ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

2日がかりで稲刈り終わった!ただし、1枚だけだけど。

2019-09-19 14:07:02 | 農業

 願いは通じた!降るか?降るか?って不安苛まれなつつの作業だったが、とうとう最後まで雨粒は落ちてこなかった。ありがとうお天道様!

 天気さえ持ちゃ、すんなり進んだろう、なんて思うのは、甘い、甘い!始めてみなきゃわからん不確定要素ってものがあるんだ。まず一つは田んぼの具合。水と雑草の問題だな。幸い、早めに水を上げたので、水溜まりもぬかるみもまったくなし。よし!

 次は雑草、どうだ?機械を妨げるほど生えているかどうか?畔から見る限り、今年は大丈夫な気がしてるんだが、真ん中の様子はわからない。特に、背の低いコナギ、これがびっしり生えると、バインダーの進行は途端に悪くなる。刈り取る2枚刃の、勘弁してくれよ、俺たちの仕事はイネ刈ることだぜ!雑草刈らせるなんて不当労働行為だぜ!って悲鳴が聞こえて来る。

 が、雑草問題はまったく支障にならなかった。畔近くとか、欠株の周囲日の当たる部分でホタルイがでかい顔してたくらいで、コナギはしょぼく地面を這い、ずっと悩まされ続けて来たオモダカなんて、どうしちゃったの?ってくらい目につかない。

 と、なるともう一つの不確定要素だ。って言うより毎年起こる御馴染み事故、機械のトラブル!これさえなけりゃ・・・・、って絶対あるんだよ、おんぼろ中古だから。あっ、ごめん、頑張ってくれてるよ、まだまだお願いね。

 今年の不調は、イネの掻き上げ爪の動きだ。エンジンの動力がうまく伝わらないようで、ちょっと難物にぶち当たると、あっ、ダメ!おいらの力じゃ無理!って止まっちまうだ。1株の本数が多かったり、草が生えてたりするとすぐに弱音を吐く。それに気づかず進んで行くと、イネ株は刈り残しのまま下敷きになって地面にべばりつく。以前の元気なころなら、そんな寝ころんでる株だって下からすくい起こして刈ってくれてたのにぃぃぃぃ!もう、甲斐性なしっ!

 何度か𠮟咤激励もし、カバーを外して原因究明に乗り出したりしたが、回転ギアの周囲の泥とかゴミを削り落すくらいしかできなかった。それでも、止ることは少なくなったが、非力は変わらない。と、言うことなら、意気地なしにはそれ相応の扱い方をするしかない。2条刈りだが、ここは敢えて1条分だけ刈るように騙し甘やかして行くしかない。ここのロスが大きかった。大幅に予定時間オーバー。昼休みなし、3時になってようやく刈り終えた。よく頑張ったぜ、俺、それと老いぼれバインダー。おっと、老いぼれは、ご同様だった。

 昼飯、おやつ兼用で菓子パン2個を無理やり飲み下して、作業開始。まず、穴あけドリルで、5尺間隔で杭を立てる穴を開ける。今年は出来がよいから、40か所くらいか?うーん、機械も重い!エンジンの回転に振り回されねえよう、足を踏ん張り必死でドリルのバーを握りしめる。勝手に爆走するバイクにしがみ付いてる感じね。

 どうにかこの苦行もくぐり抜けたら、次は、田んぼ中に吐き出され横たわっているイネ束を、4束単位で寄せ集めて行く。これが辛い!終始腰を屈めて拾っては集めつつ、田んぼ中を徘徊する。できれば、ここまで1時間半で済ませ、杭穴のそばに48束ずつ集めて終わりにしたいと思ったが、まるでダメ。そこら中に藁束山が広がった状態で、ギブアップ!いいの、いいの、今夜はどんどん天気良くなって、明日、明後日は晴れって予報だから。夜露で濡れても、なっ、イネ束、我慢するよな。

 翌日、つまり、今日だ。ブログ書きなんてそっちのけ、朝飯食ったら即、作業だぜ。田んぼ中に散らばった山をイネ杭穴の両側に、杭1本につき、24本、計48束を運んで積み上げる。昨日、4束単位にしてあるから、その二山を一気に担ぎ上げて運ぶ。こ、こ、腰がぁぁぁぁ!け、け、けつの大臀筋がぁぁぁぁ!無理すんなぁ、って、警告を発してくるが、なにくそ!辛いのは最初だけって決まってるんだぜ、マラソンと同じこと。やせ我慢して担ぎ運ぶこと1時間半。やっと終わったが、そこら中に結束できなかったイネ束や刈り残しが残ってる。こいつを集めて丸ってぇぇぇ、と、なると、そこで午前は終了か?と、諦めかけたところに強力助っ人登場!我が家で借りてる田の一枚をさらに孫請けしているIさんが駆けつけてくれた。

 Iさんに刈り残しイネの結束って辛気臭い仕事は押っ付けて、こっちは穴に杭を打ち込む作業に専念できた。おお、40本用意した杭じゃ足りない!ほれ、水口の後日刈り取りイネの分と端の8列マンゲツモチのものも立てちまったからね。慌てて、在庫総ざらい、その田んぼ用に仕舞ってある47本すべて使って、いっぱいいっぱいだった。

 集めたイネ束の杭掛け作業。体は辛かぁないが、だらだらと続くひたすら根気の仕事だ。一人でやって2時間か?っと観念していたが、手は二つ、いや4本!とんどん捗って、ええいっ、昼飯、遅らせたってやっちまうぞ!計画変更通り、1時ぴったりにすべて掛け終えた。水口残しで38本!しかも未熟イネほどんどなし!今年は、ええーぞぉ!

 イネって本当に不思議だ。刈ってる時には、不健康な老け肌にしか見えなかったものが、こうやって、杭に掛けると明るく艶やかに輝きだすんだ。これ、杭掛けやっと終わった満足感から来る贔屓目じゃない。確かに、色づきが変わる。葉っぱに残っていた養分が、これが最後とばかりに米粒に送られるんじゃないたろうか。そう、自分たちイネ族の未来を粒一つ一つに託すんだ。明るい輝きは、未来は引き受けた!って確信に満ちた返事なのかもしれんな。

 そのイネの未来をもらって、わが人間どもが、明日の一日を生き延びさせてもらうってことなんだぜ。

 2日かかりのイネ刈りも無事終了。歩いた歩数は18000歩。体脂肪率は6.5まで減量。伴う被害は腰痛と臀部痛。しばしの休養を取って、続きはまたらいしゅうじゃぁぁぁぁ!

コメント
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