いしかわじゅん 「漫画の時間」読了
本書は新潮OH!文庫(これ、なつかしい)より2000年に発刊されたものです。
今、これまでの読書生活の中で何度目かの(3度目か?)本の整理をしておりまして、本棚に収める文庫本は1列では収まりきらず、前後に2列にして並べてあるんですが、そのため、後ろの列に並んでいる本がなかなか日の目を見ることがなく、今回の整理にあたって本書を発掘し、こんな面白そうなものがあったのかと、いそいそとページをめくったのでした。何年か前に読んだものの再読です。
20年前くらいの漫画評論なので、もちろん時代にマッチしないものばかりなんですが、それでも面白いですね。あのいしかわじゅんですから。当時、いしかわは仕事としては主に漫画を描いていたんですね。もちろん、当時から各方面へのクリエイターとしての頭角を現してはいたのですが。
約100本ほどの作品を取り上げていろいろ評しているわけですが、やはりあのいしかわじゅんです。取り上げる作品がかなりマニアックで、それがまた面白いんですね。当時、超売れっ子の柴門ふみが、ある雑誌で「漫画論」と題したエッセイを寄稿していて、それにいしかわが激しく噛みついたという事件がありまして、いしかわの書いたものを読むと、そりゃおたくの言うことが正しいわな、と思うんですが、まぁこれはいしかわの側からしか見てないので何とも言えないんですが、しかしこれに対して柴門ふみは一切の反論をしてきてないというんですから、自分の考えの過ちを認めたということなんでしょうか。まぁ今となってはどちらでも良いんですがね。
自分の好みにマッチする漫画家も結構いて、楽しく読めました。それにしても大友克洋という漫画家はやっぱり偉大だったんですね。改めて思いました。
冒頭にも書いたように、只今絶賛本の大処分市を開催しておりまして、まぁ終活ですね。ざっと数えて単行本、文庫本合わせて1200冊ほどある本を、どうしても残しておきたいもの以外、約1000冊を処分することにしました。ひまなときに(大体いつもひまなんですが)少しずつ片付けておりまして、あと数日はかかりそうです。どこに売ればより高く買ってくれるか、それも調べなければなりません。誰かのブログで「買取王子」がいいようなことを言っていたので、ちょっと調べてみて、それにしようかなとも思っております。
体調ですが、先日、胃カメラとCTをがんセンターでやりまして、その結果、ほとんどなくなりかけていたガンが最初あったところのすぐ下にまたできているそうです。それで食道がふさがれてしまって、胃カメラがそこから先に入らなかったとのこと。ショックでした。今、口からは食べ物はもちろん、水ものどを通らない状態です。その同じ日に3回目の抗がん剤も点滴してきたんですが、もうそれに期待するしかなさそうです。
一時は完治に向かうと思っていたのですが、そう甘くはありませんでした。消化器内科の先生は、まだ「ガンの可能性がある」と言うだけで、それ以上の話はなかったんですが、胃カメラを入れた時、採取した検体の解析結果を10月20日の診察時に話をするということです。もちろんガンに間違いないと思うのですが、どの程度進行しているのか(食道をふさぐくらいだからかなり進んでいると思いますが)、その場合、例えば5年生存率でいうと何パーセントくらいなのか、不安は募るばかりです。
一時は死を覚悟し、しかし、いっときそれから解放されたかに思われたんですが、また覚悟のし直しですかね。
とにかく、10月20日の診察まで待つしかありません。
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