ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

すべり込みセーフの全国大会出場だぁ!

2007-12-24 01:26:30 | 演劇

 高校演劇東北大会(12月22,23日、宮城県名取市)、終わった!負けた!だけど、全国大会出場が決まった!なんのこっちゃ?

 いやぁ、僕も名取に行くまで知らなかったんだけと、今年に限り、なんと、東北から全国に2校出場できることになっていたんだ!去年でもない、来年でもない、2007年限定の特別サービスだ。そして、その2校目に置農の『どんがら山奇譚』がすべり込んだんだ。なんとういう、幸運、なんとういう強運!なんとういう悪運?例年通りなら、2位だろうが4位だろうが同じ、優秀賞でご苦労さんってことだっだんだ。それが今年に限り、2位まで全国だったなんて、とても、信じられない巡り合わせだね。今年で定年、置農演劇部顧問となって9年、最後の大会で東北大会に初出場、そして、偶然余分の全国切符をもらっちまうなんて、これほどの大当たりはないね。交通事故とか気をつけなくちゃ!

 詳しくは、また、報告するけれど、今回の大会、まずは妥当な審査結果だったと思う。自分で言うのもなんだけど、青森中央と置農が抜けていたと思った。まったく両極端の2校で、どちらも高いレベルの舞台だった。緊張感を取るなら青森中央、癒し系なら置農、ってところだったかな。舞台の作りも、ほんと、正反対。青森中央が出演者分の椅子だけの道具で装置一切無しの作りだったのに対して、置農は凝りに凝った装置と衣装、手間暇掛けまくった仕掛けだった。

 で、結局青森中央が最優秀になったわけだけど、その結果に僕としてはまったく異論がない。素晴らしい脚本だったし、見事な演出だったし、鍛え上げられた役者たちだった。さすがは畑澤聖悟さんだ。畑澤さんは今年から弘前の方に転勤になったそうだけど、次々に破裂する爆笑と時代に突き刺さる緊迫感、この舞台は、まぎれもなく彼の作品だった。

 置農の舞台も素晴らしい出来だった。歌がはるかに上達していたし、前日に仕込んだギャグも成功した。テンポも良くて、観客をほんわかしんみりの世界に誘ったことと思う。

 その他の結果は、優秀賞に、宮城広瀬高校と山形東高。これまた、実に妥当な選考だった。こんな風にだれもが?納得いくような審査をしてくれると、大会も楽しく気持ちいいんだけどね。

 ということで、来年8月群馬県桐生市でおこなわれる全国高文祭演劇部門、全国高等学校演劇発表会に置賜農業高校演劇部出場します!!

 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

笑いをコントロールするって、難しい!

2007-12-17 23:19:53 | 演劇

 菜の花座公演『遭難、』の総括第2弾だ。

 まず、演技について。今回は、あえて役者の持ち味と反対の役を当ててキャスティングした。失敗すれは悲惨な結果になるけど、たまにはそんな冒険も必要だよ。でないと、役者育たないから。その標的の中心が、これまでコミカルな脇役専門だったさおりだ。練習でも日常でもどこかずっこけていて、なんかおかしく、常に笑いを振りまいているさおり、彼女をシリアスな演技のできる役者にしたいと思ったんだ。

 そこで、主役の里見。この役は前半の滅茶苦茶ナンセンスな言動から、後半一気の鋭くリアルな役柄へと、とても難しい役所なんだ。これをさおりに振った。それも、コミカルな部分について、従来のさおり節は厳禁にしてね。調子外れの声もだめ、お笑い芸人的な早口のセリフ回しもカット。声も低くして、興奮しても裏返るなと、とことん注文をつけた。だから、ダメ出しにつぐダメ出し、できませんよ~どうすればいいんですか~の泣きが入る毎日だった。いやいや、ほんと、泣いてた!

 でもね、僕が見込んだだけのことはあった。最後の一週間の追い込みでしっかり里見を自分のものにすることができた。もっとも、そのお陰で、コンビニのアルバイトはほとんど休業状態。収入激減の日々を送ったってことだけどね。いいんだよ、そのくらいの気持ちでなくちゃ!

 他の役者たちについても、不慣れな役柄に戸惑い、嫌がり、逃げ隠れしながら、最後はそれぞれ自分の手の内に収めていた。だから、今回の公演は、若手役者の演技修行としては、最高の舞台だったと思う。

 次に笑いの話しだ。これは、演出の僕が反省しなくちゃならない。参ったよ!笑いはたしかにおこった。お客さんはかなりの場面で笑ってくれた。その笑いで、後半の重たいシーンもなんとか突き抜けることができたほどだ。でもなあ、違ったんだよ、僕が予定していた場面とは!あーあ、なんちゅうことだ。

