ブラックファイブ

あのDr.ブラックジャックの半分以下なので、ファイブとします。命燃え尽きるまで、経験と知識からブログをやろう。

医療の限界

2006-08-11 22:30:12 | Weblog
 “阿吽”のお見送りをしてしてしまった。
 その十数分前に、枕元に居合わせた御家族の一人の方から、「いつが臨終なんですか?」とダイレクトな質問を受けた。
 心電図等のモニターをつけていたので、モニターを示して説明。
 心電図が平らになってくると、全身への血液は殆ど流れなくなり、3分もすれば脳の細胞は働けなくなり、移植などで言われている脳死状態になります。
 更に、心電図が全く平らな直線になると、心停止、即ち心臓死となります。
 モニターをつけているときは、この時を臨終と見れば納得できる時になるでしょうと話した。
 臨終に間に合うか、否かは個人の心的イメージに残りそう。
 そして、ついその時にどう話そうかと考えさせられてしまった。
 良く言われてるように「ご臨終です」と言おうかとも思ったのですが、「これが現在の医療の限界で、お役に立てず申し訳ありませんでした。」と言葉が出てしまい、頭を下げてしまった。臨終の言葉は無し。
 この方の御家族には前にも書いたように、心臓マッサージや人工呼吸などに付いては一切話さなかった。
 言われている“臨終マニュアル”にはきっとそぐわないね。でもこの患者さんについては、そんなこと言う気にもなれなかったし、文書ももちろんない。書く気もなかった。
 突然、遠方の親類が訴えることも?そんなこと考えてもいない。
 ちょっと危ない?

 今日も日中は暑かったようだ。一日中、コンクリートの箱の中では分からない。
 受診された患者さんが教えてくれる。
 そう、6月28日に研修医が入れてくれた気胸の方の脱気用の管が、約一月半の経過で抜くことが出来た。じっと辛抱の一月半、その研修医はもう別の科に言ってしまったので報告。これで研修医も安心しただろう。
(若い方の気胸で順調なら、一週間位で管は抜ける。)

※ 勤務先も夏休みの方が増え、今日あった会議は出席者は半分しかいなかった。
(これでも会議は成立?そんな程度の会議だったのでしょうね。)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする