安部公房「飛ぶ男」読了
本書は平成6年に新潮社より発刊されたものです。
この作品は、平成5年に亡くなった安部公房が、その数年前より本書を執筆してい、その亡きあと、本書のタイトルが表書きされたフロッピーディスク(なつかしい言葉!)が見つかり、発刊に至ったという経緯があります。
作品は、もう完全に安部公房の世界です。公房ファンとしては、面白く読ませてもらったんですが、でも、どうなんでしょうねぇ。これは未定稿ということで、安部公房にしてみれば、まだまだ推敲を重ねて決定稿とするつもりだったんでしょうが、こんな形で本作品が世に出るということは、無念やるかたない思いではないかと察します。
ともあれ、出てしまったものはしょうがない、読んでしまったものはしょうがない、ということでしょうか…。
そういった意味で、少し残念ではありました。
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