昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

昭和のマロの考察(112)文明(2)

2011-01-03 06:06:20 | 昭和のマロの考察
今日の便利は明日の不便
 建築家清家清氏の有名な言葉だから「便利な家がよい家とは限らない」ということかもしれないが、便利が必ずしもいいとはいえない。

 現役ばりばりの娘婿が言っていた。
「出張の楽しみなんてもうないですね。仙台だって日帰りだし、今や青森だって・・・」
 ぼくの現役の頃は大阪だって一泊して夜の大阪を楽しんだものだなあ・・・。
 哲学者の木田元氏じゃないが
これ以上豊かにも便利にもならなくていい。その想いを思想化することだ。
 って言いたくなる。

 今やグローバリゼーションとかで、D.H.ロレンス氏じゃないが、世界中が白人トリックに巻き込まれ、のんびりマイペースで生活するなどとのんきなことを言ってられなくなってきた。
 いみじくも、西欧に代わって日本に学ぼうと<ルックイースト>を提唱したマレーシャの元首相マハティール氏が、新世紀を迎えるにあたって、リーマンショックを引き起こすことになる<絶対資本主義>に対して警告を発していたことを思い出す。

新世紀を迎えるにあたって注意せねばならないことは、グローバリズムの中でモラルなき巨大資本が国境を越え、政府を無視し、貧しい民を無視して、ただ利益ばかりを追求していることです。
 アジアの富の蓄積を為替投機家が一晩で崩壊させ、民衆を失職させ、暴動を巻き起こす。冷戦後の現在は<絶対資本主義>ともいうべき無慈悲な怪物が歩き出している。 
 資本は巨大であればあるほど利潤効率がいい。アジアの発展途上国がいかに固有の文化、価値を保持しながら、この手ごわい相手と向き合うかが、今後の課題です。 
 (朝日新聞2000.11.14から)


 わが身だけの小さな世界で幸せになどと思っていても、知らず知らずのうちに我々は得体の知れない大きな渦に巻き込まれているのだ。

 定刻どおり<のぞみ>はスタートした。

 ─続く─