アゴタ・クリストフ著 堀茂樹訳「悪童日記」読了
以前読んだものの再読です。ネットでクッツェーの本を捜しているとき、アゴタ・クリストフの「ふたりの証拠」「第三の嘘」を見つけ、これが「悪童日記」の続編ということで読みたくなり、ならばその大元をもう一度読んでからと思った次第。
やっぱり再読してよかったです。すごい本ですね。
時代、地域は特定されていないんですが、これは第二次世界大戦下のハンガリーの物語と考えるのが妥当なようです。
<大きな町>から<小さな町>に母親に連れられて疎開してきた双子の「ぼくら」。二人はおばあちゃんの家に預けられるのだが、近所の人から「魔女」と呼ばれているおばあちゃんは、二人の面倒を全く見ない。
二人は互いに切磋琢磨しあって強くなっていくわけですが、途中、色々なエピソードが盛り込まれているこの小説は、最後、なんと父親を間接的に殺してしまうところで終わっています。
全体に戦争を通して人間の醜い部分をあぶり出し、非常に強い皮肉を込めた作品になっています。しかし、この双子の「ぼくら」は最後、離れ離れになってしまうんですね。続編の「ふたりの証拠」でどんな展開が待っているのか、今から楽しみです。
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