 僕が面白いと思っていたところは、里見の突拍子もないナンセンスな行動とセリフだったんだけど、ここはまるで反応が無かった。逆に笑いを誘ったのは、不倫主婦の仁科だったんだ。まあ、お互いに身体をたたき合いながら不倫相手と抱き合うシーンと言い、バーミアン行こうを連発しながらの激しい抱擁と言い、たしかに喜劇的で、当然笑いはおこると思っていたけど、ちょっとはしっとりとした情感を込めて演出したつもりだったんだ。ところが、笑いはかなり明るく乾いていた。だから、仁科が不倫で、人柄が変わってお洒落になって出てきた時、舞台に登場しただけで笑いがおきてしまった。これってまったく想定外だった。この笑いは、ちょっと、ショックだった。なんか嘲笑われたような不思議な気持ちになってしまった。あと、里見がカッターを出してリストカットで脅すシーンも笑われてしまった。あーあ!

 まっ、失敗ばかりじゃなくて、生真面目な江國が、自己犠牲に恍惚としていくシーンなどは予定通りに笑いをとれた。ってことで、お笑い星取り表は八勝七敗でかろうじて勝ち越しってところだったろうか。いつになったら、観客の笑いを手玉に取ることができるようになるのか。笑いをコントロールするって、ほんと!難しい!!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まずは成功!菜の花座小劇場

2007-12-16 23:29:01 | インポート

 まさか、まさかね、こんなに人が入るなんて!菜の花座の日頃の集客力ほぼ150名。でもそれは、劇団上げての公演の話しだ。今回のように若手中心、しかもキャストは5人だけとなると、まあ、集まっても知れてるよな。それに、出し物が本谷有希子の『遭難、』だもの、客層はさらにぐっと狭まると思うから、まあ、よくて、90、下手すると60くらいなんて寂しいことになるんじゃないかと思っていた。

 だから、最初に設えた椅子は90席だった。開場直前に思い立って、まあ、あるだけ椅子並べておこう、ってことで、110席を準備した。ところが、いざ開けて見ると、なんと、行列だよ!驚いた!用意した椅子は見る見る埋まって、とうとう満席!それでも客席後ろには何人も詰めかけている。ロビーから大慌ててで椅子を運んでみたが、それでも駄目!仕方ないので、置農演劇部員全員を立たせて、どうやらこうやら収まった。都合140名の入場!予想をはるかに上回る観客動員数だった。

 この予想外の大入りの理由だ。まずは、菜の花座のファンが確実に広がっているってこと。次に、置農演劇部の東北大会出場も追い風だったかな。それと、新聞!山形新聞で事前に取り上げてくれたってことも大きかったと思う。どちらにしても、菜の花座を中心にして、この土地にアマチュア演劇を見ようって意識が根付き始めているってことは間違いないことだと思う。

 さて、舞台の方は、昨夜のゲネでの強烈な駄目だしが効いてか、本番は見違えるような緊迫感と笑いの充溢した舞台になった。一言の駄目だしをしっかりと理解して、たった一晩でそれを役づりに生かせた役者たちの力には、感心した。さすがだ。それと、今回はあえて自分の持ち味とは異なる役を振り当てて、演技の幅を広げることを試みたのだが、これもまずまず成功だった。役者たちはかなり苦しんだけどね、それぞれ新しい境地を開拓できたように思う。

 装置も僕が一度も現場に顔を出さずに製作を終えてくれた。感謝とともに、団員たちの成長を感じた。こうやって少しずつ、一人一人が力を身につけていくんだと思う。今度は、宣伝やチケット販売などの制作面も若手が率先して取り組んでもらえるようになって欲しいね。

 さて、まずは成功、のまずはの意味だ。独創的な舞台内小劇場の試み。狭い空間にぎっちりの観客の中で演じるって目標は達成できた。けど、客席の段差が小さすぎて、舞台が見づらくなってしまったことだった。舞台を1尺の高さに上げて設定したのだけれど、それでもまだ、不十分だったようだ。あるいは客席の段差を大きくするか。いずれにしろ、立った演技しか見えなかったお客様には大変失礼なことをしたと思う。次回は、っていつのことだ?まあ、いつかやるから、その時は、今回の経験を生かして、演じる側も見る側も満足できる劇場を作りたいと思う。だから、今回の不具合に腹を立てずに、

 次回菜の花座小劇場をよろしく。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小ホールできれば、もう、4割方成功だ!

2007-12-15 23:58:49 | 演劇

 菜の花座第18回公演『遭難、』の、今日は仕込みだった。

 舞台上にステージと客席を作るって試み、上手くいったんだよ!!!

 心配だったんだ、実は!頭の中では、きっちり設計図はできていたけど、それが実際組み立ててみて、構想通りに行くかっていうと、なかなか、そうは問屋が卸さない。うわっ!古い表現!!だってね、かなりいろんな仕組み試しているからね。机上のプランが果たして、実際に想定のように実現できるのか?疑問!!

