ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

芝居は観客が作る!

2007-12-08 00:04:27 | 演劇

 置賜農業高校演劇部東北大会出場記念公演、大成功で終了した。ご覧下さった皆さん、ありがとう。無理矢理実行委員に指名されたのに、精一杯頑張ってくれた置農の若い先生たち、感謝です。

 昼の部は置農生と川西一中生全員が見ることになっていたので、これは、超満員間違いなし。問題は夜の部だ。地域の方々、地区内の小中学校、同窓会、、協力企業、そして、演劇部保護者会など、考えられるところはとことん声を掛けてもらって、さて、どれだけ入るものなのか?天候も生憎の雪模様。ヤバイね、こりゃ!

 ところが、心配も杞憂、入るも入った600人、おっと、これ公式発表ね。僕の見積もりでは、500を少し上回ってところかな、それでも、よく入った。だって、高校生の演劇だよ、それも、東北大会出場記念だ。全国出場ってわけじゃない。本当に関わってくれた皆さんの力ですね。

 さて、昼、夜2回の公演を終えて、つくづくと感じたこと、それは、芝居は観客が作る、ってことだった。以前、演劇が成り立つために必要なのは、演ずる者、演ずる場、そして、それを見る観客だって話しを聞いたことがある。それを聞いた時の率直な気持ちは、前の二つはわかるけど、観客?うーん!?だった。だって、観客って見てるだけだろ?って気持ちだったかな。

 ところが、その観客の力をつくづくと思い知らされたのが、今回の公演だった。まずは、昼の部。中学生と高校生それと、若干の先生たち、これが観客。客席の反応は、ううーっ、思い出すのがつらい!笑い爆発のはずの、おすぎさんと涼との掛け合い、まったく反応なし!歌やダンスにも、しら~。そのくせ、千草と太一のラブシーンや、太一がアザミの肩を抱き寄せるシーンになったら、大喝采、さらには口笛まで飛び出すしまつ。おまけに、クラスメイトが出てくれば、話しに関係なくやんやの喜び、なんなんだ?この反応は??いくら、演劇鑑賞の経験が乏しいったって、高校生だろ?もう少し話しの内容に沿ったリアクションて出来ないの?あまりの幼さ、品のなさに唖然とする思いだった。

 昼の部が終わった後の、部員達の落ち込みようは、かなりのものだった。僕もショックだった。ある程度は予測していいたものの、ここまで非道いとは想定外だった。高校生、特に男子生徒の知性、感性の未熟は、ほとんどどん底まできているね。それを自分の学校の生徒に認めざるを得ないってのは、本当につらいことだった。一方で、ここまで優れた舞台を作れる生徒達や、真剣に見てくれた生徒達(特に女子生徒)がいるというのにね。

 しょげかえる部員達に、掛けた言葉、「夜の部が勝負、しっかり結果を出そう!」

 で、夜の部だ。これは、昼とはうってかわった反応の良さ!爆笑に次ぐ爆笑、そして、じーんとくるシーンでは、観客の舞台に食い入る視線が、客席後方からもはっきりと感じられた。役者達の演技も、実にはつらつとしていて、日頃出来なかった表現が、飛び出してきたり、歌声が見違えるように澄み渡ったり、ほんと、昼とはまるで別物の舞台となったのだった。実際、かかった時間がその良い証拠だ。昼の部所要時間58分、夜の部60分、なんと、2分も違いがあったんだ。

 終演後客だしの気持ちよかったこと!!不覚にも涙をあふれさせてしまったものね。

 そんなつらい経験、うれしい体験をもらった記念公演だった。でも、確実に言えること、それは、この貴重な機会をもらって、確実に『どんがら山奇譚』のレベルアップができた、ってことだ。それと、多くの人たちに置農演劇の力を見知ってもらえたってことだろう。公演を見ての感想、高校生とは思えない!高校生がここまでやるのか!!

 そう!高校生はここまでできるんですよ。

コメント (2)
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