さて、今日は、EXILEの歴史と考察を、語ってみたいと思います。
ツイッターではちょこっと言った気がしますが、こないだ偶然チケットが手に入って、EXILE TRIBEのライブ「HiGH&LOW THE LIVE」に行って来て、それ以来EXILEの歴史と考察について書きたくて、けっこう時間が経っちゃいました。
EXILEのライブは第一章のSHUN(清木場俊介)がいた時代しか行ってなくて、あの頃のメンバーがもうATSUSHIしかいないなかで、どんなもんなん?、って気持ちで最新のライブに行ったんですが、色々考察できて楽しかったです。
音楽好きって言うと、じゃあどんなの聴くの?とよく言われる。これ、けっこう困る質問で、色々聴くからなぁと思うんですが、一番は?と言われたら、俺はEXILEと答えています。え?あんな人数がいる人たちが好きなの?と言われると、あんまりそうじゃなくって、どうしても、EXILEって、俺のイメージ、ファーストアルバムの「our style」なのよね。なので、一昔前のダンス4人+ツインボーカル、みたいなのが好きです。って言うと、じゃぁ、三代目は?って訊かれるんだけど、うーん、彼らは代表曲しか知らない、っという。。
じゃあ、EXILEのどこが好きなの?って感じなんですが、考えてみると、俺はEXILEの「負け犬仲良し不良、でも実は礼儀正しい」感が好き。そもそもEXILEって、「国外追放、放浪者」って意味ですから。
もともと、ASAYANってオーディション番組のCHEMISTRY選抜落ちで結成されているのが、ボーカルのATSUSHIとSHUN。ATSUSHIは候補者5人にまで入りながら最後の4人に入れず脱落。SHUNは審査員と喧嘩して辞退。当時のSMEの審査員には、のちにEXILEに「Lover's again」「Ti amo」などの作詞を提供する松尾潔氏も参加しており、彼らの歌のルーツはこのオーディションにあります。
CHEMISTRYの成功を目の前に躍起になって歌っているツインボーカルと、当時ダンサーって職が今よりももっともっと不健全なイメージがあった3人のストリートダンサーを、ZOO時代の栄華を取り戻そうと躍起になって踊っているHIROが率いる、荒くれ者のグループ、、それがEXILEでした。ここに、当時の、第一章の良さがあったのだと思います。
他に第一章までのEXILEを具現的に表すなら、「対等と対称性」。これに尽きます。
ATSUSHIもSHUNも歌う量は全く同じ、見せ場やフェイクも含めてだいたい同じくらい。パフォーマーもめちゃくちゃ対等。見せ場もそれぞれの個性を出しながら、1つにまとめていく感じ。この仲良し要素に加えて、ATSUSHIがテクニカル、SHUNがエモーショナルな歌い方をして、それぞれの良いところを参考にしあっている感じが、とても新しさを感じた。
が、2006年3月、SHUNが脱退。ここにAKIRA(パフォーマー)とTAKAHIRO(ボーカル)が新たに入り、EXILEは7人組で再結成したのです。
ここから徐々に、負け犬っぽさが消え始め、対等でもなくなっていきます(TAKAHIROが後から入ってるから当然っちゃ当然)。対等さの象徴であったハモリも、ライブではほとんど聴けなくなってしまいました。これは、当初TAKAHIROにハモリまで生で入れることを任せるのが不安だったのが、そのままになってしまったのが原因だと思います。
ちなみに、一応今のファンの方に言っておくと、俺は現EXILEで一番好きなのはTAKAHIROです。いや、別にSHUNを含めても、TAKAHIROが一番かもしれない。彼の歌声は素質に恵まれており、それだけでもかなりのもんですが、EXILEの知名度がある程度知れ渡っている後に加入したので世間の重圧は半端無かったと思います。そこに絶えられる精神性が、歌に(なかなか反映されるシーンは少ないですが)反映されるとき、絶大な力があります。普段音を取れていなかったりしがちですが、そこを差っ引いても、力を出しきっている時のTAKAHIROのスゴさは並じゃないです。
2009年4月に、EXILEは7人からいっきに14人に増えます。ここで、EXILEのメンバー内のヒエラルキーは確実なものとなります。それまでもソロ活動などでは、対等ではなくなってきていましたが、少なくとも第一章までのEXILEの対等さを応用するなら、SHOKICHIとNESMITHにも同じくらいに歌わせてあげていたはずです。ここに、ファンの需要を考慮していく、というある種の「対応」に追われるEXILEに徐々にシフトしていきます。
