トシの読書日記

読書備忘録

気どるな!ぶっかけろ!!

2020-08-03 16:26:19 | あ行の作家


遠藤哲夫「汁かけめし快食學」読



本書は2004年にちくま文庫より発刊されたものです。生い先短いかもしれないのに、こんなどーでもいいような本を読んでていいのかという声も聞こえてきそうですが、まぁ人生ひまつぶしですから、ということで。


ずいぶん昔に読んだものの再読なんですが、こんな小むずかしい本だったとは…。汁かけめしを賛美する軽い読み物のつもりで本を開いたんですが、あに計らんや、ちょっと読み進めるのに苦労しました。なにせ汁かけめしのルーツを戦国時代に求め、そこからひも解くというんですから。


しかし、最後のカレーの章あたりはなかなか面白かったです。カレーは本場インドから伝来したものであるとか、いやいやイギリスの王室から伝わってきたんだとか、いろんな食文化研究家がいろんな本で著しているけれども、カレーは日本の食文化に根付く立派な汁かけめしであると、ここは著者が一番熱く語っておりました。なるほど、そうだよなと思わせる深い考察になっております。


そして章ごとの頭にある東陽片岡氏のイラストが、また本書の内容にぴったりで、いい味を出しておりました。



姉から以下の本を借りる

村上春樹「猫を棄てる」文藝春秋社
サマンタ・シュウェヴリン著 見田悠子訳「七つのからっぽな家」河出書房新社
ホセ・ドノソ著 寺尾隆吉訳「ロリア公爵夫人の失踪」水声社
マリオ・レブロー著 寺尾隆吉訳「場所」水声社
保阪正康著「三島由紀夫と楯の会事件」ちくま文庫
村田喜代子「屋根屋」講談社
村田喜代子「飛族」文藝春秋社
アレホ・カルペンティエル著 木村榮一・平田渡訳「この世の王国」水声社
佐野洋子、オフィス・ジロチョー編「佐野洋子の『なに食ってんだ』」NHK出版
神林長平「先をゆくもの達」早川書房
向田邦子「お茶をどうぞ――向田邦子対談集」河出文庫
マーク・トウェイン著 大久保博訳「アダムとイブの日記」
トマス・ハーディ著 河野一郎訳「呪われた腕――ハーディ傑作選」新潮文庫


知ってか知らずか、いつ死ぬかわからない身で、昔読んだ本を味わい直そうと思ってるところへもってきてこれだからねぇ。困ったもんです。まぁ、うれしい悲鳴ということで。

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