしいけど』
なんて謎めいた歌詞が出てくるか? 『何色でもない花』自体が、かなり捻りのある歌だと思うよ。ま、ストレートってのが同じく歌詞に
『I’m in love with you』
っていう直接的な表現があることを指すならわかるけど、いやそれならタイトルも歌い出しも『君に夢中』な歌もかなりどストレートだと思いますよ!? ついこの間の歌だよね??
という訳で、無理にドラマを観る必要もないとは思うけれど、今挙げた幾つかの要点を並べてみると、果たしてこのドラマ本当にテンプレで固めたベタな青春ドラマwithファンタジーな味付けで終わるのかしら?という疑問が私には湧いてくるのだ。次回はそこらへんの話から。
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