昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(37)新年おめでとうございます

2011-01-01 04:55:19 | エッセイ
 明けましておめでとうございます。
 手にしたもののなかりせば、身近な散歩風景こそ宝なり。
  <国際基督教大学>  <野川公園>
  <深大寺>  <東京天文台>

  平成23年元旦

 年末、久しぶりに従兄弟から誘われて吉祥寺で会った。
 すごい人出だ。新装成った駅ビルのアトレなど、幸せに満ちたカップルや家族連れなどで身動きもとれない。
 
  <吉祥寺、サンロード>

 そう言えば、新聞には「アメ横活況!」とあった。

 不景気、閉塞感なんてどこに行ったのだろう。

 何よりも驚いたのは<週刊朝日>の広告欄だ。
 「勝てる国、日本」
 <日本経済、実はこんなに強い>
 <海外セレブも絶賛する「よい暮らし」>
 <ジャパンデザインが世界を席捲>
 <やっぱり強い工業技術大国>
 前向きの項目がこれでもか、と並んでいる。
 「これがあの朝日か?」ぼくは目を疑った。
 
 4年ほど前、ぼくは朝日新聞のモニターをやっていて、その集まりの席でたまたま編集長にお会いした。
「朝日は人気ないんですよね。いつまでも自虐的で、後ろ向き、国益に軸足を乗せていない」と言ってやった。
 代わったばかりの編集長は「そうですね・・・」と言っていた。

 去年の尖閣事件以来、朝日新聞の論調にも少し変化が見られる。
 対中批判も堂々とするようになったし・・・
 
 いずれにしても<前向き>はいいね。
 あの、小惑星探査機<はやぶさ>生還の健気さ、ジーンときたね。

 日本を囲む海洋は暖流と寒流がぶつかるところで、海洋生物の種類の多いことでは世界一の海だそうだ。
 海洋資源大国だそうで、行く行くはエネルギー資源なども期待できるという。

 出版界では池上彰の<学べるニュース、そうだったのか>が飛ぶように売れているっていうし。

 <くじけないで>という99歳の柴田トヨさんの詩集が大ヒットしているそうだ。
 
 
     生きる力           自分に

    九十を越えた今        ぽたぽたと
    一日一日が          蛇口から落ちる涙は
    とてもいとおしい       止まらない
             
    頬をなでる風         どんなに辛く
    友からの電話         悲しいことがあっても
    訪れてくれる人たち      いつまで
                    くよくよしていては  
    それぞれが          だめ
    私に       
    生きる力を          思いきり
    与えてくれる         蛇口をひねって
                    一気に涙を
                    流してしまうの
        
                    さあ 新しいカップで
                    コーヒーのみましょう
  
                   
 最後に私事ですが、1999年、うちの庭に落ちてきた雀<チュン太>が今年で12年目を元気で迎えます。
 

 あんな小さな頭でも人を見分けるんです。
 母と慕うわが家内。ぼくは掃除係の召使。たまに来る息子は遊び相手。

 今年も<前向き>で行きましょう。