書けました、大会用台本!全国大会終わってまだ2週間足らず、我ながら頑張ったね。以前から構想は少しずつ積み上げてはいたんだけど、この10日間は、ただひたすら台本書きだった。お盆?関係ないね。農作業?すべてほっぽらかし!遮二無二、がむしゃらに、書き上げた。
タイトルは『Let's Dance 1946』そのものずばり、1946年終戦の翌年、戦争に振り回されて心に深い傷を負った若者たちが、日系二世親子が教えるダンスを通して癒されていくというストーリー。相変わらず高校生ぽくない。特攻くずれとかパンパンなんかも出てくる刺激的な作品になったもの。
なんでこんなもの書くのか?一つには、たかだか60年前に、平成の今からは空想すらできないような厳しい現実を生きた人たちがいたってことと、スイングガールズで一躍評判になったスイングジャズってものが、なんと7,80年も前に出来たものだったってことを、今時の若者たちに知らせておきたいって思ったからだ。たかだかじいちゃんばあちゃんの青春時代だからね。って言うと、ずいぶん説教ぽいんだけど、平たく言えば、SingSingSingを舞台で踊らせたかったってこと。
結果的に短時間で書き上げられたけど、手強い壁はいくつかあった。その一つがエンディングの工夫だ。最後は、主人公2人が静かにダンスを踊るシーンでしめるってことは決めていた。ところが、その直前の場面はごっそと登場人物が舞台に溢れているシーンなんだ。はて、このじゃまな連中をどうやったら、外に出して二人だけの甘いエンディングに持って行けるか?悩んだねえ。二日二晩考え抜いた。飲み会の席でまで、ああだこうだと悩み抜いた。
で、突如!やってきましたよ、芝居の神様のご降臨だ。飲み会から帰る代行車の中でのことだったね。
ひらめきはこうだ。ガールフレンドと二人きりになりたい息子の気持ちを察した母親が、夜空に彗星か流星が流れる時間だと言い張ってみんなを戸外に連れ出すって寸法。で、早速、インターネットで調べてみた。1946年の秋に接近した彗星とか流星がないものか?
ありましたよ、ありました。『ジャコビニ流星群』。これがなんと1946年10月10日に大接近してたんだ。よっしゃ!これで書けた。母親のせりふ「おや、流星の降る時刻じゃないかい?みんな見にいかなくちゃ」でどやどやと邪魔者を追い出して、最後息子に「Have a good time!」ってウィンクするんだ。そして、二人きりになった恋人(まではいかないけど)は抱き合ってダンスを踊る。その頭上に無数の流星群がふりそそぐ、くー!いいじゃないか。
ただし、この話にはウソがある。。『ジャコビニ流星群』、実はアメリカ、ヨーロッパにしか接近してなかったんだ。でもまあ、そのくらいの脚色は許容範囲だよね。おっと、ついでにもう一つ。劇中で『東京ブギウギ』を歌うことにしたんだけど、これ本当は1947年の作品。ええい、これも許容範囲だあ!ってことで、ちょっと荒技もあるけれど、全体としてはなかなか良い作品に仕上がった。これでなんとか、県大会でも勝負できるかな?さあ、問題は、これを後1ヶ月で仕上げなくちゃならないってこと。でも、今の演劇部の実力なら、何とかなるだろう。何とかしねば。何とかするんだ!と言うことで、またまたノンストップ大会行きの出発だ。
この最高の台本を舞台から客席に届けられるようにがんばりたいと思います♪
よしよし、その殊勝な気持ち、褒めてつかわす。
でも、その後の(笑)が気になるなあ。
本気でいい台本って思ってんだろうね。
いい台本かどうかを決める最初の決め手は何か?
それは、劇団員が、いい台本だと感動することだ。
まずはこの台本で行くしかない。
とすれば、いい台本だって信じるしかないよ。
信じる者は救われる、かな?
ついでに、決めての最後は何か?
言うまでもない。
審査員!
違う、違う。お客さんですよ。