人数が増えていったり、世間の需要に合わせていくのは、必ずしも悪い事ばかりではなく、たとえば14人になってからの曲で「もっと強く」という曲は、EXILEの1つの完成型だったと思います。これが発売された2010年、ニコニコで(違法?)アップロードされているところに「EXILEの本気」というタグがついていました。これは主にSHUNとATSUSHIの頃の曲にすべてついていたタグですが、はじめてTAKAHIROとATSUSHIの曲に「EXILEの本気」タグがつけられたのが「もっと強く」です。確かに曲としての完成度がものすごく高い曲です。
それに14人になったことで、ダンサーのなかで光る人の発掘がしやすくなりました。例えば、NAOTOや(後にパフォーマーオーディションで選ばれる)山本世界。この二人は特に、ダンサーとしての実力がずば抜けていると思います。直線的な動きも曲線的な動きも実に繊細で、表情に至るまで精緻に踊れるNAOTO。音ハメとリズムチェンジが驚異的に上手く、その動きを見ていると意識して聴こえていなかった音まで聴こえてくるほどのグッドリスナーダンサーである山本世界。この二人を見出せただけでも、EXILEをやたら量産系にして大勢にして良かったのかもしれないと思わせる。(ドームで、どんなに遠くても、彼ら二人は、そのダンスの上手さで識別できるほどです)
しかし!、である。最近のEXILEやその弟分たちは、あまりにダンスがメインになりすぎてしまって、あまりに体育会系色が強くなってしまった。
三代目J Soul Brothersの代表曲「R.Y.U.S.E.I.」は、ダンスありきの曲だ。盛り上がるし斬新だったし、EXILE第一章の「style」のラストサビへのダンス見せ場のように、「R.Y.U.S.E.I.」のラストサビへのダンス見せ場でも一人ひとりが個性を出しながらも全体としてまとまっていくのが体現されている、すばらしいPV。でも、俺はこの曲をダンスなしの、そのままで聴く気にはなれない。「style」は曲としての完成度もものすごく高く、kenn katoの深い作詞とFace2fAKEの斬新なメロによって成り立っていたが、この「R.Y.U.S.E.I.」に関しては曲だけで聴く時も、自然とダンスを思い出しながら聴いている自分に気がつく。まだEXILEの「I Wish For You」を聴いた時は、ここまではアリかな、っと思えたのだが、それ以降のEXILEの全体曲というかダンスありきの曲が、あまりに曲として成り立っていない曲が多すぎると言わざるを得ない。
今回のEXILE TRIBEのライブ「HiGH&LOW THE LIVE」に関しては、もっともっと曲よりも、パフォーマンスメインのエンターテイメントとなってしまったと思う。EXILEはこのまま音楽を捨ててしまうのだろうか?
最近のEXILE関連のグループの売り出し方、プロデュースの仕方として、音楽よりもパフィーマンス、いかに魅せるか?に重点が置かれてしまっているのだ。そもそもツインボーカルというのは、攻撃(的な技術)型と受動(的な感情)型が組み合わさると成功しやすい。例えば、川畑(CHEMISTRY)、SHUN、今市(三代目)、数原(GENERATIONS)は主に攻撃型。堂珍(CHEMISTRY)、TAKAHIRO、登坂(三代目)、片寄(GENERATIONS)は主に受動型だと思う(ATSUSHIはSHUNとの時は受動型、TAKAHIROとの時は攻撃型と意識的に変えていると思う)(これはどちらかといえば、という意味で、例外的な瞬間はいくらでもあるし、むしろその瞬間に感動したりすることが多い)。ACE OF SPADESでは、受動型が得意な天性タイプのTAKAHIROをバンドのボーカルにしている(この時点でバンドのサウンドに負けて声が通らないのは必然)。ここに雨宮兄弟として、ルックスだけで、同じ受動型が得意な天性タイプの登坂を起用するのは、音楽としてどうなの?と俺は思ってしまう。ACE OF SPADESにはGLAYのHISASHIもいる。同じGLAYのメンバーとコラボした「SCREAM」のときは、攻撃的で(純粋に)男っぽいSHUNをリードボーカルにして、地声の高音が上手いTERUと柔らかな声をいれられるATSUSHIを上手く使い分けていた。どうして、ああいう音楽性を重視した起用ができないのだろう?
