いくらなんでも

　よほどのバカじゃない限り、無難でフォーマルな対応の作法は、１年ちょっとくらい、自分であたりながら勉強すれば、誰でも理解できるようになるもんだと思う。
　実行できるかどうかは別にして、それで、理解出来ないんだとしたら、きちんと努力していない証拠だ。

　有用性が無い、必要性が感じられない、って思っているんだとしても、厳しいことを言えば、それって、気持ちが足りないんじゃない？？
　だいたいのことのチャンスは一回きり。そのチャンスを逃したら、二度と手にすることはできない。時間依存性無しに期待したいから、そんな厳しい仕打ちにはしないけど、俺にだって、いくらなんでも、のラインはある。

　気持ちのみで判断する、ということは、言いかえれば、能力については、閾値で判断しますよ、ってことだ。そんなに高く設定しているつもりはないけど、能力がまったく無くてイイわけじゃないし、クリアしてても低いなら努力して伸ばす必要はある。

　それは、当然、俺自身も。

　『えー、、全然、そんな風には思えないけど？』
　＜そんなことないですって。もともと、本ばっかり読んでて、めちゃくちゃ人と関わらないで生きてきた人ですから。＞

　《ん、っで、そこから立ち上がった時、僕、完全に、別人に変わったと言ってイイと思う。》
　『すごい挫折の仕方だな。。』
　《まぁ。記憶すらあやしいですもん。笑》

　〈私、もともと、根暗なんだよ。でも、何ヶ月間か、色々なヒトと接して、すっごい沢山観察して、それで術を学んだの。で、今は、こんなに無難な自分を作れるってわけ。〉
　『でも、そんなに演じてたら、疲れちゃうじゃん？』
　〈私、気疲れで疲れないんだよねー。〉

　「いや、疲れるからっ。笑」少なくとも、俺は今、ちょっと疲れている。
　本来の自分を、もう少し、今のスタイルの中に取り入れないといけない、って最近感じてきてる。じゃないと、壊れちゃう。演技を超えてるから、難しいけど。

　この感じ、ある程度、即物的な目標は達成されたからなのかもしれないな。
　結局、俺も、カタイことしか、信じていないのかも。まぁ、一過性だと思うけど、俺は俺なりに、そっち側に、柔らかいほうに、倒れ込んでいけたらイイ。俺も、そっちのが楽しいと思うから。

　でも、ちょっと待ってっ。気持ちを整えるのに少し時間をちょうだいね。