ブラックファイブ

あのDr.ブラックジャックの半分以下なので、ファイブとします。命燃え尽きるまで、経験と知識からブログをやろう。

気管内挿管

2005-02-08 22:11:58 | Weblog
 以前、救急救命士がやっても良いかどうかと言われた行為です(呼吸状態の悪い方の気管内に細い管を押し込んで空気の出入りを確保する方法)。
 今日、久方ぶりにやった。研修医がうまくいかなかったので代わったのです。研修医(医師になって一年目)がやるのを見ていると、手や口を出したくなってくるのですが、じっと我慢で待つ。
 対象は、ぶよっと太った扱いにくそうな方でした。手際も悪そうだけど、まだじっと待つ。口の部分で舌が邪魔をしているようだった。手で横へ寄せようとするもぐにゃっと戻ってくる。そこをなんとか、管を奥へ進める。つい、辛抱しきれずに、喉の奥が見にくいままに、管を進めて入れる。酸素を送り込むが、血中酸素濃度は上がってこない。食道に命中ですネ、残念。
 ここで、チェンジ。早速、手袋をはめて(はめないと汚れたときやきわどいときに焦るよ)、まず、マスクを顔に合わせて、マスクで換気をする・・・研修医はこれを忘れていました。
 忘れていることを直ぐに指摘してあげた方が良かったかな。
 酸素濃度を程々に上げてから、口の中へ。そう、デブって見にくい(デブの方には悪いけど、太ってると、いざというときに点滴の血管は刺しにくいし、このような時にも、喉の奥まで太って狭くなっており、気管の入口がとても見にくく手間取り、自分=デブの方、が損をする)。
 奥まで深くてよく見えない。研修医もきっとここで、迷ったまま進んだのだろうと、考えたが“まあ、一発”と管を進める。
  セットして換気すると今ひとつおかしい、管から吸飲すると胃液が出てきて、ミステーク。
 再度、マスクで換気して実施。今度はぐっと、見にくい中を奥深く観察して、狭そうな気管入口らしいものを見つけて入れる。見にくくて、やや自信が無かったが換気確認し O K。
  研修医の前でドジ踏まなくて良かった。
  何で“まあ、一発”とやったかって、それは入らなくてもマスクで換気してやり直せると考えていたからです(マスクで換気が出来る限り酸素濃度は落ちないので時間はかせげる)。勿論、一発で入った方がいいけど、見にくいときは試行しながら考えたりもする(余り言わないけど)。
  研修医は麻酔科を回ったときに30例余りやったと言ってたけど、今度やり方を聞いてみよう。みんな個々のやり方は違う。その中から自分のやり方を確立してくれ。

 救命救急士はどのように教わるのだろうか。彼らはすごくマジメだから、教わったやり方通りにやるだろうね、きっと。でもここが、ちょっと心配。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

借りを返す

2005-02-07 21:48:16 | Weblog
昨日のつけは早速返した。今日は外来が先週にも増して、実質50人、私が診たのはその3分の2位ですが、終了はほぼ3時近くで、昼食は止めた(ここでご飯を食べると夕食が食えなくなる)。
全くなしでは辛いので、“砂糖入り紅茶一杯(ま、砂糖5g で4×5=20 Cal かな)” これで今日の昼食分、600~800 Cal なし。
昨日の昼、1200-(今日は少なくみつもって)600=600 Cal 【差し引きの昨日の昼食 Cal 】・・・これで今週は後、OKです。
でも、三食の内の一食を抜くのは、分かっているけど邪道ですね、非健康的やり方で計算の帳尻を合わせただけ、誰にもお勧めしません。

ところで、先週に比べてインフルエンザがぐんと増えてきた。今日はアヤシイと感じた方々にチェックを入れると9人検査陽性(的中率は70%位かな)がいた。50人全員が風邪ではないので、約2割でインフルエンザの比率は多い。B型が大半でAは少し、Bが増えるというこの傾向は例年なら、もう少しでピーク終了という所だけど今年はスタートが遅かったので、もう少し気候が暖かくなる方向に安定してくるまで分からない。

※ 昨日、診に行った方も今ひとつで、こっちも辛抱必要だった。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウォーキング

2005-02-06 22:54:15 | Weblog
今日は昼から久方ぶりにウォーキング、約60分。30分で行けるところまで行って帰ってくる。その理由は、昼飯を多く食べたからです。
お好み焼き、少し小さめを2枚(1枚 約400 Cal ×2枚=800 Cal )と焼きそば少し(約 400 Cal )で合わせて、約 1200 Cal も食べたからです。
1分間に約70 m 歩くとすると、70×60=4200で約4.2 km 歩きました。現在体重約 60 kg で、消費カロリーは歩く速度70m/min で 0.063cal/kg/min を消費するので、0.063cal/kg/min×60 kg×60min=226.8 Cal を漸く運動で消費した計算になります。1200-226.8=973.2 Cal はどこへ行くのでしょうか。勿論、食べたものが全て吸収されるとは限りませんが、少なく見ても半分は出ていかないでしょう。出ていかないと貯まる、身体の中に。他に朝食と夕食を摂りますから結果は計算したくないですね。
このつけは、やはり自分の身体で払うしかありません。これで今週の食事のメニューというか、食べる量は決定です。1日のつけを残りの6日で払う。払えなければ蓄積、利子は複利計算並みですね。つけをはらはないと、次から説得力はなくなりますね。
  こんな感じの堂々巡りはみんなやっているのでしょうね。
どこかで、ワンランク上がってしまうと下りてくるのは大変、それはみなさんご存じでしょう。

