無意識日記
宇多田光 word:i_
 



はぁ~、Kuma Power Hourがなくなってしまうのかー、と今日も溜め息を吐いている。どないしたもんかな。そうだ、どうせなら次のライブコンサートツアーのタイトルは「Kuma Power Tour」にしてしまおうそうしよう。ツアーのオープニング曲は勿論Kuma Power Hourのオープニング・ジングルの…二番だな。歌詞違いで。如何でしょう。あのジングルの後にどんな歌歌えばいいんだよと思いかねないが、そういえばWILD LIFEのオープニングはKuma Chang/Gigantoのアニメーションだったじゃないか…似たようなもんじゃないの…。

ライブっていいなぁ、とIn The Flesh 2010に引き続きLuv Liveを浴びて皆思っているに違いない。そういえばひとりくらいラブライバーが「ん!?」と反応すると思ってたのに1人も居ないなそんなん。アニメクラスタの連中は今回の再発に全然興味がないのだろうか。それはさておき。

特に、Luv Liveで特徴的なのは、デビューライブなんだから当たり前なんだけど、アルバムの曲がほぼそのままライブ・バージョンで聴けてしまうという構成になっている。スタジオ・バージョンとライブ・バージョンがこうやってすぐさま参照出来るのは実にいい。結果論に過ぎないが、First LoveにLuv Liveをカップリングするのは記念になるだけでなく、音楽的にも面白い試みとなった。

当初は、ちょっと訝っていたのだ。ファンの中には、もう持っているんだからわざわざFirst Loveを買い直す必要はない、Luv Liveだけ単品で売ってくれへんか、という意見が結構出てくるんじゃないかとね。で、実際蓋を開けてみると、今更Luv Liveを観てみたいなんていう人はFirst Loveを買い直す事に何の抵抗もないファンばかりだった。全く居ない訳じゃないだろうが、あんまり居ない感じはする。このカップリングを"抱き合わせ"云々と批評する向きは。

まぁ実際、通常盤(期間限定生産盤)も、First Loveだけで本来3000円とるのだから+1000円で一時間のライブDVDがついてくるのはかなりお買い得といえる。あとは、今回の企画に興味があるかどうかの違いだけだろうな。豪華盤を購入する筋金入りの皆さんについては、もうそんな話は不要だろうし。さて、オリコン・チャートは何位になっているのかなー。

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そういえば「そもそもリマスタリングって何?」という疑問に答えていなかった。リミックスやリプロダクション、リレコーディングとどう違うのか。前は料理を比喩にして説明したが、今回は写真を例にとって考えてみよう。

完成した音源を我々がCD等で聴く事は、写真でいえば、現像された一枚の写真を鑑賞する事にあたる。ジオラマを撮影した写真を一枚、想像してみる。

ジオラマを撮影する時は背景となるパーツ、海や山や陸や建物、人物や乗り物などの"パーツ"を配置して撮影する。これを音楽に喩えると、各々のパーツを制作する作業がレコーディング、実際に撮影スタジオで(カメラの前で)ジオラマを作る―即ち、各パーツをどうやって配置して、どのアングルから撮影するかを決めるのがミックス、そして、撮影した写真を現像する過程がマスタリングであるといえる。リマスタリングとはつまり、写真でいえば現像をやり直す作業にあたる訳だ。

当然、写真に写っている内容は変えられない。ジオラマで使うパーツやその配置などは変更がきかない。音楽でいえば、そこで使われている楽器や奏でられているフレーズは変えられないし、その相対的な位置関係も変えられない。

しかし、写真の現像時には、色合いの調節、明度や彩度の変更などが可能となる。ぼんやりしていたり、暗くてよく見えなかったりした音を、この段階でくっきり聴こえるように修正する事は可能な訳だ。

しかも、少々荒業になるが、写真は一枚の平面なので、その一部を歪ませる―トポロジカルな連続変形も可能なのだ。その為、密集していた楽器同士の間に空間余白を設ける事すら出来る。

今回のリマスタリングは、つまり、マスタリング段階で出来る事は粗方遂げたと言っていい。全体的な色合いを爽やかに明快にし、各楽器の分離・境界を設け、全体的に左右に空間を引き伸ばして、このジオラマの主役であるヴォーカルの存在感がより際立つように工夫されている。巧くやったもんだ。


なお、ミックスというのはパーツの配置を変えるだけでなく、パーツの選択や入れ替えも視野に入っている事が多い。つまり、ジオラマ写真に写ってないパーツも、脇から取り出してきて写真に乗せられてしまうのがリミックス作業という訳だ。なので、最初の音源とリミックス音源がまるで違う事もしばしばあるが、リマスタリング音源はそもそも撮影してしまった写真と同じなので、写っているものは変えられない。写っているものの見え方なら少し変えられる。そういう違いがあるのである。

となると、Demoバージョンというのは完全に、まだパーツ制作も終わってない段階での仮撮影みたいなものなので…という話から先は、私がDemoを聴き込んでからになりますね。お楽しみに。

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