たけちゃん活動・生活日誌

県議としての活動に追われてきましたが、引退後の生活の様子や、感じていることを発信しています・・・。

自治基本条例等の調査

2008年01月30日 | Weblog

神奈川県と千葉県を視察。

 

 1月29日と30日は、神奈川と千葉県を視察しました。

 調査の内容は、神奈川県の「自治基本条例の制定状況」についてと、千葉県の「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」についてです。

 この二つの課題については、先進県である二県にいつかうかがい、お話しをお聞きしたいと思っていましたが、ようやく実現することが出来ました。

 今回は、神奈川県の調査についてお伝えします。

 

 神奈川県の自治基本条例制定への取り組み状況

 

 神奈川県では、企画部の川崎広域行政課長さんから説明を受けました。

 自治基本条例は、一般的には「自治体運営の基本理念、基本原則等を定めた基本ルール」のことですが、全国的には約90の市町村が制定しています。しかし、広域自治体である都道府県においては、まだ制定されていません。

 

 そんな中で、神奈川県はこの条例制定に向けた先進県であり、平成14年から研究が進められ、平成16年には「地域主権実現のための中期方針」に条例の研究が明記され、平成18年には「県自治基本条例検討懇話会」から知事へ報告書が提出され、これらの経過を踏まえ、県民との意見交換を行いながら平成19年10月「自治基本条例(仮称)」素案が作成され10月~11月にパブリックコメントを終えたばかりです。

 

 条例素案の説明のうち主なポイントは、?県民が主人公であることを明示し、県を運営できるようにするために必要なルールを定める。?県民にとって最も身近な市町村の自治を優先することを基本とし、県と市町村との関係の基本ルールを定める。?県民投票、県と市町村の協議機関を定める。というものです。

 また、条例素案の骨格は「前文」、「目的及び基本理念」、「県民の権利及び義務」、「県政運営の基本原則」、「議会」、「知事・職員」、「基本原則に基づく制度・手続」、「条例尊重義務」からなっています。

 

 この内、私が本県の今後を考えた上で注目したのは、「基本原則に基づく制度・手続」の中で、基本的事項を定めるとして12の項目が掲げられていますが、その中に、「総合計画」として「県民が長期的な県政運営を展望できるよう、政策の基本的方向を総合的に示す計画を策定」、「政策評価」として「県民が、効率的で質の高い行政サービスを受けられるよう、適切に政策の評価を行い、公表する」、「国への提案」として「県民が、県を通じて国に意志表明ができるよう、国に対して政策及び制度の改善等に関する提案を積極的に行わなければならない。」という点です。

 

 中期総合計画の策定や政策評価は、この間私が本県で取り組んで来た課題であり、県民が将来に安心感が持てる様に、この取り組みを条例でルール化することは大切だと思いますし、国に対して政策や制度上の改善策について、県が県民生活を守るために、どんどん発信しなければ政治は変わらないと思うからです。

 

 条例制定に向けた今後の日程について質問したところ、県議会でも議会改革検討会のテーマとして「議会基本条例」制定への検討(議長選挙のマニフェストにより)が掲げられたことから、「その関連もあることから様子を見ながら進めたい」ということで、具体的な制定時期については、現在は不明という感じでした。

 

 長野県議会では12月議会で、議長の諮問機関として「議会基本条例研究会」が正式に発足しましたが、私もその一員として今後、今回調査した神奈川県の「自治基本条例」の策定状況や全国の市町村で既に制定されている条例の内容も精査し、県民の皆さんに歓迎される議会改革を行うともに、現在は条例制定に消極的である村井知事に対しても、その延長線上に「自治基本条例」制定の必要性があることを示したいと思います。