※ 今日は4回も電話がかかってきて、とうとう16時過ぎには見に行くことにしました(口だけで、ほって於いてまずいとヤバイからネ)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やっと一週間

2005-02-05 22:52:51 | Weblog
 先週に続き今日も勉強講演会に行きました(生活習慣病関連、特に脂質・高血圧辺りについて)。
 後援メーカーのせいもあるけど、高脂血症(高コレステロール血症)はアノ薬、メバロチン(三共・風邪薬ルルのメーカーです)が登場して以来劇的に変わった。それまでは、なんのかんのと言ってもコレステロールはなかなか下がらなかった。今は欧米では高脂血症の薬の売り上げがダントツです。ファイザー製薬は新薬の為に別の会社ごと買い取ってしまったくらいです。それくらいスゴイ、胃潰瘍に対するタガメット、糖尿病に対するインスリン、インフルエンザに対するタミフルなどに匹敵する程の効果が期待できています。
 高血圧もARBといって、アンジオテンシン受容体拮抗薬といって、ニューロタン、ブロプレス、ディオバン、ミカルディス、オルメテックなどが出てきて、漸く高血圧の本質に近づいた治療薬がでてきた。
 こんな話を少しメーカー色をにおわせながらわかりやすく話してくれました。
 (今日の話は今までの進歩のまとめとも言えるでしょう)
 でも、これらの薬の効果は今までの積み重ねではっきりしかかってきているという所でしょうね。 高脂血症や高血圧の患者さんが来たら、第一選択薬に何を考えるかと言えば、やはり、メバロチンの系統や、ARBの系統を考えるのだ今様でしょう。効果不十分なら、これらを増やすか他種を追加するかで、特定の場合以外は他種からスタートは考えにくいものでしょう。
 しかし、生活習慣病は、患者さんの“確信犯的部分の多い疾患”ですから、患者さんの『その気』が第一なことは言うまでもありません。
 この一週間は結構忙しかった。31日は新人を教えながら、外来は16時頃までかかるし、ホッとしたら、もう朝って感じで、何をやっていたのかなと思ってしまいます。でも、終末に頭の中にまとめができてホッとした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NHK

2005-02-04 23:09:37 | Weblog
今朝、仕事に行く前、着替えながらTVをふと見るとNHKニュース(いつもはTBS・ラサール石井のウォッチを見ているのに何故かNHK)。“診療ガイドライン”の話・・まあイイヨ、当たり前、次“ノロウィルス感染防止”の話 → これがまずい。
とある施設では感染防止の為に、① 厨房に近づく前にベースン(消毒剤を入れて手をすすぐ金ダライの様なもの)で手を洗う、② 食事を運ぶワゴン車が厨房に入るときに車輪を消毒剤の染み込ませた帯の上を通らせる、③ 返ってきたワゴン車の外側を消毒剤入りのタオルでふく、これらをやっていると見せていた。
これをみた正直な人は、朝のニュースですから朝礼で、「今日から朝のNHKニュースでやっていたように、うちでも始めよう」というかもしれない。 違う!
①:たまり水で手を洗うと、OKは最初の一人まで(一人目の手がメチャクチャ汚れている場合を想像して下さい。その後の二人目が手を突っ込む場面どう?)、二人目からは×。毎回中身を取り替えるのなら水道の流水で洗った方がまし。
②:車輪消毒は無意味、手術室の床でさえ通常、消毒なんてしない。丁寧に掃除をするだけ。床なめる人いる?
③:消毒剤で拭いてOKなのは、ごく初めの所だけ。汚れたら水洗いで有機物を落とす。精々ひどく汚染された所だけ、流水で有機物を洗い流し、消毒するかなっていうくらい、そして、通常は汚れを落とすくらいでOK(台湾のSARSの方が旅行した後から、その行き先をたどって、手すりや床に消毒剤をまいたりしていた見かけだけの情けない画面を思い出して下さい)。 

NHKがまずいのは、NHKの報道はきっと正しいと思い込んでしまう方が多いことです。特にこのような衛生観念の話などでは。逆にいうとNHKはそれほどまでに信用されているということです。こんなに信用されている、信用したいという人がいることをNHKは分かっているのかな。
・・・NHKに“逆海老固め”を!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心因反応