それから、女子の使い方も、申し訳ないけど、下手だなぁと思う。女の子はパセリではない。もっとメインで使えよ、特にボーカルを、と思う。いつから、EXILEは華やかさを重視するようになったのか。だいたいE-girlsはAyaとAmiしか知らないが(世間的に言えば、これでも知ってるほーになると思う)、もう少しボーカルを大事にしてほしいなと思う。PKCZにはm-floのVERBALがいる。m-floが見出した天才シンガーソングライター、日之内エミのような人材を、EXILE TRIBEが見出せないのは哀しい。
そして、それ以上に、音楽というのは、技術以外の面があまりに強い表現法であることを、もっともっと考慮しながらプロデュースせなアカン。
上手に真面目にやろうとすればするほど、EXILEの良さである「負け犬」っぽさと、「不良」っぽさが、失われていってしまう。今市と登坂は、音楽として他人を震わせる技術としては、オーディションのときが一番良い気がする。特に今市にいたっては、本当に感動する歌を唄っていたのに、今は彼の一番良い部分が消えてしまった気がする。松尾潔氏のプロデュースに上手くのらなかったBREATHEも、変に枠に押し込められていない時期が、一番上手かった気がする。E-girlsのなかでも、確か、今は辞めてしまった、オーディションのときに歌がものすごく上手な子がいたはずである(ごめん、名前覚えてないけど)。
TRIBEになかなか出てこないDEEPや、E-girlsをやめた子、引退してしまった多田(BREATHE)などの、EXILEの波に上手く乗れない人材の方が、むしろ純正のEXILEっぽい。ちなみに、EXILEのヒエラルキーとして王道にのっていて、初代のEXILEっぽい実力があり、歌として完成されているという点では、GENERATIONSが最も有力である。さすがに、武者修行させられて、厳しい状態の中でライブばかりこなしているせいか、ボーカルもダンスも本当に実力が高いし、「なにくそ!」感も強い。「涙」もとても良かった。彼らは何かインパクトのある代表曲さえあれば、すぐに三代目を超えると思う。
なので、今後、期待できるのは、このEXILEの波からこぼれてしまった人たちから、新しい秩序が出来上がるときに、もっともっと、音楽としての新しい何かを魅せてくれそうな気がしてならない。
昔うたばんで「EXILE ENTERTAINMENT」というCDアルバムを引っさげてゲストで登場したとき、タカさんから「え?ボーカルとダンサーと、取り分同じなの?SHUNとATSUSHIは、それでいいの?」と言われてしまう程度しかなかったダンサーの地位。このダンサーの地位を一生懸命高めることで、音楽業界の覇を成したEXILE。
だが、だからといって、ダンサーを重要視しすぎることは、ダンサー自身のクビも絞める事になる。だって、曲として一本それ自身だけできちんと成り立っている、イイ曲がなくなってしまえば、自分たちが踊れる曲と舞台がなくなってしまうのだから。昔からのファンは、もっともっと、聴かせる曲を聞きたいし、それを全面に出したダンスを観たいぜ。
っというわけで、このように、集団としての「形成からぐらつきまで」を教えてくれるEXILE。彼らの15周年のアルバムがでるらしいです。
「EXTREME BEST」(2016.9.27)。どお?LDHの方、こんなに頑張って考察して、最後CMまでしたから、ちょっとは収益ください笑 (けっこう厳しく批判しまくったからダメ?でもガチで好きだからこそ、ですよ!笑)
EXILE / 9/27発売「EXTREME BEST」MV53曲全曲ダイジェスト
ツイッターではちょこっと言った気がしますが、こないだ偶然チケットが手に入って、EXILE TRIBEのライブ「HiGH&LOW THE LIVE」に行って来て、それ以来EXILEの歴史と考察について書きたくて、けっこう時間が経っちゃいました。
EXILEのライブは第一章のSHUN(清木場俊介)がいた時代しか行ってなくて、あの頃のメンバーがもうATSUSHIしかいないなかで、どんなもんなん?、って気持ちで最新のライブに行ったんですが、色々考察できて楽しかったです。