 まず第一の難問は、中割幕と大黒幕の間、三間半が与えられたスペースだってこと。その狭~い空間に舞台をしつらえ、客席を作らなくちゃいけないんだ。もう、パズルだね、ほんと!だから、図面は定規をきっちり使いながら、㎜単位で仕上げた。でも、僕が書いた図面だからね、当然、手落ちはあるんだよ。それと、図と実際との違いもあるしね。

 仕込みは置農演劇部を総動員しておこなった。いやいや、当初の計画は、置農演劇部を使って1時間で基本仕込み終え、彼らには東北大会に向けて稽古してもらうつもりだったんだ。いや、本当の話。でも、いざ仕込みにかかってみたら、時間のかかること、かかること!仕込みが完了したのは、結局、置農生の稽古予定時間12時を回ったところだった。ごくろうさん!置農演劇部!!でも、君たちの先輩の舞台だものな。君たちが先々世話になる菜の花座の手伝いだものな。不平不満なんて、ないよな!!

 で、置農生が作っくれた舞台と客席だったけど、この仕上がりが、う~ん!実に、良い!!客席数は当初予定の120を下回って90席になってしまったけれど、実に小劇場風の演劇空間が仕上がったんだ。ここに満員のお客さんが入って、ぎゅーっと、凝縮した劇空間が、作られる。う~ん!楽しみだぁー!!この舞台を味わってもらうだけだって、価値は十分にあると思うね。だから、ぜひぜひ、来てください。この狭く凝縮した空間で濃密な芝居を味わっていただきたい。

 さて、芝居の方は、良いところまで来た。まだ、大切な部分、つまり、笑いが作れていないけど、後半部分の緊迫感は十二分に仕上がった。稽古終了後、ぎりっとダメだししたから、明日のゲネ、本番は、課題をしっかりクリアーして、正しき本谷有希子の芝居をお見せすることができるに違いない。

 でも、まあ、この小劇場の工夫を見るだけだって、価値はあるから、ぜひぜひ、絶対、ご来場下さい!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

演技のターニングポイント

2007-12-12 23:43:02 | 演劇

 本谷有希子『遭難、』苦闘中。

 悪戦苦闘の一番は、役者たちが若過ぎるってこと。この本の登場人物は、20代の半ばから30代後半ってところかな。なのに、菜の花座の役者はすべて20代、それも前半が主力だ。女性20代の10歳の隔たりってかなり大きいからね、どうしても無理がある。

 次に、知性の問題がある。登場人物5人のうち4人は教員だ。謂わば理知的職種の人たちだ。まあ、実際の教員の知性なんてものは、最近はとみに下落の一途をたどってはいるけれど、それでも、製造現場やコンビニで働く人たちとは、醸し出す雰囲気が違う。言い悪いの問題じゃないよ。もちろん、どちらが上ってことでもさらさらない。ともかく違うってこと。

 で、うちの団員は、主体は後者の種族なわけだから、当然、立ち居振る舞い、語彙口調が微妙に違うんだ。これが、ベテランの役者ならその壁を演技力で軽く越えて行くんだろうけど、うちの役者さんたちは、うーん!まだまだだからね、厳しいんだよ。だいたいそのびみょーな相違自体わかってないから。

 人間自分の声を聞いてびっくりすることでわかる通り、自分の身体や言葉を客観的に認識するってとっても大変なことなんだ。菜の花座の若手の場合、自分がどう見えているがわからないんだから、どうすれば教師に見えるかなんて、想像をはるかに超えた領域なんだ。これを演出が一つ一つ指摘し、ダメを出し、直していくわけだから、これはもう、大変な時間と労力のいる仕事なんだよ、本当に。

 どうしてわかんねえんだよ!どうすればいいのよ!やってみろよ、自分で!わかるように教えてよ!

 心の中じゃお互い毒づきながらの稽古が進む。動作については、歩き方、肩の丸め方、あごの突き出し方まで、徹底して直すからね。セリフ回しなんて、何度繰り返すことか。いつになったできるんだよ!いらいらのつのること、数ヶ月。ある瞬間から、ふっと、できるようになってるんだよね、不思議なことに。ほんと、徐々に直って行くんじゃないんだ。いつの間にか、変わってるんだ。稽古の力だ!練習の賜物だ!

 そして、今、菜の花座公演:本谷有希子『遭難、』も、この不思議なターニングポイントにようやくたどり着いたところだ。今週の日曜からは毎日稽古。その一日一日、一時間一時間で確実に、驚くほど変化していく。ぐんぐんと上手くなっていく。ずばーっと、劇の本筋に迫っていっている。ああ、このまま後、2週間稽古できたなら!でも、でも、非情!残された時間はわずかに三日!!せめて、その三日間を目一杯使い切って、ぎりぎり変わるところまで突き進むだけだ。

 14日、金曜日は、時間制限なしで稽古する!役者たちの決意が漲る。きっと、この舞台も生き生きとした舞台に仕上がるに違いない。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする