トシの読書日記

読書備忘録

身も心も満たされる場

2014-12-10 15:17:26 | あ行の作家
太田和彦「居酒屋を極める」読了



久しぶりに軽い本を読みました。こういう読書もたまにはいいですね。楽に読めます。



著者はグラフィックデザイナーという肩書なんですが、居酒屋研究家としての名の方が世間にはお馴染みなのではないかと思います。この人の本はたくさん出ているんですが、全部居酒屋関連のものばかりで、自分も10冊くらいは読んだかな。つい買ってしまうんですね。


本書は居酒屋での振る舞い方を主に伝授しています。まず、居酒屋へは一人で行くべしと。じゃ一人で行って何をするのかというと、何もしなくていいと。酒を飲み、肴を食べながら自分と対話する。これが極意のようです。


自分も一人でよく飲みに行くんですが、だいたい本を読んでます。これは多分太田氏に言わせると、邪道なんでしょうね。まぁ人それぞれ、好き好きなんで、どれが正しいってわけでもないんでしょうが。


本書は居酒屋での立ち振る舞いに関することの他に太田氏のすすめる全国の居酒屋も紹介されていて、読んでいると「居酒屋旅」をしてしまいたくなってしまいます。差し当たり、手近な名古屋の「大甚」でも行ってみるとしますか。




世界は言葉でできている

2014-12-10 14:57:19 | や行の作家



山尾悠子「ラピスラズリ」読了



姉から借りた本のコーナーを眺めていて、ふと目に止まったので読んでみました。


この本の感想は難しいですね。つまらなかったかと問われればそんなことないとは言うものの、面白かったかと聞かれれば、うーんと唸らざるを得ないという、そういう不思議な作品集でありました。


五編の作品が収録されているんですが、いくつかはつながっている感じで、でもよく読んでみるとそうでもないような。いつの時代ともどこの国とも知れぬ(多分中世ヨーロッパあたりが舞台か)話で、かなりの想像力が要求されます。


使用人を何十人も使う城(?)で、冬の間は動物の冬眠のようにずっと寝て過ごし、春になると目覚める人達。そこに使用人の思惑がからみ、果てはゴーストまで登場して、もうなにがなにやらという世界です。



放心状態で読書をするという貴重な体験をしました。読後、ぐったり疲れました。なんだか最近は、楽しいはずの読書が、疲れるものばっかり読んでます。次、ちょっと軽いもので疲れを癒します。