昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(39)サッカー・アジア杯、薄氷の勝利

2011-01-22 06:47:38 | エッセイ
 明日、月に1回開かれる恒例の大学同窓会麻雀大会の新年会が開かれる。
 発足して13年目、第157回、参加者はこれまでの最多タイ、14組56名を数えるまでに成長した。
 ぼくは幹事として賞品を用意する係りだ。昨日賞品に当てるJCBカードが届いた。
 これを封筒に仕分けする作業がけっこうたいへんなのだ。

 優勝、準優勝、第3位・・・等々の順位賞、水平賞、当日賞、役満賞、区間賞(4回戦戦うが、それぞれの会で1番勝った人と負けた人に与えられる)、参加100回記念とか150回記念賞、傘寿祝(80歳を超えた方、90歳を超えて白寿祝を受けた方が2人いらっしゃる)など特別賞も潤沢に用意している。

 毎月30袋ほど用意しているが、今月は昨年の一年の年間表彰がある。年間順位賞、特別賞のほかに皆勤賞、精勤賞、慰労金など60袋にも及ぶ。
 合計90袋の仕分けをしなければならない。
 袋に仕分けしながら、ぼくはサッカーのテレビ放映の時間を気にしていた。

 ザック・ジャパンはアジア杯予選を苦戦しながらも勝ちあがり、今日は決勝トーナメントの第1戦を開催国の地元カタールと戦う。
 

 W杯開催も予定されているので、たいへんな盛り上がりを示している相手だからアウエーの苦戦は否めない。おまけに国籍を代えてまで参加している強豪選手がかなり含まれているという。
 たいへんな試合になりそうだ、朝からテレビの放映時間を気にしていたほどだから、袋詰め作業はいらいらしながらやっていた。
 やっと完了したが、エッ! 1枚余っている。どれか入れ間違っているんだ!
 気づいたら放映時間が過ぎているではないか!
 あわててテレビをつける。

 サムライ・ブルーが小さく見えるほど相手の白がでかく見える。
 どんどん押し込まれている。やばい! サムライ・ブルーがまだシュートを1本も打っていないのに、相手は6本も打っているという。
 早々に相手の注目選手が球をうばうと、ゴールに向かった。バックの吉田の股間をすり抜けたボールが復帰したゴールキーパー川島の手を弾いてネットを揺らした。

「相手は球際に強いですね。もっとボールを落ち着かせて散らさないと・・・」解説がうるさい。
 先制点を奪われて、今日は負けるのではと思って我に返った。
 ともかく袋詰めの再点検を行わなければ。・・・
 1袋づつ開けて点検しながらゲームを見続けた。
 
 そのうち相手ゴール前に攻め込んだ今回活躍著しい岡崎が相手キーパーの頭をふわりと越す巧みなパスに走りこんだ香川が合わせて押し込んだ。
 期待されながら予選で得点できなかった香川のゴールだ! 
 希望が見えてきた。
 
 しかし、終盤、バックの吉田がレッドカードで退場、しかも相手にゴールを決められ、こんどこそダメだと観念した。ドーハの悲劇が頭を過ぎった。

 ところがザック・ジャパンは違った。相手に勝ち越されながらも、また香川の2点目で追いついた。
 10人の劣勢になりながらも、岡崎や香川が恐れず怒涛のように相手のゴールに襲いかかり、DFで投入された伊野波がこぼれ球を押し込んだ。
 やった、今時の若者を見直したぞ!

 気づけば12時を越えていた。まだ袋詰めは終わっていない。
 明日だ、明日だ。
 久しぶりの興奮でしばらく寝つけなかった。