小山田浩子「庭」読了
本書は先月に新潮社より発刊されたものです。出版されたばかりの本を買うのはすごく久しぶりです。アマゾンからのメールで紹介されていて、何故かすぐに飛びついてしまいました。
デビュー作「工場」で、こやつはただ者ではないと感じ、「穴」でやっぱり、と確信を得た作家だったんですが、その後、発表作がなく、どうしたものかと思っていたところ、本作品のことを知り、買ってみたのでした。15の短編が収められている作品集です。
相変わらずのテイストなんですが、「工場」「穴」に比べると、ちょっと方向が変わってきた感があります。「工場」なんかは、読んでいてかなり無機質なイメージがあったんですが、この短編集はもっと生活の匂いが漂っている感じです。それもまた悪くないんですがね。
全体に吉田知子的な風合いは変わらずに通底していて、そこはいいですね。この作家、見守っていきたいと思います。くれぐれも長嶋有とか朝倉かすみみたいにダメ作家になってしまわないことを祈っております。
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