音楽好きって言うと、じゃあどんなの聴くの?とよく言われる。これ、けっこう困る質問で、色々聴くからなぁと思うんですが、一番は?と言われたら、俺はEXILEと答えています。え?あんな人数がいる人たちが好きなの?と言われると、あんまりそうじゃなくって、どうしても、EXILEって、俺のイメージ、ファーストアルバムの「our style」なのよね。なので、一昔前のダンス4人+ツインボーカル、みたいなのが好きです。って言うと、じゃぁ、三代目は?って訊かれるんだけど、うーん、彼らは代表曲しか知らない、っという。。
じゃあ、EXILEのどこが好きなの?って感じなんですが、考えてみると、俺はEXILEの「負け犬仲良し不良、でも実は礼儀正しい」感が好き。そもそもEXILEって、「国外追放、放浪者」って意味ですから。
もともと、ASAYANってオーディション番組のCHEMISTRY選抜落ちで結成されているのが、ボーカルのATSUSHIとSHUN。ATSUSHIは候補者5人にまで入りながら最後の4人に入れず脱落。SHUNは審査員と喧嘩して辞退。当時のSMEの審査員には、のちにEXILEに「Lover's again」「Ti amo」などの作詞を提供する松尾潔氏も参加しており、彼らの歌のルーツはこのオーディションにあります。
CHEMISTRYの成功を目の前に躍起になって歌っているツインボーカルと、当時ダンサーって職が今よりももっともっと不健全なイメージがあった3人のストリートダンサーを、ZOO時代の栄華を取り戻そうと躍起になって踊っているHIROが率いる、荒くれ者のグループ、、それがEXILEでした。ここに、当時の、第一章の良さがあったのだと思います。
他に第一章までのEXILEを具現的に表すなら、「対等と対称性」。これに尽きます。
ATSUSHIもSHUNも歌う量は全く同じ、見せ場やフェイクも含めてだいたい同じくらい。パフォーマーもめちゃくちゃ対等。見せ場もそれぞれの個性を出しながら、1つにまとめていく感じ。この仲良し要素に加えて、ATSUSHIがテクニカル、SHUNがエモーショナルな歌い方をして、それぞれの良いところを参考にしあっている感じが、とても新しさを感じた。
が、2006年3月、SHUNが脱退。ここにAKIRA(パフォーマー)とTAKAHIRO(ボーカル)が新たに入り、EXILEは7人組で再結成したのです。
ここから徐々に、負け犬っぽさが消え始め、対等でもなくなっていきます(TAKAHIROが後から入ってるから当然っちゃ当然)。対等さの象徴であったハモリも、ライブではほとんど聴けなくなってしまいました。これは、当初TAKAHIROにハモリまで生で入れることを任せるのが不安だったのが、そのままになってしまったのが原因だと思います。
ちなみに、一応今のファンの方に言っておくと、俺は現EXILEで一番好きなのはTAKAHIROです。いや、別にSHUNを含めても、TAKAHIROが一番かもしれない。彼の歌声は素質に恵まれており、それだけでもかなりのもんですが、EXILEの知名度がある程度知れ渡っている後に加入したので世間の重圧は半端無かったと思います。そこに絶えられる精神性が、歌に(なかなか反映されるシーンは少ないですが)反映されるとき、絶大な力があります。普段音を取れていなかったりしがちですが、そこを差っ引いても、力を出しきっている時のTAKAHIROのスゴさは並じゃないです。
2009年4月に、EXILEは7人からいっきに14人に増えます。ここで、EXILEのメンバー内のヒエラルキーは確実なものとなります。それまでもソロ活動などでは、対等ではなくなってきていましたが、少なくとも第一章までのEXILEの対等さを応用するなら、SHOKICHIとNESMITHにも同じくらいに歌わせてあげていたはずです。ここに、ファンの需要を考慮していく、というある種の「対応」に追われるEXILEに徐々にシフトしていきます。
人数が増えていったり、世間の需要に合わせていくのは、必ずしも悪い事ばかりではなく、たとえば14人になってからの曲で「もっと強く」という曲は、EXILEの1つの完成型だったと思います。これが発売された2010年、ニコニコで(違法?)アップロードされているところに「EXILEの本気」というタグがついていました。これは主にSHUNとATSUSHIの頃の曲にすべてついていたタグですが、はじめてTAKAHIROとATSUSHIの曲に「EXILEの本気」タグがつけられたのが「もっと強く」です。確かに曲としての完成度がものすごく高い曲です。
それに14人になったことで、ダンサーのなかで光る人の発掘がしやすくなりました。例えば、NAOTOや(後にパフォーマーオーディションで選ばれる)山本世界。この二人は特に、ダンサーとしての実力がずば抜けていると思います。直線的な動きも曲線的な動きも実に繊細で、表情に至るまで精緻に踊れるNAOTO。音ハメとリズムチェンジが驚異的に上手く、その動きを見ていると意識して聴こえていなかった音まで聴こえてくるほどのグッドリスナーダンサーである山本世界。この二人を見出せただけでも、EXILEをやたら量産系にして大勢にして良かったのかもしれないと思わせる。(ドームで、どんなに遠くても、彼ら二人は、そのダンスの上手さで識別できるほどです)
しかし!、である。最近のEXILEやその弟分たちは、あまりにダンスがメインになりすぎてしまって、あまりに体育会系色が強くなってしまった。
三代目J Soul Brothersの代表曲「R.Y.U.S.E.I.」は、ダンスありきの曲だ。盛り上がるし斬新だったし、EXILE第一章の「style」のラストサビへのダンス見せ場のように、「R.Y.U.S.E.I.」のラストサビへのダンス見せ場でも一人ひとりが個性を出しながらも全体としてまとまっていくのが体現されている、すばらしいPV。でも、俺はこの曲をダンスなしの、そのままで聴く気にはなれない。「style」は曲としての完成度もものすごく高く、kenn katoの深い作詞とFace2fAKEの斬新なメロによって成り立っていたが、この「R.Y.U.S.E.I.」に関しては曲だけで聴く時も、自然とダンスを思い出しながら聴いている自分に気がつく。まだEXILEの「I Wish For You」を聴いた時は、ここまではアリかな、っと思えたのだが、それ以降のEXILEの全体曲というかダンスありきの曲が、あまりに曲として成り立っていない曲が多すぎると言わざるを得ない。
今回のEXILE TRIBEのライブ「HiGH&LOW THE LIVE」に関しては、もっともっと曲よりも、パフォーマンスメインのエンターテイメントとなってしまったと思う。EXILEはこのまま音楽を捨ててしまうのだろうか?
最近のEXILE関連のグループの売り出し方、プロデュースの仕方として、音楽よりもパフィーマンス、いかに魅せるか?に重点が置かれてしまっているのだ。そもそもツインボーカルというのは、攻撃(的な技術)型と受動(的な感情)型が組み合わさると成功しやすい。例えば、川畑(CHEMISTRY)、SHUN、今市(三代目)、数原(GENERATIONS)は主に攻撃型。堂珍(CHEMISTRY)、TAKAHIRO、登坂(三代目)、片寄(GENERATIONS)は主に受動型だと思う(ATSUSHIはSHUNとの時は受動型、TAKAHIROとの時は攻撃型と意識的に変えていると思う)(これはどちらかといえば、という意味で、例外的な瞬間はいくらでもあるし、むしろその瞬間に感動したりすることが多い)。ACE OF SPADESでは、受動型が得意な天性タイプのTAKAHIROをバンドのボーカルにしている(この時点でバンドのサウンドに負けて声が通らないのは必然)。ここに雨宮兄弟として、ルックスだけで、同じ受動型が得意な天性タイプの登坂を起用するのは、音楽としてどうなの?と俺は思ってしまう。ACE OF SPADESにはGLAYのHISASHIもいる。同じGLAYのメンバーとコラボした「SCREAM」のときは、攻撃的で(純粋に)男っぽいSHUNをリードボーカルにして、地声の高音が上手いTERUと柔らかな声をいれられるATSUSHIを上手く使い分けていた。どうして、ああいう音楽性を重視した起用ができないのだろう?
それから、女子の使い方も、申し訳ないけど、下手だなぁと思う。女の子はパセリではない。もっとメインで使えよ、特にボーカルを、と思う。いつから、EXILEは華やかさを重視するようになったのか。だいたいE-girlsはAyaとAmiしか知らないが(世間的に言えば、これでも知ってるほーになると思う)、もう少しボーカルを大事にしてほしいなと思う。PKCZにはm-floのVERBALがいる。m-floが見出した天才シンガーソングライター、日之内エミのような人材を、EXILE TRIBEが見出せないのは哀しい。
そして、それ以上に、音楽というのは、技術以外の面があまりに強い表現法であることを、もっともっと考慮しながらプロデュースせなアカン。
上手に真面目にやろうとすればするほど、EXILEの良さである「負け犬」っぽさと、「不良」っぽさが、失われていってしまう。今市と登坂は、音楽として他人を震わせる技術としては、オーディションのときが一番良い気がする。特に今市にいたっては、本当に感動する歌を唄っていたのに、今は彼の一番良い部分が消えてしまった気がする。松尾潔氏のプロデュースに上手くのらなかったBREATHEも、変に枠に押し込められていない時期が、一番上手かった気がする。E-girlsのなかでも、確か、今は辞めてしまった、オーディションのときに歌がものすごく上手な子がいたはずである(ごめん、名前覚えてないけど)。
TRIBEになかなか出てこないDEEPや、E-girlsをやめた子、引退してしまった多田(BREATHE)などの、EXILEの波に上手く乗れない人材の方が、むしろ純正のEXILEっぽい。ちなみに、EXILEのヒエラルキーとして王道にのっていて、初代のEXILEっぽい実力があり、歌として完成されているという点では、GENERATIONSが最も有力である。さすがに、武者修行させられて、厳しい状態の中でライブばかりこなしているせいか、ボーカルもダンスも本当に実力が高いし、「なにくそ!」感も強い。「涙」もとても良かった。彼らは何かインパクトのある代表曲さえあれば、すぐに三代目を超えると思う。
なので、今後、期待できるのは、このEXILEの波からこぼれてしまった人たちから、新しい秩序が出来上がるときに、もっともっと、音楽としての新しい何かを魅せてくれそうな気がしてならない。
昔うたばんで「EXILE ENTERTAINMENT」というCDアルバムを引っさげてゲストで登場したとき、タカさんから「え?ボーカルとダンサーと、取り分同じなの?SHUNとATSUSHIは、それでいいの?」と言われてしまう程度しかなかったダンサーの地位。このダンサーの地位を一生懸命高めることで、音楽業界の覇を成したEXILE。
だが、だからといって、ダンサーを重要視しすぎることは、ダンサー自身のクビも絞める事になる。だって、曲として一本それ自身だけできちんと成り立っている、イイ曲がなくなってしまえば、自分たちが踊れる曲と舞台がなくなってしまうのだから。昔からのファンは、もっともっと、聴かせる曲を聞きたいし、それを全面に出したダンスを観たいぜ。
っというわけで、このように、集団としての「形成からぐらつきまで」を教えてくれるEXILE。彼らの15周年のアルバムがでるらしいです。
「EXTREME BEST」(2016.9.27)。どお?LDHの方、こんなに頑張って考察して、最後CMまでしたから、ちょっとは収益ください笑 (けっこう厳しく批判しまくったからダメ?でもガチで好きだからこそ、ですよ!笑)
EXILE / 9/27発売「EXTREME BEST」MV53曲全曲ダイジェスト
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