2005-02-03 22:57:24 | Weblog
 今日は心因反応の方のフォローを相談された。誰が付けたか“心因反応”便利な病名です。 
 精神面の問題で“統合失調症”を“曇り時々晴れ、所により雷雨、地震もあるかも”とすれば、“心因反応”は“晴れ時々曇り、所によりにわか雨”って感じですね。
 勿論、私の所へはこれらの疾患で通っているのではありません。コントロールが大事な病気で来ているのですが、心因反応が元にあるために自己調節、節制というものを続けることが難しいのです。
 ほんのチョットしたことで、ずれていきます。自分の都合のいいようにしてしまうのです。
 まっとうな方でもこんなのざらですけど、まっとうな方は全員『確信犯』です。心因反応の方はおそらく『半確信犯』でしょう。少しわかるけど、きっと本質まで理解しているかっていうとアヤシイ、返事はいつも「ハイ」といいますけど(まっとうな方も「ハイ」です、勿論半分うそつきですが)。
 心因反応の方はどの辺りでもがいているのかがなかなか分からないのです。ですから、こちらは大風呂敷を広げて何処に来ても受け止められるかなって、いうようにフォローしているつもりです。
 大風呂敷にのっかても縛り付けることは出来ません。動きに合わせて、下の風呂敷を動かして、ずれて出ていかないようにするだけです。
 私はこのように理解しているつもりなんですが、心因反応なんて大なり小なりみんなの中に存在しているものではありませんかっていう感じです。大なりは病気、小なりは病気でない。その間の何処で線を引いて病気にしようかというのが問題なのでしょう。
 心因反応と診断された彼らは、きっと自分達を病気だとは考えていないだろうネ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自殺願望

2005-02-02 21:11:01 | Weblog
 今日に限って自殺願望を言う方が二名も来た。午前一人、午後一人。二人とも、元々やや精神面に問題ありですが、勿論、別の疾患で私のところに来ているのです。
 午前の方は、来るなり「最高に調子が悪い。もう死んでしまいたい」と開口一番がこの言葉だった。私は「絶不調ですか」と返しました。「・・・・・」と一杯、自分のことを話し、「自殺したい」と言うのです。ひとしきり聞いてあげようと、静かに合いの手を入れて待ちました。ひとしきり話し、一段落して、「自殺してはいけない。これは約束です」といい、この方とは指切りをしました。今度は涙を流し、「自分は昔から精神の病気じゃ無かった。仙台に旅行に行ってからこうなった。・・・、今は診療に○○まで行っている。・・・どうして死んではいけないの?」と言う。「今はいけない、死ぬのはいつでも出来ます」と話をして、漸く気分の落ち着いてきた様子を見せました。「約束は守ってください」と話す。そして、私の担当疾患に付いて僅かに話して終わり、約30分余。
 午後の方は、もっと若く結構大変な病気を持っている。坐るや「調子が悪く、今までに何度も手首を切った。もう、死んでしまいたい」と言う。『えっ』と今日は当たりの日だと感じましたが、やはりひとしきり聞いて「自殺をしてはいけない。これは私との約束です」と言いました。色んな医師が色々な事を言う(当然、どれが一番良いかなんて決められないよね。私でも決められないよ。どういうのが今より良くなる可能性が高いかで考えて決めるしかないと話ましたが、これをも決める基準なんて無いけどネ)、自分の病気の解決方向選択の難しさ、リスク、同世代の方達との肉体的ギャップ、これらがきっと『もういいや』と考えさせるのでしょうね。それでも、「少しだけ元気出して下さいネ」と話し、私の部分に付いても僅かに話して終了、又約30分余。

 この御二人の為に、その他の方々(その事情はご存じないけど)の診療時間が削減されたことは言うまでもない。今日は待たされたあげく、先生と話す時間は短いと感じたでしょう、堪忍=仕方ないかな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

口のきき方

2005-02-01 21:40:18 | Weblog
 「口のきき方が悪い」、よく言われる言葉だ。このところの雑務の中に、私の判断の遅かったことなどがあった。とある方が、私に初めから怒り口調で言う。そりゃあ私の遅れがいささかの迷惑を掛けたかもしれない。しかし、そんな言い方は無いんじゃないのって感じた。それに対して言い返すのも時間を長引かせる(その方の相手をする時間がさらに長くなる)から、まあ、遅めのは認めて(お相手するのを)早く切り上げた・・・この応対は相手を真摯に相手にしてないネ(いいわけ:だったら初めは普通に話せよ)・・・私の悪い部分ですね。
 相手に話すときは、普通に話し始めよう。こんなの当たり前と違ったかな。相手の弱点、ミスに最初から手を突っ込んでくる言い方はまずいよ、返って自分が損するのではないのって。相手に“さっきのように感じさせる”“(理由は何でも)会話の第一印象を悪くさせる”、つい自分も急いだり、焦ってこんな口をきいてるかも知れないと思い直した時だった。

何があっても患者さんは立場が絶対的に弱いからネ。
私も生意気言えないし、書けないし反省しよう。昨日も書いたけど、ラセン階段はゆっくり登っていこう、決して下へ行かないように。

※ ところで、今週に入ってインフルエンザは先週の倍は来ている、注意。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする