たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

純粋さが崩れる音

2016-05-16 02:58:13 | Weblog
 なんでもかんでも包み隠さず素直になれば良いってもんじゃない。

 書けば書くほど遠ざかっていく理想の中で、何を表現して何を表現しないか。表現すると決めたものにどの言葉を充てていくか、その難しさに頭を抱えている。
 少なくとも、誰が書いたとしても同じになるところを精緻に書くのは当然だけど、予見だとか価値観だとかに当たるところは、その人の個性がでてしまう。そんな個性を恥ずかしがりながら、お決まりの言葉をどこかで待っているのかもしれない。この繰り返しのリズムに心地よさを感じながら、また少しだけ、何かの純粋さが音を立てて崩れていく。

 でも、書かないと!この現状が壊れてしまうから。
 だから、慎重になるけれど、結局、画面が真っ白いままになってしまう。だって、純粋さは少しでも長持ちさせていたいし。悩みに悩みながら、時間ギリギリになってしまうなら、どこかの時点で心のスイッチを自分で押せればいいのかもしれないけど、そういうわけにはいかない。
 そんな姿を後ろからバカにして笑うように『現実に対応しすぎているから、そうなるんじゃないんですか?』と声が聴こえてくる。

 確かに今に向き合わないことを肯定化していけたら、苟且的には楽しいかもしれない。だけど、そんなことをしていて、未来はどうなるの?生きていけるの??

 変わることを一番に願いながら、変わらない現状で安心しているくせに。
 そんな貴方に、どうせ私の気持ちはわからない。
コメント
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